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ママチャリの値段でTTベースクロスバイク(生活車仕様)を組む

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 現在組んでいるFCRベースの楽々クロスバイクは、軽い試乗車姿勢もややアップライトの変態車。それでも、一度、基の出自通りに改造すれば、ロードからTT(タイムトライアル)のトライアスロン練習用ぐらいにはなるはずの機体。まあ、ジオメトリーでシートポストがロードよりも6°位立ってるのが、TTだとすると、FCR2は2°程度なので知れているが。腐ってもフレームロードで、かなり軽いのも、普通のMTB的なフレームから上がってきたクロスバイクとはぜんぜん違う次元。そもそも売り出し方がそういうコンセプトのクロスバイクの皮を被ったTTロードだったわけだが、組んでいるうちに、私も欲しくなってもう一台同じ値段帯で塗装が遣れた出物がないか見ていたりする。こういうのは、中途半端で、損なら最初からロードに乗れよ的邪道視される場合が多いだろうけれど、私は好きだったりする。Giantみたいな車種のラインナップに余裕のあるところでないと、出てこないニッチェ製品。
 しっかりしたママチャリ(シティサイクル)の値段で、おもいっきり生活車として使うそこそこの高性能バイクを作るというのが、自作派を始めた時からの大雑把なコンセプトだ。





 
 ママチャリ=シティサイクルの値段で作るとなると、マトモなシティサイクルの値段ってどんなもんだろうかと考えてみた。ブリジストンのベルトドライブ車Albeltは、自分も乗ってみたいなと思っているクオリティの高い方の生活車。ベルトドライブは、チェーンよりもフリクションロスが少なく、強度も高く伸びたりしない。ノーメンテナンスに近い形で、性能を維持したまま乗れるという長所を持っている。友人の奥さんの愛車で、チャリンコとなると何でもいいなと思う私は、かなり羨ましかった。で、定価を調べたら、2016年現在でベーシックモデルは64.800円から、上のグレードで、75,800円から。やはりシティサイクルカテゴリーとはいえ、それなりの値段。
 以前、クロスバイク的テクノロジーで作られたシティサイクルをいくつか上げた(「スーパーママチャリ覚書 」)。どれも、跨ぎやすいよう、トップチューブのシートチューブ接続位置が下がっているスタガードフレームであるところがポイント。
 それよりも、もうちょっとママチャリと呼んで良い感じのBRIDGESTONE Mark Rosa. STAGGARDは丈夫なシティサイクルとクロスバイクのハイブリッド的な出で立ちだが、リア7段変速、27インチで、45,800円。既に、ロットがお店で取れなくて、ミニタイプしか無いと聞く。ミキストフレームではないけれど、更にママチャリっぽいTOTE BOXの内装3段だと45,800円。標準的なチェーン式のシティサイクルでも、4万円真ん中から5万円ぐらいはすると認識していて間違いではなさそうだ。
 以下に手に入れた順番と

①フレーム ............................................................................................................1.4万円
 当初1.5万円〜2.5万円ぐらいを想定。これをなにをどれくらいで引っ張ってこられるかで、特に安く組もうと思った場合、中古バイクの殆どが決まると言っても良い。今回は、塗装傷、剥がれがあるものの、凹みや変形のないカーボンフォーク付きのFCR2のフレームが安く手に入った。フレームに付属してなにが付いているかで、金額はかなり変わってくる。今回はハンドルとステム(これは両方共、カスタマイズの方向性が違ったので使わず別個に購入)、シートポスト、ブレーキ&シフター、リアディレーラとワイヤーまでが付属。これで、生活車作るだ。

②シフター&ブレーキシステム....................................................................... 0.4万円
 シフターはフレームに付属。中古Deoreの2s&9sシフターも手元にあったが、値段が上がるので、もともとフレームについていたハンドルに装着されていたSoraのものをそのまま流用。FCR独特とも言える仕様で、Vブレーキではなくキャリパーブレーキになる。Tiagraの中古品を見つけてきた。それ以上であれば性能的には十分。FCRのユニークなところは、クロスバイク的なデザインでありがなが、全般的にダルなVブレーキを使わず最初からキャリパーブレーキ仕様になっているところで、ハンドルをドロップに変えて本気のロードにしても、困らないようになっているところ。じゃあ、最初からロードにしとけよみたいな野暮なことは言わない人が選ぶべきニッチェ商品。ブレーキインナー&アウターワイヤーはストックを使用。

③前後ディレーラー................................................................................................ 0.15万円
 フロントは105の中古品流用。リアはSoraでこちらだけフレームに付属。フロントは本来は直付けの特殊台座がフレームに付いていたはずだが、破損か紛失で欠損。おそらく前の持ち主はそれで諦めて放出したのだと思う。こういうのは、解決策が得られないと一種の地雷に等しい。中古で105系の直付タイプが手に入ったが、そのままでは着けられない。かなり困ったがSHIMANOフロントディレイラー用のリング型台座SM-AD67L 34.9mmを600円で手に入れて、これに装着。元々のシートチューブ直付位置にはボルト穴の膨らみがあって、付属のボルト(18mm)では届かないので、20mmに変えて装着。シフト用インナー&アウターワイヤーはストック品使用で、この辺は計算に入れてない。

④前後ホイール&チューブ、タイヤ ...............................................................1.1万円
 ホイールは中古の SORAハブMAVIC CXP21リムのもの。タイヤは25cで、やや重いが丈夫で安いタイヤを選択。

⑤ライザーバーハンドル、ステム、ヘッドパーツ、コラムスペーサー .......... 0.6万円
 ヘッドパーツはトップのキャップ以外はそろっていた。こういうのも中古流用ではよくあることで、Tiogaのやすいヘッドパーツのトップを使う。無駄に揃ってないパーツが増えるので困るのだがしょうがない。譲る相手がママチャリしか乗ったことがない人なので、とりあえず、ハンドル位置を手前に寄せて、また少しアップライトよりにするために、フレームに付属していた傷だらけのストレートハンドルを、新品のライザーバーハンドルに替えて短いステムを上向きに装着した。少しでも軽くするためにと、カラムスペースはカーボン製にしたが、キャリアやスタンドと付けていけば少々の努力は無意味ではあった。バーエンドバーは付属していたのを流用。かなり傷がついて塗装が剥げていたので、黒の防錆ペイントを塗布。目立たなくなった。

⑥サドル、シートポスト........................................................................................ 0万円
 シートポストは元のフレームに付属していたので、そのまま使う。
実はサドルとシートポストだけで最低額0.4万円ほどを予定していた。サドルはPINARELLO MOST LEOPARDの中古品。遣れていたが破れなし、機能も問題無しで譲渡品。つまり0円。

⑦クランク&ペダル ............................................................................................... 0.46円
 BBは元のフレームには、ホローテックIIが装着されていた。Tiagraのクランクでも手に入れていたら楽だったが、コスト落とそうとして安かったのでTRUVATIV ELITAのGXPクランク&BBを手に入れてしまった。結果的に往生こいた(註:《品詞》動詞《標準語》苦労する。困る。困り果てる)。

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BBの規格は本当にたくさんあって困るが改良とメーカー間競争の必然。GXPは内径はホローテックIIと同じだが、それよりも装着時、僅かに幅が広いので流用できない。ホローテックIIの外周もいくつか規格があって、それ用に一応アダプターがあるのだが、このアダプターが工具メーカーによっては嵌らないようにできている。それで外すのに物凄く苦労した。ペダルはストック分ノーブランドだが、まあ新しい方。費用計上してない。
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 ここまでが基本となる車体。これで4.1万円程度。後でやや微妙な話になるのだが、ママチャリコストで済ませるというのは達成されている。少なくとも、ギヤがボスフリー7sだったり、フレームにちゃんとしたキャリパーブレーキが付かなかったり、ホイールがクイックリリース出なかったりするルック車よりは、フレームの信頼性も含め、今のテクノロジーの恩恵に預かれると思う。ルック車のグレーゾーンの完成車だって、定価見ると決して安くなかったりするのだから。

 ママチャリと比べて不利なのは、素のクロスバイク、MTB、ロードバイクには、ライトもキャリアも、LEDもミラー(こいつはシティサイクルにも標準で付かないが)もペダルも何もない段階での値段だということ。そして、英式バルブのママチャリなら、安価な空気入れで済むが、仏式バルブの25cのタイヤマネージメントとなると11気圧(7気圧調整だがそのくらいの余裕は必要)ぐらいまでの目盛りのあるポンプは必要になる。日本製はパナにしても海外製品と比べるとCP悪かったりする。この辺りは気をつけないと。
 また、自転車は、本来はどんなものだってヘルメットやグローブ嵌めて乗る方が安全だが、ママチャリに乗る場合、普通その装備は計算に入らない。ヘルメット被って乗ってるお母さんやお父さんは流石に見たことがない。通学用のは学校で着用を決められていたりしてるけど、まあ衝撃性能など微妙な仕様で、そんなに高いものではない。

 空気圧などのメンテナンスも、ノーパンクタイヤなら実質はどうか別にして0だ。更に、ママチャリの場合、ロックは車体にもともと付いている場合がほとんどだが、ワイヤーロックがそれなりのを購入すれば2千円ぐらいはかかる。今どき2万円ぐらいのシティサイクルでもワイヤー鍵がビルトインされてたりする。ちょっと耳目を引く自転車に乗る生活は、盗難との戦いでもある。この機体も高額でなくてもこんなのは盗み頃って感じではある。
 つまり、ロードやクロスバイク、MTBを普段の足として使うための値段をママチャリと比較すると、機体ポッキリの値段ではなく、余分にさらに2万6千円強(!)の予算が必要になったということになる。もちろん、後付の装備は最低限にするという判断もありだ。

⑧ライト、LED内蔵反射板等安全装備 .................................................................. 0.7万円
 LEDライトは、単三が4本使えるタイプを選んだ。電池容量たっぷりだし、単4よりもエネループなどで他の機器と共用する場合、いろいろ都合がいい。普通の反射板に擬態したLEDフラッシャーは、振動&光センサーで発酵が自動化されている優れもの。振動がなくなると20秒で点滅停止するので、切り忘れもない。デザインが何の変哲もない反射板そっくりなので、盗難に合う可能性が少なく、駐輪時、はずさなくても良い。
 あ、後、ベルがあった。0.03万円で誤差程度。

IPF(アイピーエフ) 自転車用LEDヘッドライト X-FORCE CYH-02

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0.3万円ちょっとに値引きしてもらった。アマゾンだと送料込みで0.5万年超える。ホームセンターの安売り0.1万円のLEDライトにSUM4のAMAループを3本、充電池と数百円のライトホルダーって組み合わせという方法もある。

キャットアイ(CAT EYE) 自動点滅テールライト ブラック(バックステー取付タイプ) TL-AU165-BS-GR

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⑨センタースタンド..................................................................................................... 0.25千円
 ロードバイクにスタンドを付ける人は、まあ居ない。しばしばなんで?ってチャリンコ脳じゃない人からは不思議がられるが、むしろ、一本足スタンドで軽い高額ロードを立たせるよりは、何かにもたせかけるか、専用スタンドにフォールドして扱うっていうのが、作法なんだろうということを納得するかどうかは個人の自由。FCRをドロップハンドルを装着してロードとして乗る場合は、スタンドつけるのは躊躇されるだろうが、クロスバイク使用なら、その矜持を守る人はいないだろう。当然、知人のリクエストは生活車なので、安心してそこそこ頑丈なのをつける。センタースタンドは、ビギナーにはチェーンが外れた時とかいろいろ使いにくいので、迷わずリアにがっちりつけるタイプのものを選ぶ。

⑩リアキャリア&リアフェンダー......................................... 0.45千円
 リアキャリア、泥除けは、生活車なので必然ということでリクエストされた。雨の日雨具着れば要らないとは言わない。リアフェンダーがないと高く頭まで水が上がる。私のバイクも、基本生活車なので、GTのフルサスMTBにも、サスペンションフォーク&ディスクブレーキで武装したMeridaハイブリッドバイク改にも、K2 Enemyディスクブレーキシクロクロスにも、全部フェンダーとシートポスト装着式リアキャリアを付けている。そう、買い物満載して帰るのも普通の風景。シラッとつける。

⑪人件費................................................................. 0円
 これは重要かと思う。製品としての自転車やそれを生業とするプロに組んでもらうのとは、ここは根本的に違うので、時間が費用に入っている。自己責任という部分が大きくのしかかってくる。素人が組む以上、なるべく問題の少ないパーツ、機体、手順で作るしかリスクをヘッジできないと思う。
 あと、GXPのBBをインストールするときには工具は手元のものでなんとかなったのだが、今回手元の工具がホローテックIIの或るタイプに合わなかったので、整備料を払ってプロに外してもらった。工具を調達するより安いし、一回きりならそういう手もある。
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⑫防犯登録料.......................................重要なのは、その経費だけではなく、関連の手間。新車購入ならその店でやってもらえるが、自作派は別途必要となる。高額ロードの人は芸術品的な車体にダサいオレンジ色の防犯登録シールを貼りたがらない傾向が一般的なようだが(この辺のTweetを見ると、防犯登録番号はなくて、車体番号だけのものが目立つことからも分かる)、普段から普通に色々な所に止めて放置もある生活車なら、防犯登録は必然。
 試しに50kmほど試走してみた。流石に素の状態の生活車パーツを付けなかった状態での軽快さはかなり落ちている。もったいないとも言えるが、普通のクロスバイクに比べればかなり軽いのも確かだが。それでも巡航速度は高い。

 今、暮らしている自治体の防犯登録はなんと12年間。東京都が抹消まで10年間だがら、多分全国一のレベル。多分、組んでいるデータベースの限界がその辺りに設定されている模様。お江戸は人口が多いから、こっちより長いというのはないのだろう。ちゃんとしたママチャリは、整備して乗ればそのくらい保つとは思う。私の使う機体の2台のフレームはとりあえず、2002〜2004年ぐらいのもので、まあ、パーツ更新すれば、今でも、現役として走れてるわけで、とりあえず乗り続けるかどうかは別にして、長いのは良いのかも。

 ちなみに、私の愛車2号のシクロクロスバイクであるK2 Enemy (2002)は、今当時の値段調べても余り意味ないかもしれないが、US$1079。今のレートで12万円ほどのバイクだから2.5ママチャリ以上するわけだが、これは、当時は105の9sで、ディスクブレーキではなくカンチブレーキがオリジナルの状態。なので、師匠のご厚意で105の10sを当てて、更にShimanoのディスクブレーキに換装した私のものは、中古であることを無視すれば、もう少しバリューがあるとは思う。105はコストパフォーマンス高いコンポで、中古好きの私は、これで十分だと思っていて、好きなのだが、この世界におけるUltegraへの信頼と人気は圧倒的なので、中途半端な扱いになったりしてる。
 いま新車として出ていれば、13〜15万円レベルであろうか。今見ると、GiantのディスクVシクロクロスのエントリーマシンが10万円台前半だから、大体あってると思う。制作費は、頂いたパーツも多いため、全部で5万円後半ぐらい。自分が組み立てたチャリンコをプロに見せるのは、凄まじく恥ずかしかったが、いろいろ意見をちょっとずつもらえるようになって、最近は、恥もなくなってきた。大部分は中古品、新古品購入だが、一応、パーツからチャリンコ「組み立てられる」レベルにあるってアピールできてると、こいつならとりあえず、利用が可能であると思ってもらって、多少は部品も集まってくる。

 当該バイクは、再来週の予定。その頃までにはネガ出しが終わり、調整も落ち付くだろうと思っている。
譲渡先の青年に伝える。「パーツ代も嵩んだし。よろしくな。とりあえず早く、代金払ってくれ。」
「あ、分かりました。」言われんでもちゃんとやってくれる人。
「いいかい、わかってるか? 君が金を払うということが、どういうことなのか?」
すかさず彼が言った。
「次のチャリンコが作れる!」
・・・わかってるじゃん。
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無事お輿入れした。アフターケアで、しばらくフォローすることになる。

追記ー実はご本人の体型が思った以上に身長からの想定より外れていて、これで足ベタいきません。サドル位置はご本人の違和感のズレを大きくしないように、徐々に修正しつつあります。ただ、このままでも、少なくとも彼の膝は壊れないのでご安心を。
 ゆるふわ風クロスバイクとあちこち喧伝して書いておいたとおり、変態バイクの称号はいただけたようです。ライザーバーでアップライトにしたら、乗り手は足ペッタリで調整しているものと思い込む人が出てくるとは、ちょっと予想外でしたが。

Commented by oratie at 2016-04-10 07:55
凄い!家が近くならパーツをバラで買って組み立てお願いしたい位。
Commented by complex_cat at 2016-04-10 15:22
oratieさん、どこでもドアでご近所付き合いしたいでござるです。
Commented by complex_cat at 2016-04-12 16:46
サドルの先端が上がっていて、自転車警察の人から叱られましたでござる。
本人の体型もあって、足はこれでも、ベタ足にならないようなので、こうするしか無いでござるよ。
本人の要望もあって、まあ、徐々にと思ったのですが、しょうがないでござるね。
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by complex_cat | 2016-04-09 21:48 | My Tool | Trackback | Comments(3)

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