大振りなセミクラシックレンズで、minoltaが世界初の両優先AE機のXD用にMDマウントで一新するまでは、文字通りフラッグシップカメラの標準レンズだった。もちろんこの上に50mm f1.2なんて大口径レンズもあったが、描写の線が太く、実質的な最高画質レンズは、このレンズだった。 ボケ味遊びをするために、絞り開放にて像面を薄くして、ずっとうまいものを出せとねだっているチコを撮った。今どきは像面位置や被写界深度をあとから以下用にもいじられる技術も当たり前になってきているが、それでも本来の大口径レンズによる絞り開放の写りは、面白いように、ボケてくれる。フラットな光線でも十分なコントラストと発色をしている。
これでもチコの後ろにあるAmazonのボックスの上には、各種カリカリやパウチが、並べてあるのだが、口をつけずに、何かを要求している。若い頃は、ともかく冒険にでかけてばかりいた猫だったので、なんでもあるもので腹ごしらえをして、でかけていったりしたものだが、食がかつてよりも細くなると、拒否されることが多くなった。最近は本当に甘えん坊になってしまった。

マクロレンズではないし、フルサイズの画角だと、思った以上にはマクロ撮影効果は出ない。このあたりが最短撮影距離。ツワブキの種をもっと克明に写そうとするならば、ちょっと最短撮影距離の限界。デジタル時代になって、まったり系の出力も設定でもRAW現像でも何でも出来ようが、それでも素に近い表現ではこんな感じ。

この頃のCanonFDレンズは、くっきり濃厚な描写をリバーサルで叩き出していたが、それに比べると割と自然な発色だった印象がある。一方でOlympus Zuikoはまるでお茶漬け見たいと称されることは多く、そのようにあっさりし過ぎというような描写ではない。フィルムAF一眼の時代になってMINOLTAのレンズを選んだのは、やはりその描写や発色が、一番自分には合ったからともいえる。そこにつながる描写をたしかに持っているように感じる。

こうやってセミクラシックレンズの写りに驚いてみたりするのは、半分はα7IIの性能が驚異的であるということかもしれない。オレンジ色の果物は、実は階調再現性が難しい。妙な段付きが目立ちやすいのだ。α7の眷属は高解像度の7Rのシリーズも含めて、現在はMark3まで行っているから、何もなし7のMark2ごときで驚いていてはいけないのかもしれないが、久しぶりにデジカメを維新すると驚くべきことが多い。
これでも被写界深度合成や画素子ずらしによる高画素子化とかNDフィルターいらずみたいな飛び道具は未だ無縁なので、デジタル一眼のテクノロジーの恩恵に浴しているとは、まだまだ言えない状況なのだと思う。

αNEX6からかなり時間が空いたが、フルサイズになったこと以上に、これだからムービーカムメーカーはと言われた、とんでもなく遅かった起動時間の最速化と高感度ノイズの圧倒的な減少だけでもすごいなと思った。暗い森の中でストロボレスで暗いズーム使わざるを得ない状況でのISO3200が実用域に近いのは助かる。
チコの朝4時からの要求に負けて、ワイフが血子鯛を手に入れてきてくれた。結構大きかったが、半分は彼の胃の腑に消えた。

食いたいものが、満足して爆睡状態。

大口径レンズとされる50mm f1.4レンズは、1960年代の日本製フィルム一眼レフの帝国が築かれつつあったときから、各社のフィニッシュブローとも言えるレンズだったわけで、また単焦点レンズで、50mmという焦点距離ということもあって、絶対性能が素晴らしいレンズは多かった。
ただ、1970年代後半に入る前は、どちらかというと、開放からの絶対的な解像力競争みたいな部分もあったので、コントラストや階調再現性で画を作るという流れは、1970年代後半にCarl Zeissレンズが、ヤシカコンタックスマウントでやってきてからという印象。
MINOLTAのレンズの良さは、NIKON、Canonの両軸が頭一つ分飛び出した状況にあっても、定評があった。MINOLTAというブランドが消滅する直前までプロショップを持たなかったという部分で、損をしていた部分もある。MCロッコールでは、なんと言ってもXEという巻き上げのフィーリングが素晴らしいやや大ぶりのブラックボディのきれいなカメラにバランスよくハマるというデザインだった。このレンズの口径は52mmもある。
このあと、OLYMPUS OMショックで多くのメーカーが小型軽量化を意識せずにはいられなくなった時代がやってきて、minoltaは世界初の両優先AE機XDとそれに合わせたレンズシステムに一新するために、MDマウントレンズ群に移行していく。気がついたらminoltaはMINOLTAとなっていた。
X-700は各社の両優先機の攻勢も落ち着いた頃、絞り優先にプログラムAEが加えられたコストダウン機として販売された。結構プラスティッキーで安っぽい感じがしたが、今のデジカメの工業ブラスティックの質感ともちょっと違う。改めて、素材レベルでも、ずいぶん進んでいるのだろうなと思ったりする。