飲屋街の猫

飲屋街の猫_b0060239_017072.jpg久しぶりに,学生時代良く通っていた飲屋街で飲みました。本来は住宅街の中にある学生のための空間でしたが,最近はサラリーマンの姿の方が多いのです。相変わらず,質・量ともに非常にありがたいお店が多いです。

飲屋街の猫_b0060239_0184223.jpg飲み会といっても,今日は,腰が本調子ではなく,湿疹と蕁麻疹も出たので,ウーロン茶で我慢。家に帰ってみれば,長男にも湿疹が出たとワイフが寝る前に伝言版に記していたので,マジに水疱瘡か何かかも知れませんね。私自身,蕁麻疹の方は既に消えたようで,熱も何もなかったのですが。
話が逸れましたが,ここの空間だけは,とても不思議です。面白いのは,ここに飲みに来る人たちは,皆,大学を駐車場にしていたのですが,大学がセキュリティを整えてロックアウトするようになって,タケノコのように駐車場が出来ております。皆,飲んで運転して帰るわけではないはずですが。

飲屋街の猫_b0060239_027345.jpg時間がちょっと早かったので,飲屋街を彷徨いて,「地域猫」を探しました。いえいえ,上の看板にあるような飲み屋の名前ではないです。耳の尖った,猫王の手下達です。最初に二匹が見つかり,彼らの写真を撮っていると,地域の猫おばさんが,調度直ぐそこにもっと居るよと云うことでした。


飲屋街の猫_b0060239_023697.jpg
というわけで,猫王の噂話でも聞けないかと猫の集会に参加したいと思いました。覗いてみると,数匹逃げ出しましたが,残った個体は,紋様から,二組の血縁のない兄弟4匹のように見えました。そばにいた猫おばさんから話を聞くと,それぞれのペア同士は血縁ではないようですが,親和的に,近距離で佇んでおりました。全て餌でなじみになっているわけではなく,半分は,新顔とのことです。全員,一緒に私の方を見ておりました。
 残念,集会場と言える規模ではありませんでした。

 猫の集会。これについては,私は全く知識がありません。猫読本などは端からあまり読んでいません。これは,あくまで動物生態屋として未知のネコ科の動物に出会ったところから出発したいと思っていたことも影響しております。少し文献を調べてみることにします。といってもRefereed paperになっているものがあるとは思えませんので,著者が各自勝手に書いている単行本=テキストばかりかと予想しております。このアーティクルのテキストも大部分はそれに近いホラ話ですが。
 また,問題なのはどのような状態のものを猫の集会と定義しているのかも分かりません。自分で容易に定義したり観察したりできないものについては,検証できないので,なかなか辛いところです。



 多くの動物には,面白い性質があります。テリトリーがやたら強い種類でも,一定の遭遇率と直接干渉による競争で排除できないほどある特異点に集合すると,親和的になってしまうというものです。これは,排除コストがそれによるベネフィットに対して遙かに大きくなってしまうと,機械的に追い出すというような行動が適応的価値を持たなくなることに依るものかも知れません。多少大きめのケージであっても野外に比べれば圧倒的に狭い空間に,野外では生じないほど高い密度下(といってもあまりにストレスが掛かるような密度ではまた問題がありますが)にしておくと,いつしか全ての個体が親和的になるということが少なくありません。
 このあたり,ローレンツが,攻撃抑制説で,オオカミなどの戦闘能力が高い動物は,種を保存するために攻撃抑制能力が進化しており,鳩など攻撃力が弱い動物では実際は殺し合いにまで発展するという群淘汰理論を基本とした話を書いていた頃とはまったく,生物の行動をせつめいする基本理論が全く180度ひっくり返っているのですが,詳細は別の機会に譲ります。
 熱帯魚でも,例えば縞模様の明確なスマトラは数が多いと一緒に群雄しているのですが,数匹だけ見繕って買って家の水槽に入れると,いきなりテリトリアルな行動が復活したりします。

 いずれにせよ,猫の集会というものがもしもあるならば,猫王の修行の内容など情報交換などをやっているのかも知れませんね。いやいや,もう少し真面目なアイディアで,次回,もう少し猫の集会の意味を検討してみましょう。
Tracked from ねころもち―blog at 2005-06-02 21:49
タイトル : 飲屋街の黒猫
complex_catさんの「飲屋街の猫」よりトラバしました。 飲屋街には、やっぱりニャンだよねぇーっ♪ こちらも看板に“ねこ”が入っているしっ≦⌒▽⌒≧З ハード演歌の似合いそうな路地なので、「ダイドー焼き」(※)のようにコテコテの荒れ焼き調にしてみましたっ≦⌒m⌒≧З ※「ダイドー焼き」  言わずとされた日本を代表する写真家の森山大道氏の表現スタイル。... more
Commented by benebello55 at 2005-05-28 02:04
小料理“黒猫”、小料理“如月”、串焼き“九十九”....何処も美味しそうですが直感的に1軒選ぶとしたら、間違いなく“黒猫”を選ぶでしょうね(笑)。いや、ネコ好きということではなく、看板にただならぬ雰囲気を感じます。
Commented by ayrton_7 at 2005-05-28 03:30
猫がいっぱい いいですねー
Commented by complex_cat at 2005-05-28 09:47
benebello55さん,ここは高級料理は出ませんけれど,地のものが安く食べられて地元の焼酎も安い店が多いです。昨晩入ったお店のマスターはヨーロッパを放浪した方で,料理センスは抜群。死ぬほど食べて飲んで(これ半端な量ではないです,多分倍の人数分ぐらい),昨晩は払ったお金は一人3,500円でした。クロネコは,30年以上,続いているお店です。
ayrton_7さん,沢山のネコを見たのは,久しぶりでした。やはり学生が出来入りする飲食店街は多いですね。余り物を貰ったりするのでしょうか。
Commented by nekoromochi at 2005-05-28 18:28
ウニャァーっ≦⌒▽⌒≧З
「猫の集会」は調べがいのあるテーマですよねっ♪
学術的な資料は少ないと想像しますが、民間伝承においては各地でさまざま言い伝えられていたりするのが面白いですよ。例えば、「猫の集会」を見たものは猫になってしまうというようです。

本物の「猫の集会」に参加するには、きちんとその集っているニャンたち全員に認められないといけないそうなので、うちの近所でも何とか認められるように頑張らなきゃっ≦⌒◇⌒≧З

それにしても、飲み屋街には“キジトラ”系が多いような……≦ ̄δ ̄≧З
Commented by complex_cat at 2005-05-28 20:46
nekoromochiさん,恐らく外猫が高密度になる地域しかあり得ないような気がします。干渉地域が出来るのではと云う気がしておりますが,実体を見たことがないので,はっきり言って,仮説の上の仮説の上の仮説ということですね。
どなたか見たことのある方,参加したことのある方,お話待っております。
飲み屋とキジトラの関係も,学術的に責めるのは,とても難しそうですね。
Commented by yucco72 at 2005-06-03 07:38
はじめまして。sumikaといいます。
よくこんなに猫ちゃんの写真撮れましたね!すごーい!
猫の集会、きっとスゴイ規模なんでしょうね。見てみたいです。
最近家の周りでは、あまり猫を見なくなりました。きっと深夜野良たちがうろちょろしているのかもしれませんね。
リンク貼らせていただきます♪
Commented by complex_cat at 2005-06-03 08:53
sumikaさん,リンク有り難うございます。学生向き飲屋街の猫は,あまり警戒心がありませんので,カメラ片手に散歩すればそんなに難しくありません。
 定期的に猫採りが来て壊滅する町区もありますので,町の野良猫の生活も気楽なことではないようです。

 猫の集会は,伝説みたいな所があって,実際に画でも見てみたいと思っております。
Commented by complex_cat at 2005-06-03 16:57
先ほど聞いたら,3500円ではなく,2800円でした。安かったな〜。学生街万歳。
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by complex_cat | 2005-05-27 23:56 | Year of the Cat | Trackback(1) | Comments(8)

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