チコの画を載っけてチャリンコの防備録を書いたと云うだけのエントリ。 良い季節になりつつあるが、ようやく余裕ができたと思ったら、悪天候が続く。チコも出かけていってはすぐに戻ってくるか、雨脚の強い状況を眺めて、外に出るのを諦める。尻尾を振りながらどうしようかドアの前で悩んでいる。このあたり若い頃と大分違う。 家の中にいる時間が長くなってるので、どうも甘ったれで困る。カリカリ。缶詰。さっき食べたのじゃない缶詰。焼き物。最近出てきてない食べ物。毛布ー一緒に寝る。要求が多くなった。こういう、子供みたいな顔をしているときが曲者。 雨天と言えばやはりディスクブレーキ。家にあるチャリンコは、シクロクロス、クロスバイク、MTB2台と殆どがディスクブレーキに換装しているのだが、使っていると、ワイヤーディスクブレーキから油圧ディスクブレーキ(Hydraulic disc brake)に替えてしまいたくなる。ワイヤーディスクは、対向ピストンタイプはかなり特殊なもので、殆どが片方からディスクパッドが押し付けられるもの。ディスクが僅かにたわみながら制動がかかる。
輪行などでクイックリリースで取り外したときには、Vブレーキのように微妙にテンションやクリアランスが変わってしまい、調整し直さねばならないということは皆無なので、それなりにありがたいのだが、それなりに思った通りのスペックを出す調整は必要。で、ようやくあたりが出てきたと思ったら、パッドの状態が替わると、またも調整となりわりと厄介。油圧ディスクは対向ピストンということも有って、効き方はリニアだし調整も楽だ。長いダウンヒルのときに指の疲労でコントロールがストレスになってくることもない。
送ってくれた中古ショップはちゃんとパッドの間にちゃんとスペーサーを挟んで送ってくれた。これが入っていなくて、うっかりレバーを弾いてしまうと、結構ややこしいことになる。油圧ブレーキの最初の導入時の混乱と始末記は
こちら。この分は、iDrive付きの古いGTのフルサスMTBに装着するつもりだが、そうなるとシフターからやり直さないとならなくなった。
結局なんのかんので、ワイヤーディスクブレーキは、油圧タイプに替えたくなってしまう。中古品で状態のいいのを見つけると、誘惑に負けて手を出す。安全装備、安全装備と念仏を唱えながら。面倒なのは、シフター一体型の油圧ブレーキは殆どないということだ。有っても高いから嬉しくないわけだが、改造前ブレーキ&シフターを使っている場合、新たにシフターが必要になるし、ドロップハンドルタイプの油圧ディスクの場合シフター一体型しか手がないので、製品は限られるし、かなり高額になる。MTBの世界ではディスクは普通だし、数が多いので中古を含め、油圧ブレーキも値がこなれている。
そんなに油圧がいいのって聞かれるが、モーターサイクルのそれが油圧ディスクであるところから考えても、違和感がないし、片ピストンのワイヤータイプは、最初にMerida TFS 100にVブレーキから換装できたときには本当に嬉しかったのだが、人間どんどん贅沢に慣れていくので、可能なら油圧に替えてしまいたくなる。
ロードにはディスクブレーキ無用という考え方もある。重くなるし、そもそも細いロードタイヤの接地面だと、タイヤのキャパシティではディスクブレーキを生かせないということになるが、ちゃんとしたモデルになれば、そこはディスクブレードを小径にして、正しくバランスを取るなどしてある。
ただ、少し太めのタイヤを履かせたディスクロードというのは、もはや流れとしては止められないような状況なのかもしれない。いやまだだ。
海外の記事を見ると、ディスクロードは既に百花繚乱という気がするが、「『欠点の一つ』として醜い」と書かれている。あちこちから数十グラムを削り、シンプル至上のデザイン美学から言えば、そうなるんだろうなと思ったりする。尤も、ネット販売だけでやってるルック車で生き残っているメーカーの「ロードバイク」や「クロスバイク」は、早くからディスクブレーキのビジュアルの有利さを理解していて、微妙な値段の微妙な設計のそれらに、ディスクブレーキをおごったりしていた。勿論、Shimano、Magura、Sram、Hayse、Tektro、Avid製品なんてものではなさそうで、当然油圧タイプなどは間違っても出てこないが、それなりの高額ロードやシクロクロスのディスクブレーキギミックの威力がよく分かっているのだと思う。
フルサスMTBだったら巨大な長径160mm超のディスクローターが当たり前のようにハマっていて、格好悪いということはないのだけど、ロードの世界だと23C、キャリパー、アルミフレームのファンに訴求するバイクも消すわけには行かないのだろう。シンプルな構成というのは、原理主義だと揶揄しなくても、確かに魅力はあるので。
ディスクブレーキは、アスリートが近接格闘状態になるようなロードの大会では、ディスクが回転ノコギリ的な凶器になるという懸念も出されていて、
実際その手のかなり悲惨な事故も起きた。安全対策でカバーが必須になったりするのだろうか。大会におけるレギュレーションとして、パフォーマンスを妨げたりしないような方法としては、カバー付けるなんてことはせず、とりあえずラウンドタイプのローター(ローターのエッジを丸くするというもの;参考エントリ「
全メーカーのディスクブレーキが2017年にラウンデッドローター化する?」)という流れのようだ。これは、普段うっかり変な触り方をして指が切れたりすることもないだろうから、なかなか良いなと思う。
でも、まあ、当たり前だが、一人で適当に走っている限りにおいて、そういう懸念は全く感じたりはしない。ディスクが怖いなら、MTBの大会とかどうなのよって言う話だ。
海外のサイトでディスクロード等の記事を検索すると、情報が増えている。
Giant TCR pro, SpecializedのTarmacスペシャル、De Rosa Idol、Canyon Aeroad、Focus Cayo、Cannondale CAAD12、Colnago V1-r辺りの数十万クラスから上、結構な数のモデルが投入されている。でもまあ、主流になるということはなさそう。
ここの記事は、ディスクブレーキの長短から割りとベーシックなまとめになっている。国内記事などは参考にしているかも。事故の話も書いてあるが、天候に左右されない、コントローラブル、リムやタイヤに熱やダメージが生きにくいなどの利点はディスクブレーキのリスクより遥かに大きいとしてある。MTBの世界ではむしろ標準装備なんで、むしろ当たり前だろう。
ロードバイにおいてもGiantなどはフレームやフォーク設計からディスクロードに全体を振っている等の話。普段のメンテナンスコストや、機構が複雑になるということは、決してユーザー利益にはならないので、ちょっと悩ましい部分だと思う。そんな面倒な装備着けなくてもシンプルなキャリパーで小気味よく走れて幸せになれるっていうのは正しいけどディスクに慣れてしまうと戻れないのかも。
自分が乗るのは、生活車だからというのが言い訳。
お世話になっているバイクショップのマイスターが店を転居した。引越し祝いで頂いたクッキー。美味しかった。
これからいい季節になる。復調のためのトレーニングと合わせてゆっくりとではあるが頑張らないといけない。ということで、それなりにガタが来て、再手術も控えている私も年老いたチコも、暖かくなって、活動再開というところなんだろうか。ああ、なぜこんなタイトルを付けたか、今理解した。
追記ー油圧メカのお仕事の素敵さを知ることが出来る動画がちょっと話題になっていた。