私のこのレンズはMINOLTA製。Sony製で無いどころか、Konica-MINOLTA製でもない。30年前のレンズ。
球数も出てるのと、デジタル対応以前の設計なので(デジタル専用設計は画素子からの反射を後ろ球でハレーション起こしにくいような形状になっているなど)、中古価格は四千円もしない。
ナベヅルの幼鳥の微妙な羽毛の色、キャッチライトの入ってる眼の輝き、今の中古の値段を知っていても、ちょっと惚れ惚れしてしまう。
発色、コントラストも、当時の値段のズームレンズとしても、大したものだと思う。当時プロショップを持つニコン、キヤノンに対抗するにはそれなりの評価をレンズで勝ち取らねばならなかった。そう言えば、マナヅルの最長寿命も30年ぐらいだったかと思う。
古いデジイチα700を引っ張り出した。動作は何となくもっさりしているが、それなりに使い方を工夫すれば、動く対象物を捉える確率はそんなに低くない。まだまだ使える。
現代のMINOLTA-SONYマウントに対応できてるAFレンズとはいえ、それくらい昔の製品だと、もはやセミクラシックレンズと言えそう。ビギナー用望遠ズームゆえ、始めての一眼レフのカメラ、レンズ性能に驚いて貰わないといけないので写りはそんなに悪くない。入門レンズとはそういうものだった。安っぽいレンズでも、うつりは安っぽく無い。
今回も、十分に働いてくれた。安い上に軽いので、フィールドで全く気を使わず振り回せる。おまけに私の個体は、カラカラ音がして何か内部で部品が脱落してる(!)ようだが、機能、写りに全く影響がない。不思議。フィールドカメラと呼ばれたトプコンホースマンが、メンテのために分解して組み立てたらネジが余ったけれど、なんの問題もなく動いている!みたいな話があったが、そんな感じ。
ミノルタレンズは大好きだったため、ニッコールよりもFEレンズよりも使いたかったレンズだった。こんなチープな望遠ズームでも線の細い良い描写をする。結果的にMinoltaは会社としてなくなってしまったが、Sonyのカメラ光学部門に吸収されて、αブランドとその技術資産は消滅せずに済んだ。
光線状態がきついと単焦点レンズみたいな訳にはいかない。流石に限界がある。レタッチでなんとか救えるレベル。
それでも今使っていると、むしろα700のデジイチ本体の性能限界の方を感じる。このレンズが開発販売され始めた30年前というとこんなのが流行っていた時代だったようだ。
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●1988年(昭和63年)流行・出来事/年代流行
考えたら、手元にあるデジイチで本体側に手ブレ低減機構を持つカメラは、α700しか持っていない。古いAFモーターすら搭載していない古いAFレンズで、その機構がちゃんと作動して未だに十分使える。