術後のフィールドワークにはあまり不安はないと思ったが、焦らずゆっくりというところで、久しぶりの屋久島。 道路沿いからちょっと回避して奥からこちらを伺っていただけのこのヤクシカ個体はまだ若い。暗い林床の中、何世代か前のエントリデジイチで200mm止まりの開放f値の暗いズーム望遠の限界は低い。それ故、ISO12,800に上げてマニュアルで撮る。2.5段ぐらいアンダーだが、こういう画だとむしろAEモードの露光補正で間に合わないのが分かっているし、露出は切り詰めた方が、ライブ感が出るのでそうしている。証拠写真レベルならノイズも気にならない。とっさの一枚、このやり方でなんとかなったのは多い。
あまりハードなところに入り込んでいくのは、まだ、一瞬躊躇する。体の中がずたずたなので、中心部を開けるために損傷した筋肉や結合組織が再生されて、全て収まるべきところに収まるものが収まっている状況からは、まだ程遠いのが分かる。
筋力の衰え、呼吸系の未回復状況は実感したが、それでも、意識しないと動かないみたいな状況よりはまし、ぐらいには戻っていた。出力70%ぐらいか。
この場所ではシカの採餌圧が減少しているのか、ところどころ、目にしなかった植物種が目につく用になった。それでも林床は、非選好性植物の実生ばかりが目立つ場所が多い。
友人宅、キビナゴと首折れサバをガツガツ食べ、一心地着いた。
いつもの囲炉裏の火を眺める。精神安定剤。私の状態は「縫製が適当で綿もチグハグなぬいぐるみ状態」だと説明した。
もういい加減写真いらないだろうと思っても、ヤクシマツバキの巨大な実を見ると撮影してしまう。あとで気がついたが、共進化モデルで有名なツバキシギゾウが産卵のために開けたっぽい孔が写っている。今回最終許可は特にとってないこともあって、手に取ったり破壊したりするのは止める。
顔ぶれが少し変わっている。チームとしては全体人懐っこい方。
穏やかな日だった。定食屋さんのお店の前でポカポカぐっすり眠っている子が居た。
戻ってくると、お世話になっているスポーツバイクマスターのお店の猫が増えていた。幹線道路沿線の商業地区なのだが、思った以上に捨て猫が多く驚く。この二頭は全く人なれしていなかったが、忍耐強い猫好きの人の保護下にたどり着くことができたラッキーキャットだった。
ということで、やっぱりなんとなく話は猫に流れるのであった。