既に日にちが変わって昨日の話。姉的存在である知人用に頼まれたチャリンコのベース機体の荷を解き、26インチのパーツのストックも集めてチコと部品チェックの図。
彼女のチャリンコを組むに当たり、リクエストは以下のとおり。
①20インチはだめ、24インチ以上、できれば26インチが良い。
③クロスバイクやロードみたいなのは、ダメ。基本、「シティサイクル」であること。

手持ちのスプロケットで、なにをどうするか、暫しチコと悩むの図。グリップシフターを替えて8sにするか、8sから1段抜いて、7sにしてしまうことも考えた。サドルも革が死んでるけど、今は適当なのがない。座布団サドルみたいなのを探してくる必要がある。
①については、最近はクランクに52Tを持ってきて、20インチでもそれなりの速度で走れるものもあるが、まあ、姉上は24〜26インチシティサイクルに長く乗ってきているので、違和感が大きいらしい。
②については、実は彼女はかなり動きまわる人なのだ。関東のかなり大きな都市での使用も長期滞在で結構考えずには行かない状況で、その場合、活動周辺は市街地で自転車が楽なのだが、そこまで、いろいろな都合もあって、クルマで移動する場合が多い。そこからチャリンコをおろしてっていうのが理想らしい。フォールディングバイクは先の条件を考えると、20インチが基本で、それ以上となるとあまり良い物はない。ルック車系で 700cのクロスバイクもどきとかMTBモドキの26インチのフォールディングも見たことはあるけど、ともかく、重くなるし強度も不安がある。どっちにしてもシティサイクル的ではない。
いろいろ方針を整理したら、足りないパーツも出てきてしばし考えていたら、ユッチも外に出てきたの図。
③については、要するにスタッガードフレーム車ということになる。因みに、オークションなどでもよくミキストフレームとスタッガードフレームが混同されているが、ミキストフレームというのは、
トップチューブが後下がりの2本の細い管でできており、ヘッドチューブの上部に連結して、さらに
シートチューブの中間の両横に連結後、 チェーンステイ後端の後つめまで達しているフレーム(
様々な自転車フレームの特徴と判別はここが分かりやすい )で実はかなり特殊なフレームだ。もともとミキスト=男女兼用フレームということで、逆に言えば女性にも乗りやすい形状ということだと思う。
スタッガードフレームは、先のリンク先にある通り、その意味通り「互い違い」ということで、トップチューブとシートステイとチェーンステイがシートチューブから互い違いになっている形状。本来、シティサイクル=ママチャリは、基本このスタッガードフレームなわけだ。だから、スタッガードフレーム=ママチャリフレームだといえないことはないが、クロスバイク派生のものもあって、その場合、トップチューブのシートチューブ取り付け位置が中間よりも上にある。よりトップチューブを下に下げて更に前またぎでもまたぎやすいような形状を持ったシティサイクルは、シートチューブの中間よりも更に低い位置に取付位置を持ってくるためにトップチューブ強度を持たせる必要があり、結果的に重くなる。
つまりこのシートチューブとトップチューブの取り付け位置を見て、中央より上にあるか下にあるかで、本当のシティサイクル系より軽量,高性能のクロスバイク系か出自や重さの二極化のどっち側にその製品があるのがわかるということだ。
当初、シティサイクルを内装4段変速のユニット(Shimanoの内装5段はトップスピードを上げる方向のもので坂道登るなら4段の方が現実的)を使ってホイール手組で組んで、フロントだけクイックリリースにしようと思った。前輪を気楽に外せると、ホールディングバイク並みとは言わないけど、車載はそんなに大変じゃなくなる。ただし、シティサイクルのフロントフォークはクイックリリース対応のクロスバイクやMTB、ましてやロードとはぜんぜん違うため、パーツを頑張ってそれ用のフォークをシティサイクルのフレームにはめ込もうかとも思った。なんとなれば、シティサイクルのシンプルなスタッガードフレームは、クロスバイク派生のそれに比べ、安価で手に入る。しかし、シティサイクルベースの自転車は、車載しようと思うと、大きな問題がある。高額ロードと比べるのはあんまりだが、クロスバイクやハードテイルのMTBと較べてもシティサイクルのフレームってものすごく重いのだ。それはもちろんフレームがダイヤモンド構造から外れており、さらに、子供用シートだ、前後の籠に荷物満載だみたいな使い方に対しての安全マージンのためともかく丈夫な鉄製、クロモリフレームが普通なので、どうしても重いものが完成品となる。全く例外がないわけではないが、軽さを標榜するアルミフレームの新型タイプでも16kg程度、なにも書いてないと20kg超えるようなのは普通である。
今どきの、ローエンドでも12,3kg、ヒルクライムも大幅に楽になってる現代のチャリンコのテクノロジーの恩恵に預かれている自転車と比べると、2倍の質量のものを車に乗せ降ろししなければならなくなる。
しょっちゅう前輪外してクルマに載せている人間として、あれの倍の重さの上げ下ろしを小柄な姉上の手でやるって考えただけで、現実感がなくなってしまう。
さて組み立ての方向性で考えたところは以下のとおり。
●タイヤサイズ
26インチか27インチか700cかって悩まなかった。26インチも1.25か1.5かって悩まなかった。逆ファニークロスバイクを作った時に、26インチの1.25スリックの軽快さを体験していた結果だ。ただ、通常ママチャリは、やや太めの廉価なタイヤを履かせて、衝撃やパンクリスクに対応している。1.25インチのスリックタイヤは、取り回しも軽く、26インチが700Cでない軽量コンパクトさ、加速時や空走時の転がり抵抗の低さなどを実感できてすごく良いのだけれど、荷物満載してママチャリの感覚で都市のギャップを気を使わずに走るのに慣れていると、やや、扱いが神経質になるかもしれないなと思った。スリックで良いのだけれど、「姉様」の使い方なら、もう少し太いほうが良いのかもしれない。
●チューブのバルブ方式
バルブ方式も、最初は一般ママチャリ用の英式の方が、空気入れも悩まずに済むし、良いかなとも思った。一方で、日本以外の国では、その名前を冠する英国ですら英式は遥か以前から使ってない。英式バルブは日本では自転車屋さんのメンテ頻度が上がって、ユーザーがずっと面倒を見てもらう関係ができるのであえてこだわって採用してきた、みたいな話も聞いたことがある。米式はあまりみないが仏式と似たような性能のもの。仏式の方が空気抜けにくいし、ポンプさえあれば面倒もないかなと思ったりしたが、とりあえずママチャリ的に使うに違和感のない英式バルブチューブで行こうと思っていた。ところが、クイックリリースが使えて、元のグリップ式のシフターに合わせて、貴重なスプロケット式の7s用となってるホイールのストックを引っ張りだしたのだが、ものすごく旧いものであるにもかかわらず、ちゃんと仏式であったことに気がついた。英式バルブを通すにはドリルで穴を広げた上で、穴周りの丁寧な処理の手間が必要。とりあえず、フロント英式で、リア仏式ではめ込んで後で考えようと思った。フロントも26インチ用の仏式のチューブあれば入れていたけど、手元にあるものでとりあえず、なんとかしようとするとこうなったりする。結果、どちらで前後統一するかまだ決めることができてない。
●クイックリリースかボルト締めか
車載するときにクイックリリースで前輪外せて、本体10kg台前半の重量なら、かなり乗せ降ろし楽だと考えた。ベース機体はママチャリではないので、当然前後クイックリリースに対応しているが、年代もあるのかデフォルトで六角ボルト締めだった。クイックリリースよりも、六角用のレンチを持っていて、ボルトのままの方が、盗難対策的には良いのではないかとも思えてきた。その方が、もともと付属しているホイール(ちょっと重たいのが難点)を使えばいいだけなので、交換はタイヤだけで済むから費用も削れる。
それでも緩めて外してみたいなのをレンチでやるというのは、やっぱりスマートでないし、姉上にはかなり面倒にも思える。で、結果的に外す気がなくなりそうだなと思った。盗難対策的には、今はクイックリリースのレバー部分が取り外せるタイプのものがあるので、そのタイプを使う方法もある。ただ、そのレバーを失くしちゃったりする可能性もある。施錠も含め、ママチャリ的に気を使わずに使ってもらおうと考えると、いろいろ悩む。
●シフターは前後何段にすれば良いのか。
結果的に、フロントはディレーラー無しで、後ろ7sのみというオリジナルのまま行くことにした。ママチャリしか乗ったこと無い年長の女性に、フロントディレーラーまで入れるのは、煩雑だろう。7sのスプロケットタイプは今どき殆ど無い。8sを入れて、シフターも一つ上げるかとかも考えた。7sならボスフリー7sでも良いのだけれど、ローギアをもう少し大きくしてあげたいなとは思ったりしている。現状の7sは大昔のGiantのMTB用のそれなのだが、とりあえず暫定。
●ブレーキはVブレーキかキャリパーブレーキか
ブレーキはデフォルトはVブレーキで、ディスクブレーキのマウントは寝ぼけてんのかという話。ただ、フレームの穴を見ると、どうもキャリパーが着けられそうはある。キャリパーと言ってもママチャリ型だと思うがロードのそれが嵌まれば前輪外すときは楽だ。Vブレーキだと、タイヤの嵌め外しは、ちょっと面倒だし、外して嵌めた後、調整もずれやすい。ロード用のキャリパーなら緩めるのはワンタッチだし、同じリムブレーキ用ホイールでそのまま使える。ディスクならホイール外して嵌めても、私の経験だと調整の必要は全く無い印象。
私の場合、輪行、車載をやる際に、この辺のVブレーキの面倒さにウンザリしてしまって、可能な機体は全部ディスクブレーキにしてしまったとも言える。Vブレーキの場合、調整してあっても、一旦タイヤを外してはめ直すと、何故か左右のクリアランスやテンションがずれたりする。Tektroの旧いものが付いていようがShimanoの新品だろうが、この瑕疵は生じるので、自分なら良いけど、人にやってねというのは、ちょっと考えてしまう。
強度的な問題はあるが、一応、後輪はディスクブレーキ化は可能だが、リアのホイール外してね、みたいなのもシティサイクルユーザーには、ちょっと面倒だしハードル高いので、考えてもしょうがない。自分用だったらやってしまうかもしれないが。
●ハンドル
ステムもオールドスタイルで、ハンドルはライザーバーがデフォルトで、これはこれで悪くない。悪くないが、リクエストはなるべくシティサイクル的なものということだと思っているので、今のクイルステムに合わせるとなるとクルーザーハンドルかノースロードハンドルに替える必要がある(ハンドルの種類と特性はフレーム同様、
「自転車探検」サイトのここ にまとめがある)。

1.25インチのスリックタイヤを履かせたところで、夜になってしまったが、「あ、お茶しよう。ちょっと待っててお菓子買ってくるから。」とワイフに言って、コンビニまで試走した図。フェンダーもキャリアもついてないから、軽くていいわ―。
なんか手をかけてメンテすると、ものすごく格好いいチャリに見えてきた。色もおしゃれだが、傷はそれなりなので、磨いて部分的にタッチペンで塗るか、そのままにするかどうしよう。
ワイフは、私の組み立てるチャリンコに、自分が乗る姿は想像できないみたいなのだが、このチャリンコは違った。自分でも乗れる自転車だと思ってくれた模様。そして彼女も「姉上」同様小径車は苦手。家のヴァクセン101BA(廉価フォールディングバイクの傑作)は、何度か乗っても違和感が消えなかったらしい。通学や生活など、シティサイクルが体の一部になるくらい乗ってきた人ほど、多分そうなんだろうなという気がする。ただ、スタッガードフレームクロスバイクの本懐は、女性にこそ訴求する重要性能でありながら、上手くイメージしてもらえてきていない部分がある。それが「車体重量」という性能だと思っている。スタッガードフレームクロスバイクのレビューで、そこを省略するレビューが散見されるが、チャリンコライターが普段から関わるロードバイクやクロスバイク、MTBの高額製品から見たら、12〜14kg程度の重さは敢えて軽いとは言わないだろう。結果、彼らが普段足に使っているとは思えない20kg近いシティサイクルと比較する視点で、書かれることもないからだと思う。
全メーカー見渡してもスタッガードフレームを持つクロスバイク系のモデルの数は限られている。より高額バイクになれば、女性であろうが、スタッガードフレームに拘る人は皆無だろうと思うので、完全に、メーカー側から見たら隙間商品である。故に貴重。
ただ、オークションでも、クロスバイクをベースにした、スタッガードフレームや完成車は、自分でメンテ、カスタマイズして乗れる高額値付けではない良品の場合、相当な人気があって放置されることはあまりないのをずっと見ている。
シティサイクル的な、不特定多数の人が適当に乗って、長期使用の果てでも致命的な部分は壊れないというヘビーデューティさは、クロスバイク系で代替するのは少しリスクがありそうだ。それでも今のチャリのノウハウを持ち込めばなんとかなりそうな気がする。車体が重くてどこでも走っていてある意味人民服か国民車みたいになってしまって、次のデザイン的なものへの模索がなされて久しいシティサイクルだが、それ故、なんか商業ニッチェとしては可能性があるのではないかと思ったりする。まあ、Giant含め多くのメーカーは流石にそんなことに気が付かないはずもなく、このイタリアンジオスのモデルも同様。今の地方都市の景気とか見ていると現状のシティサイクルがこういったものに置き換わるかといえば、やっぱりそれはない。
Amazonの検索に引っかからないので、
Giant Suitto Wの画は並べられないが、それ以外は、気が付いたらかなりチェックしていてメモとして
ここに並べてある。メーカーサイトを見れば定番だ。わざわざ英式バルブにしているのも私が悩んでる部分の、マーケティングからの結論なんだろう。スタッガードフレーム型クロスバイクは、モデルは限定されているしローエンドが基本である結果、Escape R3みたいにバカ売れ前提の高CPという訳にはいかないし、いろいろ、部品は限定され、グレードは下げてあるが、Shimano帝国の恩恵に預かれているおかげで(他メーカーにもロゴを背負って市場に係る以上、安かろうでもあまりにも悪かろうは作れなくなってる効果を含める)、それで問題があるというレベルではない。
後やはり、クイックリリースが可能なフレーム&フォークのモデルでも、大抵ハメ殺しの六角ボルト型のホイールが付属している。今回のGIOS LIEBEもSuitto Wもそうなっている。CPダウンもあるだろうけど、ユーザー層を考えると、ホイール外す可能性は低く、防犯的にもシティサイクル同様、都合が良いからだと思う。
マヌケな話だが、ここまで組み立てて感じたが、Amazon結構安いし、私が中古パーツで組んでもこれからハンドルとか、フェンダーとか籠とかつければ差額は2〜2.5万円レベルなような気がする。Bridgestone VILLETTA UTILITYなら更に下がるが、こいつは、取付位置が中心部より下側のシティサイクル出自の16.8kgもある車体で、クイックリリースに対応させるようなモデルではない。
Giant Suitto Wについては、実販売価格が4万円切って手に入るなら、軽くて取り回しがよくて、ママチャリではない今の自転車の運動性能を手に入れたかったら、個人的には買いだと思う。でも、籠とかライトとかキャリアーとか施錠とかが更に出費となるから、結局、シティサイクルかクロスバイク出自ではなくてそれらが全部最初から付いている、生活車としての総合力は日本メーカーに流れるだろうなという気はする。今どきのロード、クロス、MTBバイクでは、CP含めて全然Taiwanメーカーに太刀打ちできなくなったけど。
大陸製の生活車は、安価だが、総じて質は低く、特にCPが良いと言われる製品でも個体差が酷いので博打にはなる。マイパラス M-501など、変態カスタマイザーの改造ベース機体的な使い方も含めて、超安価な名車で、何度かアマゾンでポチをしそうになったが、やっぱり手を出す気にはなれない。
つらつら考えて整理すると、勢いで研究用に手に入れたようなもので、これは結局ワイフの使用を前提とした自宅用ということになるかもしれない。
Giant Suitto Wあたりなら、お店から新品を購入すれば、今なら、最新2016年モデルが手に入れられるし、その方が姉上には良いのではないかと思えてきたので、こっから先は相談して彼女の判断になる。なんとなくマヌケな話だが、そうとなれば、これは、姉にとってママチャリの半分の重さで運動性能が圧倒的に違う、スタッガードフレーム26インチクロスバイクというものの試乗車的な意味付けになってしまうか。実際、スタッガードフレームクロスバイクの試乗車がもっとその辺にあれば、もう少し売れているかもしれない。小売店でそれを長く抱えていられる余裕はない。
「チャリンコは少しだけ資金に余裕があれば、中古パーツで組み立てるみたいなことは考えず、その後のメンテのための関係構築も含め、専門店で新品を購入する方が圧倒的に理がある。」
「クルマは売っても(下取りしても)買っても損をする」(by 故徳大寺有恒氏)みたいなの。
ただし、パーツのグレードを上げて性能を「体感」できる満足度や、どうせいろいろいじりまくって自分でメンテをするなら、中古パーツで組んだ方が圧倒的なクオリティのものをより安く手に入れられるのも確か。

チコやユッチと違って、全く外をうろちょろしないナッチの肉球の毛はいつも綺麗でふさふさしている。せっかくだから最後に登場。
htmx.process($el));"
hx-trigger="click"
hx-target="#hx-like-count-post-25798656"
hx-vals='{"url":"https:\/\/complexCat.exblog.jp\/25798656\/","__csrf_value":"0fca9b857c636a58cfd91558cc240cf83c60aa9a68165e87e9020f90dad7604766fc364cafb04ea3d2706fd75387fa48330dedb4f78d04338bc5ab0e477ab243"}'
role="button"
class="xbg-like-btn-icon">