諸君、私にはコンデジ需要がある。 今や、大抵の人にとって、生まれて最初に手にするのはスマホ内臓のそれなりによく映る「カメラ」になっていると思う。それ以上のものが必要となる場面は、多くの人にとって多分そんなに無い。子供の音楽会や学芸会に望遠機能が必要になるぐらい。子供の運動会もデジイチよりもスマホが普通になった。カメラで撮ることを趣味にしない限り、日常の記録は写し止められるし、クラウドに飛ばせれば、デジカメのwi-fi機能に特化した機種よりも圧倒的に共有や保存も楽だ。何よりも、優れたカメラの第一の機能はいつも手元にあって、撮りたいときに撮れるということである。この視点から見れば、たとえ本人が使いこなしていても、馬鹿でかい高性能デジイチや、バッグやザックの底に入れて持ち歩くこと自体も微妙なミラーレスもコンデジも不利である。
諸君、それでも私にはコンデジが必要である。 しかし、今時のコンデジは、高性能高額タイプに活路を見出した製品とそれ以外で二極化して、後者の多様性は減少している。結構頑張ってるなという機種はそれなりの値段がしてしまう。結果的に、中古で以前のモデルを探したりするが、余り長生きしなくて、振り出しに戻ったりする。 DSC-TX20はコンパクトな全天候型コンデジで、ハイビジョン画質と動画、16:9のアスペクト比で取る場合に収まりの良いモニタや、画像合成でダイナミックレンジを稼ぐ機能を持っていたため、かなり気に入っていた。結果的にフィールドでの使い方がハードなのでもちが悪く、その後継機、DSC-TX30はあっという間に生産中止になって、アマゾン出品の中古販売価格で、8万円のタグが付けられていて、なんじゃコレになった。友人のyu-kubo先生が訪問の折に使っていて、ああ、TX20の後継機だなと思っていたわけだが、ご本人もびっくりのプレミアムであった。SONY製飛び道具の付いた防水コンデジはそれなりに私のように使ってきたファンが居るということか。
それの代わりに導入したつもりのNikonのAW130は、スマホの遠隔操作撮影やファイル転送などなかなか良くできていたコンデジだった。ところが、画像合成でラチュードが必要な撮影に不利で、特に素の画像は低照度下での発色がイマイチで、30m防水機能のためレリーズが硬すぎて、手ブレも出やすく歩留まりが悪く、ストロボも一昔前のモデルのように使えるシチュエーションが狭すぎると言ったネガに使ってみて気がついた。防水機能を着けたモデルは、その分コストがかかるので、基本撮影モジュールの質を落としてくるのは致し方ないのだが、これは、考えが甘かったなと思った。 それでも、野外撮影では、深度を気にせず水中に沈めて撮ったり、地上5mのポールにつけてスマホでズーム自由に樹冠を撮ったり、GPSの測地がGarmin専用機並に早く、省略地図だが、位置の確認にはGPSとして十分使えるGPSマップ表示など、カタログから想定した通りに機能してくれて、活躍はしている。 このモデルSony DSC-HX30Vも動画は、発売当時ムービーカメラが要らないと言われるほど高性能で、20倍ズームも便利でSony製コンデジの飛び道具の殆どが入っていて、GPSまでもがぎりぎり使い物になって重宝することが多く、手元になくなってしまうと、やっぱり不便に感じていた。後継機が1/2.3インチデジであるにも関わらず4万円以上は出せんなあと思って修理せずに安い中古を探した。これで3台目。
AW130の話に戻るが、光線状態が違うが、Sony製画像合成でごまかせた画が、素のままの1/2.3インチローコストコンデジでは限界はこんな感じというのはわかる。何よりも、殆どの条件で使わざるを得ない、スローシャッター光量下での画質の限界点がiPhone6s plusなどにくらべて遥かに低いのでは、中々使おうという気にならない部分でもある。海岸や潮間帯や川や池でヘビーに振り回して生物を狙うには最適機だが、それにしても、ちょっと使い方を考えないと中々思った通りの画は取りにくい。天下のニコンだと思ったが、壊れ難さは確かにそんな感じ。それでも値段的に少し差のあるOlympusやPanasonicの対抗機の方に若干値段分、分があるかもしれない。大抵の人にとっては防水になったiPhone7かカメラ性能に定評のある防水Androidの方に投資した方が遥かに懸命かもしれない。
Sony製のコンデジの平均寿命は短い。それでもDSC-HX30Vは私にはしっくり来たカメラではあった。測地は遅いがそれなりに実用範囲として使えるGPS機能もありがたい時がある。ブログにアップするときには、exifから座標情報をわざわざ外さねばならないけど。 同じSony製でもかなり気合入れて作ったと思われるαNEX-6は、かなりハードに使っているが未だにノートラブルだし、黒塗装が禿げてきてまるでブラックライカだなと勝手に悦に入っている。後継機のα-6500は、五軸の手ブレ低減機構が入っていて、値段が上がってしまったが、良いカメラだと思う。でも可動部分が入ると、アクチュエータが作動中に衝撃入ると逝ってしまうこともあるので、今のシンプルな機種の方が自分向きかなとも思う。購入当初はαシステムの名前を関しているのにボディ内手ブレ低減ないとか困るなぁとか思っていたのだが。
自分がコンデジを使い始めた頃には考えなかったカメラ内臓のiPhone、iPad、そして無数のAndroid機が存在する。これは次男が既に型落ちになった彼のiPad2で撮ってくれた画だが、逆光の条件でこれぐらいは撮れる。もうわざわざコンデジを買い与えなくても、十分といったところかと思っても、旅行となればやはり持っていって振り回すわけには行かず、彼はガラケーなので、そういうときには我が家のコンデジを適当に渡している。
チコによるナッチからの寝床ジャック。よほどこの場所で寝たかったようで、ずっと下からナッチを眺めていたらしいが、オシリから押し込んで、最終的にナッチに場所を譲らせて、寝床を奪ったらしい。こういうところは、未だにちゃっかりしている。
アイピースから覗いた像をWi-FiでiPhoneでに飛ばして確認して、リモコンでシャッターを押すなんて遊びをやってみた。αNEX-6にNikon AW130を変態合体させて実現できる。誰得、というのもあるけど、最新のスマホで画像確認しながらレリーズコントロール出来る機種はともかく、力技で作らねばならなくなったらこうなる。
コンデジはスポッティングスコープやスターライトスコープのアイピースからの撮影という、いわゆる当てデジ的使用ができるのは一つの長所だと思う。鳥類分野のフィールドワーカーで、これ緊急時(スコープ覗いていたら、初記録みたいなの)は特にだが、使わないで済む人は自分の周りではほとんど居ない。あ、それもAndroidスマホで足りるのであった。
追記ー高額高性能コンデジは、投資してないので、ここで扱うべき材料を持たないので、一切触れなかった。本来、デジイチの替わりにって云うようなニッチェなので、私の場合、ならばデジイチでいいです、そこまで投資しないから、で終わってしまうし、恐ろしいことにiPhoneがデジイチのサブカメラとしていて、罵倒されることはむしろない状況でもある。
私にとっては欲しくないとは言わないのだが、防水、防滴ぐらいしろよって感じる部分はあるので、ならばiPhone7か最新のAndroidデジでいいやん、って話になる、酸っぱい葡萄。
追記ーその後、防水防塵性能はIP68相当のiPhone SE2を手に入れたので、この問題はほぼ解決した。