連休後半、末っ子が久しぶりに私と一緒に乗るというので、彼のMerida Matts 10-vをちょっと整備する。連休後半は不運にもこちらの天気は全くよろしくないのだが、雨間をついて出るつもり。
私が戻ってきて、安心したのか出かけていったが、自転車をいじり始めたらどこからともなく戻ってきて、それからずっと張り付いているチコ。
カタログからの画像は、末っ子のモデルの一番新しいものだが基本は全く変わっていない。MERIDAはエントリーモデルについては、MIYATAというシティサイクルを主軸とするメーカーが販売していたりするのもある。そのこともあってなのか、英式バルブモデルになっている。コストダウンもあるだろう。街角の自転車屋さんとの良好な関係を維持してメンテしてもらうには、むしろ英式バルブで適当に空気が抜けたり、パンクしてくれる方が、逆説的だがユーザーにとっても良いのかもしれないなと、今は思ったりする。売りっぱなしのルック車が大量にホームセンターで売られて、今もそういうものを取り扱っている店は多いが、チャリンコについてはちゃんとしたものに対してそれなりの対価を払って乗らないという感覚が社会で強くなると、むしろ自転車文化や、その産業においてはマイナスだと思う。ルック車については、カラーリングやデザインが、やはり販売や持っている人間の満足度においては重要だということを知らしめるという意味もあったと思うけれど。更に、高額高性能製品だけではなく、低額パーツにおいても、日本製Shimanoの技術力が圧倒的だということを証明する場にもなったことも確かだ。
同じ台湾メーカーに商業的にも覇者と呼ぶべきGIANTという巨大メーカーが存在するので、CP的にお得感を出すのはけっこう大変だと思う。10-vのフレームは、当たり前のようにディスクブレーキ対応は不可能で、同じMeridaのエントリクロスバイクが、ディスクブレーキ化という改造に対応出来るのに比べて、ちょっと残念なところ。TFS 100Rとか、前後油圧ディスクでスプロケは9s、みたいな私の改造に対応できてる。
最近はパンクが構造上生じないパンクレスタイヤや、ゴムタイヤ&チューブを用いないパンクレスタイヤも全く異なるアプローチでいくつか開発されている(ex.
Ever tire ;
Air free concept)。ロードバイクに採用されるテクノロジーに簡単に成長するものではないような気がするが、シティサイクルや街乗りクロスバイクなら必要十分以上かもしれないなと感じる。
実際、空気にまさる乗り心地の良い軽量素材はない。そもそもチューブタイヤが生まれた時、『まるでツバメが滑空するみたいに軽い』って言われたりした歴史がある。マテリアル替えても戻れないだろう。ママチャリだとスポーツバイクにおけるネガは気にならなかったりするが、きちんと空気圧管理して走っていれば、ホイール内トラブルでもない限り、パンク自体がそんなに生じることはない。空気圧チェックのできる仏式バルブにおいては、それは実感できる。で、末っ子の10-vも前後仏式バルブに変えてしまおうと思ったのだ。フロントはかなり前に、サスペンションフォークのディスクブレーキ化に伴い、とっくに仏式バルブチューブにしてしまった。
10-vは標準仕様は前後とも英式バルブになっている。エントリーMTBの場合、街乗りで特に高圧で使用する必要もないだろうし、英式でも何ら問題ないだろうけど、空気抜けの速度はやはり早く、気がつくと空気が抜けたのかパンクしてるのかわからないみたいな感じにはなる。個人的には仏式の方が空気圧も測れるし、メンテが楽なのとわざわざ英式混在させてチューブをストックしておくのも面倒だ。で、手元に英式バルブチューブも無いことだし、標準で英式バルブチューブの入っていたホイールに仏式バルブチューブを入れてみちゃあかんのかな、良いじゃないかなと考えた。
ロードのマイスターに伺ったところ、基本、英式バルブのホイールに仏式バルブのチューブを入れても問題はないらしい。もちろん、より高圧がかかるので、リムテープやバルブ穴周辺のチェックはきちんとしておく必要がある。リングもきっちり嵌めてプラグ周辺がガタつかないようにする。注意点はそれぐらい。
数日家を開けたので、去年の入院時の空白もあってか、チコがやたら甘えん坊になった気がする。薄暮の中、整備する時間がないのに、邪魔をしに来る。
この顔でずっと啼いている。大丈夫そばにいるからと伝える。そう言えば、彼は私が返ってくると安心したように出かけていく。戻らないうちは、気にしているのだなと思う。実家から数日ぶりに戻ってきたときには、私の車のエンジン音を聴いて外から跳んで帰ってきてくれた。
久しぶりに、末っ子とポタリングから戻った直後。久しぶりに二人で走ったが、やはり楽しい。
700Cのクロスバイクと650CのMTB、鬼漕ぎで走ることはないが、流していても平地で私が先行して「山岳チャレンジ」では、距離があるとぶち抜かれるようになった。