ヤマコンニャク
2005年 06月 08日

キスデジを使っていて,このくらいの距離,地面から生えるようなこういった被写体に,AFがスパっと合焦しているようでも,実際にはピントが合っていないことが多いことに気がつきました。それ以来,こういった被写体はマクロ域でなくても全て,マニュアルフォーカスで撮るようになりました。MacroPlanarの出番が増えたのはそういった理由もあります。もちろん,この良くできたシグマの高倍率ズームレンズは,そういった使い方には向いていませんので,少々面倒です。
Canon EOS Kiss Digital N, Sigma 3.5-6.3/18-200

おそらく,これは,森林構造が自然林伐採〜植林というプロセスで,劇的に変化した森林において,何とか個体が逃げ延びた状況なのかも知れません。
Canon EOS Kiss Digital N, Carl Ziess Macro Planar T* 2.8/60
ヤマコンニャクを食用に品種改良したのが現在の蒟蒻だと書いているサイトもありますが,全く別種です。堀田ら編(1989)「世界有用植物事典」によれば,コンニャクA. rivieriを食用とするのはビルマと中国の一部と日本のみといわれております。商品作物として経済栽培されているのは,日本だけだそうです。こいつは結構驚きです。日本の場合,コンニャクの方は自然分布ではないので,大陸から持ち込まれたもののようです。
10年以上前に,霧島に別荘を借りていたことがあります。囲炉裏付き6畳,台所6畳,居間16畳,客間6畳,4.5畳,駐車スペース6台,果樹園,畑。ガスはもちろんプロパンで,水は,自前の井戸の電気くみ上げで,別に牛小屋と納屋があって,月5,000円でした。大家さんが別荘を建てる人のために手放したので,2年ほどで出ることになりましたが,子供が生まれる前のこと,今,考えると,随分贅沢な暮らしをしておりました。で,そこの家に至る敷地内の道ばたのそこかしこに蒟蒻がわらわらと生えていたのです。
「Bisco」と呼ばれる友人が当時,中心街にもお店を出しているオーガニックショップの雇われ店長をやっていて,当時にあって,食でいろいろなことを試していました。
「c_c,わしぃ,蒟蒻作りたいと思ってるんだけれど,コンニャクイモ,作っている人知らない?」
彼は,70年代コミューン文化の残党のような人で,20年以上前から国籍不明エスニックレストランや,分けの分からないエスニックグッズなどを手がけるなど不思議な店ばかりやっていた人です。
現在は,古い家を解体した材料でユニークな家を安い料金で建てる大工をやっていると風の便りに聞いております。私よりかなり年上ですが,全く年齢不詳で,数年前に結婚したようですが,奥様はまだ20代と聞いております。二人食べていければいいやぁという値段設定もあるようで,超売れっ子大工ということで,数年先まで,仕事がいっぱいだそうです。
「蒟蒻芋なら,別宅の敷地にいっぱいあるよ」
「えっ」
「霧島だけど掘りに来ますか」
「いく,いく」
というわけで,彼は根性出して原付で市内から霧島までやってきたのであります。因みに,当時私は,週明けの通勤時の渋滞のこともあって,Kawasaki ZZ-R II400に乗っておりましたがそいつで,キーンとやっても市内から50分ぐらいはかかりました。
彼は,十分な量のコンニャクイモを掘ると,そのまま,農家のおばちゃんやショップのスタッフの中から有志を集めて,蒟蒻を作るワークショップが開いたのでした。私は仕事があって,参加できなかったのですが,彼がその日の内に試食の残りを全部持ってきてくれました。
食べて驚いたのなんのって。
「なんじゃ,これ」
「うまいっしょ?!」
「全然,市販のものと別の食べ物!」
「そうだね」
「これが蒟蒻なら,お店で売っているのは,アレは何?」
「なんだろ」
「市販が拙いとかという意味ではないけど,魚肉ソーセージ(あれはあれで好きです)と生ハムぐらいの違いがあるよ」
「蒟蒻作りは,作っている途中でお客さんが訪ねてきても失敗するとか,いろいろ難しそうな話を聞いていたけど,作るの簡単だったよ。」
そのときそういう話も聞いたのですが,それ以来口にしていません。本当に,美味しかった。豆腐なら,最近は,スーパーでも自家製造のものを置いたりしてますが,蒟蒻はどういう分けか,見たことが余りありません。豆腐よりも更にコスト的に割が合わないような。豆腐を自分の店で作って出すところがあるように,蒟蒻もその場で作って出す店があると聞いたなら,私なら,直ぐに出かけていきたくなるほど,作りたての蒟蒻は,美味しいと思いました。

