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再冒愚ブルース〜破損ー修復記 #13【私的リハビリ記】

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 手術後、初めての屋久島となった。左腕で枝にハングすると、鎖骨周辺が簡単にバキッと行きそうで、慣らしとしてのフィールド。





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 もちろん、いつものフィールドワーク、生命が輝いているとか、俺のコスモが共振しているとか、勇気もらいましたとか、そういう感動は特に無い。楽しいのは当たり前なのだg,あそこに居るべきものがいたり居たり居なかったり。あっちもあっちの都合で、生きている。普通であることの素晴らしさ。

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 角がヘンテコリンな感じで生えてしまった若い雄鹿が、子連れの雌鹿の繁殖状態をチェックしに来ていた。明らかに経験不足で、空気読めない感じ。
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 いや、勝手に恋路を笑ってはいけない。観察していたら、どうやら気に触った模様で、足踏みをして一丁前に威嚇してきた。狩猟圧がかかっていない領域なので、こういうのも見られる。

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 相変わらず、崖っぷち晴れ男なので、港についたときにパラパラ雨が降っていて雲霧林の手前にたどり着いたときには、止んでいた。雨具使わずに終わる。雨を見たかい?

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 バックミラーの上に鎮座してしまった雌のヤクシマザル。困ったことに、彼等に人の食べ物が渡ってしまっている証拠。意図せぬ給餌かいとしてのものかわからないが、彼等をして、林道沿いに農業地域に誘導して、農業被害を発生させて有害鳥獣捕獲にかかる。餌やりは誰も幸せにしない。
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 森林の辺縁、逆光に何かが光っていた。蚊柱みたいに見えるが、もっとでかい。

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 余裕があればヤコブの梯子とともに、切り撮れるようにしたかったのだが、あっという間に何柱か分からんが霧散していった。
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 何か面白く撮る工夫をしようと思ったが、風に流されるように拡散していった。もう、交尾とか、やるべきことは終わったのかもしれない。
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 微小なカゲロウの仲間だった。フタオカゲロウとかそのあたりだろうか。あっちは羽化は春じゃなかったっけ。さっぱりわからない。



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 野生のCamellia sasanqua、八重咲きの園芸種に比べると貧相だが、こういうの好き。


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 蘚苔類を撮るときには、瑞々しさを見せたくて、態とストロボを炊く。
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 アブラギリの種子は、どうもシカが食っているらしい。葉っぱも忌避植物で、消化酵素阻害するタンニン分も多いし、普通はシカにとっての忌避植物カテゴリ。アブラギリ、ナチシダ、ハスノハカズラ、など採餌忌避植物はあらかたはっきりしている。下の方のハシカンボクも同様。
 「アブラギリがやられたようだな…」「ククク…奴は四天王の中でも最弱…」みたいなことはないレベルの植物だと思っていた。色々、曲者で、葉っぱには美白成分と同様の、代謝阻害物質たっぷりで、他の植物の発芽を押さえ込んでしまうアレロパシー(遠隔作用)も持っている。こいつで純林化したりする。
 そもそも、「エレオステアリン酸など毒性を持つ不飽和脂肪酸を含むため、食用にはできない」というWikipediaの話は有名。それでも食べているのなら、植生加害がかなり進行して、食べられそうな植物はあらかた林床から枯渇して、こんなのに手を出すんかい?みたいな地域でしか見られないと思っていた。悪食のタヌキが国内外来種で入って増えてしまっているため、最初そちらかと思ったが、センサーカメラ観察で、どうやら食ってるシカの個体を確認しているらしい。それも少なくとも数年も前から。
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 夜の林道降下中に出会ったヨタカ。装備はキスデジと古いシグマの高倍率ズームしか持っていなかったので、手ブレしている。ハードさが予想されると、装備はどうなっても良い機材を持っていくとしばしばこういうことが起きる。
 飛翔昆虫、もうそんなにいるように見えないのだが、ちゃんと餌を見つけているのだろう。

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 ハシカンボクは、今年最後だろう。ひっそりとした大きさで、花好きには、ノボタンよりもウケる気がする。日当たりの良い局所で見るけど、こいつはシカには食われない(相当食われにくい。IvlevでもChessonでも選択指数は最低レベルになる)らしい。一般的に消化阻害二次代謝産物とそれとリンクしたエグミ、苦味は、草食獣にとって食中毒リスクがなくても利得の低い、不利な餌だという情報を発して彼等の食性ランキング内での位置を大幅に落とすことで採餌回避に誘導する戦略となる。
 このことは、完全にディフェンスできなくても中途半端に厄介な棘などを持つ植物なども似たような戦略である。完全武装しなくても、草食獣にとって、ちょっと嫌なことをやってやれば、ランキングが落ちて、状況次第では採餌確率がぐんと下がる。もちろん、PTA参観日のクラスで、生徒が少なくなってしまえば、どんな戦略をとっても教師に当てられてしまうがごとく、周辺の植物群集のメンバー次第だが。

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 標高800mのところでノネコ発見。入り込んできたのか、ここまで運ばれて遺棄されたのか、見かけ、彼女は頑張って生きているようだ。実際このあたりの屋久島は、この時期はあまり動物の影は濃くない。間もなく急激に気温も下がる。サルやシカを獲って食えるならともかく。特にオスについては長距離遠征してくる個体も絶対に居ないわけではないけれど、こういうのも色々首をひねる。
 私の身体は色々不具合が発生して、サポーターなどで固めて動き回っていて、完全な回復には程遠い。残念ながら、森林内を駆け上がっているところを見られたとしたら、「実は、体弱いねん。人生において、最も機能回復的に危機的状況が続いている、我慢の状況なのだ」と、言っても誰も信じてもらえないだろう。

Commented by arak_okano at 2016-11-09 13:57
素晴らしい自然の紹介をリハビリでして仕舞うとは、なんと言うスーパーマン振りでしょうか、バグースです。アラック、先ずは血液成分を増やします。
Commented by complex_cat at 2016-11-09 22:30
アラックさん、
いえ、結構ボロボロです。回復も思った以上に遅いです。
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by complex_cat | 2016-11-04 21:35 | Nature Islands | Trackback | Comments(2)

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