奄美野生生物見聞記5
2005年 04月 23日

です。不思議なことに,花を見ると黄・白が同じ個体から咲いておりました。途中から色が変化するにしても不思議です。この混色の花の色については,記述が見つけられません。画像で探すと白い花ばかり。
で,最後の伝家の宝刀,初島住彦先生の「リュウキュウ植物誌(追加・訂正板)」(1975)によれば,「古い花は黄変」とちゃんと書いてありました。黄色い花の方が特に古びたようには見えませんが,agingに伴い白→黄に色が変化するようです。
カテゴリ“Micro Flowers”に入れても良かったかも知れませんね。

疑問に持つことについてちゃんと記載するという博物学的な観点は,案外最近の図鑑には感じられません。一方で,図鑑から人の文章をパクリまくって写真を謝金に任せて集めまくり,図鑑を書いてしまう人もおられます。写真以外には知的所有権など無いと思っておられるのでしょうねぇ。一行書くためにどのくらいの調査を必要とするか,生態学的な仕事をされたことがない方には特に見当も付かないようです。フィールドを実験室として仕事をすることと野外にラボ・ワークのため二歳剤に行くこととの区別が出来ておられません。まぁ実際に適当に調査と呼べるようなものなどしたことが無くても,装丁だけは立派な本を書いてしまう人は沢山おられますので,理解の外でしょうね。
レポートの資料も図鑑のコピーで創っても平気なのですが,流石に外向けにはそれはいけないと思っているのでしょうけれど,実際にやっていることは,先人のテキストのコピーと語の入れ替えによる報告書作成と同じ,間違っているか間違っていないのか自分で判断できないので,オリジナルのテキストを創ることが出来ない人たちの手法が使われているのがよく分かります。それでも,重宝するのは1冊に総括されているデータと図鑑については多様なものが有った方がよいということで,隙間商品としての便利さは感じますが,内容については,引用についての取捨選択も含めて,著者自身が,責任を自分で持てて無いという感じですね。そこかしこに,生態学が分かっていれば書くはずもない,変な記述が出てきます。最後に図鑑監修者だけに配慮して,図鑑の名前を載っけておられますが,引用という形もなくパクられた方としては,決して褒められた仕事とは思えません。