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Rolleiflex Automat MX


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以前にもご紹介したRolleiの楽しく深〜い二眼レフ,そのエントリーモデルとも言えるカメラです。正式名称はRolleiflex Vと呼ばれるらしいです。Rolleiの二眼レフには,本来はRolleicordという純然たる廉価版モデルが存在しました。そういった意味では,RolleicordとRolleiflexの中間に位置するモデルといった方が,適切かも知れません。
 ヘゴ/ヒカゲヘゴの新芽は(ここまで大きくなっては駄目ですが),ワラビなどと同じように食べられます。ポキポキ折ってサラダなどに混ぜたりして,全く癖がありません。不思議なことに両種をよく見る奄美では,余り食べる習慣が無いようで,西表島で長く民宿のヘルパーとイノシシ/鮫漁をやっていた,私のフィールドワークの師匠が不思議がっておりました。こんなに美味しいのにって。
 恐らく,昔は利用していたものの,島の規模が大きく(何てったって数万人規模),食材などとしては,割と古い時期で依存しなくなったのではないと思います。その辺りは,南西諸島にある人口の規模の小さな島とは事情が違うのかと思うのです。30年以上前でも飢え死にが出るようなことはもちろん有りませんが,台風通過時の食料ストックの種類や量なども違いすぎますし。が,はっきり言って説明として自信があるわけではありません。+Conversion lensでちょっと接写です。

Rolleiflex Automat MX, Schneider Xenar 3.5/75


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沖縄本島にあった,小規模マングローブのオヒルギ。マングローブの調査では,気根が這い回っていて,よくこれで転けたりしました。ヒルギの仲間の種子は,親木に着いているときに既に発根したりしますので,卵胎生種子なんて言っている人も居ました。種と種子はまた別の機会に。


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久しぶりにフィルムを装填しようと思ったら,チコがやってきました。本当に好奇心の強い子供みたいだ。お前の毛がホワホワ舞ってカメラの中に入るからね,ちょっと離れてね・・・駄目か。
 因みに私の所有する1台は,135フィルムを使うためのローライキンの部品の一部が着いたままになっております。前のユーザーの外し忘れだと思いますが,これだけでは,使いようもありません。

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 レンズについては4枚球のZeiss Tessar T 3.5/75(右)と同じくSchneiderのTessar typeであるXenar3.5/75(左)の二つがあります。どちらもよく撮れますが個人的にはXenarの写りの方が好きです。
 また,内臓露出計や,レンズが奢られているマニア垂涎のRolleiflex EやFなどと比べると,本機の特徴は
1) 高さと奥行きでコンパクトなので,小気味の良い使い方が出来る。
実際に,レンズを着けた135/デジタル一眼レフ等に比べると,その四角いボディは,驚くほど嵩張りません。
2) レンズが小さいので内蔵されているシャッターの特性上,レリーズも軽い。
3) 最も廉価な,オートマット機構付きRolleiflexであるということ。


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オートマット機構というのは,ブローニーフィルム装填時の画期的なメカニズムです。フィルムがリーダーペーパーに貼付けられていることを利用したもので、フィルム装填の際、リーダーペーパーを2本のローラーの間を通してから巻き取りスプールにはさみ込みます。巻き上げていくとそのローラーの間でフィルムの厚みが変わることを感知し一枚目でストップするようになっているのです。これは,ブローニーフィルムの巻紙だけの部分と実際にフィルムが有る部分の僅かな厚さの違いを機械的に検出するもので,ともかくフィルムを巻いていけば面倒なスタートマークを合わせるなどということも必要もない画期的なものでした。余り説明が上手くできませんが,現在では,生産・調整コストがかかるということで,定価45万円のFXですら,搭載されていない機能といえば,その価値を少しは伝えられるでしょうか。全く,45万で売ろうというカメラにも載っけられないメカだなんて。作れるけれどコストがかかるから作れないというエクスキューズはその通りなのでしょうけれど,1937年に産み出されたこの機構は,今では,「失われた技術」というわけです。従って,このオートマット機構が使えて,Planarレンズが使えるものとなれば,RolleiflexではクラシックモデルであるE/Fしか選択肢はなくなるわけで,マニアからプロまで未だに高い人気を保っております。
 Rolleiflexと冠されたモデルでは,オートマット機構はある意味搭載されていることが当たり前の機構でした。その意味で現行FXやその前のGXは,Rollei二眼レフ人気の復活に現在の状況の中で復刻したモデルであり,この二つモデルの方が,ある意味でRolleiflexにあって特殊と言った方がよいのかも知れません。このあたり,日本側代理店の駒村商会さんなども,あの社長さんのキャラクターでしたら,オートマット機構搭載についてはRollei側に進言されていると思っています。結果的に,オートマット機構が搭載できなかったと云うことを思うと,技術の進歩とシフトとコスト管理という問題は,勝手なユーザーにとっては「粋」じゃないことを引き起こすことも少なくないようです。

4) 50年代の発表モデルでありながら,MXと呼ばれるとおり,フラッシュバルブだけでなく,現行のストロボが使える。
当時は,Kodakのスタジオ用ストロボKodatronが開発されてから10年以上経過しており,マニュアルストロボはかなり普及していたと考えられます。しかし,この機構のお陰で,シャッター速度が全域で使えるレンズシャッター機の特性を生かして,日中シンクロ撮影など,現在でもこのモデルで,今のカメラに比べて遜色なくストロボワークを行うことが出来ます。

5) 比較的安価で手にはいること。露出計の着いていないシンプルなモデルですので,私のように野外で,しかも使い方が荒い人間には丁度良いかという気がしております。

 この辺りは,実際EかFを所有していれば,ここまでMXを褒めちぎることはなかったかもしれないので,届かない葡萄よりも,手に届くミカンを二個拾った人間の感想かと思います。MXを手に入れた当時は,この2台を合わせれば1台Fが来ていたと思います。まぁ資金的に潤沢とは言えない私の選択とはこういう傾向がありますね。でも,MX,負け犬の何とかではなく,本当に良いですよ。
 MXのファインダーは,最近のモデルや過去のFにおいては,改造で載っけられたりしているMINOLTAの誇るアキュートマットと比べると,ただの磨りガラスにすぎませんので,正確なピント合わせは,ルーペを引き上げないとまず無理で,若干苦労する部分です。しかし,間違いなくちゃんとしたファインダー像だと言えます。安価でブローニーフィルムを使うことでよく写るチープな二眼レフが巷には膨大に存在します。これは実際Rollei二眼レフの成功にあやかったもので,既に多くのメーカーが消滅しており,全てのモデル名を上げていくとA-Zまで存在するというマニアにとっては一つの宇宙とも呼べる世界ですが,それらと比べると十分まともだと思います。
 Rolleiflexは,モデルの数も多く,Rollei Magicと呼ばれる,1960年にあって,プログラムAE(自動露出)をゴッセンのセレン式露出計とプロントマット-Sシャッターが連動するという凝った機械制御で実現したモデル(アナログ電子制御機シャッターが作られる前のAEは複雑なカラクリ制御でした)から,先に述べたAutocordのシリーズ,後述するオートマット機構の省かれたTや今でもプロの仕様車も少なくないEやF,現行機種のFXなどなど,手を出すと,深〜い沼が待っている楽しい二眼レフです。因みに,このRollei Magic,オークションで一度私でも落とせそうなものが出ていたことがありましたが,メンテを考えて,手を出しませんでした。シャッターの上限も1/300ということで,森林の中などでISO400を使いたがる私としては,ちょっときついかなと考えたことも影響しております。

 ちなみに最新型のFXのレンズにはZeissのフィニッシュ・ブローとも言えるPlanar 2.8/80が装備されていますが,コーティングはZeissのお家芸であるT*コートではなく,RolleiのオリジナルコートHFTコートを使っている辺り,Rolleiというメーカーの矜持を感じるところですが,これも案外自社製コートを使うことでコストを抑えようということなのかも知れません。もちろんHFTコートはT*に並び称される優れたコーティング技術であることも確かなのですが。
Tracked from 七匹目のどじょう at 2005-04-17 10:07
タイトル : ひかげごけ?
Rolleiflex MX ぽかぽか陽気に台北の植物園を思い出していたら、タイミング良くひかげごけが取り上げられていたのでTB。 Complex_Catさんのようにローライではありませんが、見かけると必ず撮ってしまう植物の一つ。大阪の事務所にも一つ欲しいのだが、横に広がってしまうのと、これ以上グリーンを増やすと手に負えなくなる。 梅田の観葉植物屋さんで一鉢2万円なり。台北の山中にはいくらでもはえている。友人はこれ掘って東京へもってけ、んっ百万だぞって(^^;。おい、運び賃が数十万だぞ。 ...... more
Tracked from キーワードサーチ at 2005-07-09 09:07
タイトル : MX(Keyword Search)
楽天広場<スコア順検索>にて、ただいま注目を集めているキーワード「MX」でこちらの記事が10841件中、上位 46位にあるため、キーワードサーチのブログランキングで紹介させていただきました... more
Commented by aperture at 2005-04-17 10:02
これはローライフレックス・オートマットMXですね。3.5Fと比べると露出計が内蔵されていない分軽量コンパクトで惹かれるものがありますが、これ以上機材が増えるのも躊躇われます。私は2.8Fの復刻機と称せられるFXも持っていますが、TTL測光、そしてフォーカススクリーンを動かしてパララックス矯正する機能など、まったく新しいカメラじゃないかと認識しています。そうそう3.5Fを持ちながら、デッドストック気味の同じものがオークションに出てグラリとなりましたが、かろうじて我慢しました。クラカメの世界は恐いです、クワバラ、クワバラ。
Commented by dojou7 at 2005-04-17 10:11
私のローライはテッサー付きのT型2台。オーバーホールをそろそろしないといけないのだが、最近ほとんどフィルムが入っていないので躊躇しています。
Commented by みお at 2005-04-17 10:56
わたしもローライを2台も持っていますが、出番が減っています。それでも中古でコンディションが良さそうなものが出ると押さえたくなります。針穴が終わったら持ち出そうと思っています。
Commented by complex_cat at 2005-04-17 12:24
お三方が見事にそろい踏みで,恐縮します。 みおさん以外は,お持ちのローライ全ては知りませんでした。FXにTですか。書き込みから,独特の魔力があることは,十分すぎるほど伝わりますね。3.5F欲しいですが,確実に使うという自信がないので,贅沢品と言い聞かせて我慢してますが,将来に渡って我慢できるか自信がありません。
Commented by complex_cat at 2005-04-17 19:22
ブローニーを透過スキャンできるものが身の回りにないので,70%ぐらい縮小になっております。次のお買い物はそれになるでしょうか。なかなかそうはならないのです。
Commented by dojou7 at 2005-04-17 19:30
CP値の高いスキャナは、epsonのGT800とFS3200(どちらも型式はあやふや)。実売価格はフラットベット型のGT800(型式?)が安いかな。いずれの機種も数年前のプロ用高級機と同等以上です。ただし、家庭用民生器のため余分な機能も付いております。私はそれがじゃまで買うまでに至らないのですが。
Commented by complex_cat at 2005-04-17 20:12
FS3200の方は,以前にお話しされていましたね。多分,家でワイフがレシピなどをコピーして取り込むとか,汎用で使いたいのでGT800になりそうです。
Commented by LostColors at 2005-05-24 21:13
はじめまして。
>お前の毛がホワホワ舞ってカメラの中に入るからね,ちょっと離れてね・・・駄目か。

この気持ちよくわかります(笑)。
私はMXから始まり3.5Fと2.8Fなどを使っています。
何という悪行。反省しきりです。
Commented by complex_cat at 2005-05-24 21:54
LostColorsさん,こちらこそ初めまして。コメント有り難うございます。
羨ましい限りです。私は師匠の作画から3.5の方に憧れております。サイト及びその中のブログとも拝見しました。Wide-Rolleiまでおもちではないですか! しかし,武器庫の中を覗かせて頂くとあくまで作品作りのための布陣という感じですね。
 深い銀塩やクラカメの話からデジタルまで,画も素敵ですね。また,勉強しに巡回するところが増えてしまいました(笑)。
 でもQooちゃんが実は一番気になりました。
Commented by LostColors at 2005-05-24 22:21
御訪問いただきありがとうございます。Qoo・・・かわいいでしょ(猫馬鹿)。猫ちゃんと生活されてる方、皆さんデレデレなんでしょうね。

是非とも相互リンクさせていただければ、ありがたいのですが、宜しくお願いいたします。
またじっくり覗かせてもらいます。
Commented by complex_cat at 2005-05-24 22:36
 相互リンク,こちらこそよろしくお願い申し上げます。Qooちゃん,ちょっと無い顔つき。本当に可愛いですね。別の機会に,ブログの方で彼(彼女?)の写真をお願いします。
Commented by LostColors at 2005-05-25 19:59
早速リンクさせていただきました。有難うございます。
遡って拝見させていただきましたが、ヘビブログは心臓止まりそうでした。
猫好きのワイフにも好評でしたよ。
Commented by complex_cat at 2005-05-25 20:16
LostColorsさん,ありがとう。猫好きの奥様のお眼鏡に敵いましたか。時々,絶叫カードが混じりますが,まぁ,坊主めくりと思っておつき合いください(笑)。駄目な場合は,カテゴリCat familyを選択すれば公陳丸とチコを入れた猫家族の話です。
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by complex_cat | 2005-04-17 04:52 | My Tool | Trackback(2) | Comments(13)

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