訪問者たち

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 我が家にはいろいろな訪問者が来る。どちらかというと人類よりは、耳が尖っていてしっぽが付いていたり、足が六本あったりする客人のほうが多い。
 ホシベニカミキリ Eupromus ruber。昼下がりに玄関の横の壁に張り付いていたので、夜、門灯に来たわけではなさそう。しかし拡大して捕ると、構造色というよりはなんか赤い絨毯のよう。複眼の単位まで映ると気持ちがいい。
SONY α7II, MINOLTAαAF Macro 50mm/ f2.8

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 全体はこんな感じのカミキリムシ。以前見たのは屋久島だった。ルリボシカミキリと並べるとなかなか格好いいのだろうけど、幸か不幸か私には昆虫採集とコレクションの作法がない。幼児のときから生きているものが野外で動いているのを見るのが好きだった。
 決定的だったのがハンミョウで、捕虫網もなく、どうしても欲しくなってハンカチを水たまりで濡らして、それをロケットネットのように投げてかぶせて捕獲する技をその場で開発して、何匹も捕まえて、意気揚々として持って帰ったのだが、難易度高い昆虫で飼育できるわけでもなく、そのまま長い脚を震わせながら死ぬ様子を見ていて、捕まえるまではいいけどやっぱり野外にいてこそ、自分は彼らに魅力を感じているのだと思って以来、採集して桐の箱に入れコレクションを作っていくようなのは自分には合わないなと思ってしなくなった。

SONY α7II, MINOLTAαAF Macro 50mm/ f2.8
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こんな感じで玄関横に張り付いていた。
SONY DSC-HX30V
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 で、その下の方には、庭の柚子から移動してきたナガサキアゲハの幼虫が前蛹化していた。実はこいつで二頭目なので、個々がなぜ人気になるのかよくわからないが、軒があるので、雨風を避けてのことなのかなと思ったりはしている。しかし野外ではどのような場所を選択しているのか、ちょっと興味深い。
 今回α7IIで各種マクロレンズで撮影しながら、やっぱり被写界深度を稼げるからコンデジマクロの方が、小さなCCDがマイクロスコープ的に使えて画作り的に楽だよねみたいなことを思って、久しぶりにDSC-HX30Vを取り出して撮った。NIKONの全天候型AW130がもとのモジュールがあまりよろしくなくて接写などの使い勝手がいまいちなので、コンデジを使うことをしばらく忘れていた。防水コンデジは、割高になるので、コストを下げ、実売価格を抑えるために防水型でないものとしてややレベルが落ちるモデルがベースになっている場合、ちょっとがっかりする。そうではなくて写りの評価もコンデジなりにそこそこ高いモデルは、それなりの値段になってしまう。DSC-HX30Vは、バリバリのマクロ域に強いモデルでない数世代前のモデルだが、久しぶりに使ったらそんなに悪くないなと思ってしまった。まあ、マクロに特化した今どきのコンデジは、本当によく撮れるのだが、スマホに押されてモデルが限定されるようになってしまった。iPhone系でマクロ域はやっぱり無理なのでマクロレンズアタッチメントつけるよりは、素でマクロが使えるコンデジのほうがいいだろうと思っている。

SONY DSC-HX30V
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 一日で前蛹から脱皮して、ちゃんとした蛹になった。なんか上の方には穴が空いている様にも見えるし、寄生蜂にでもやられてないかなと思ったりしたが、ちょっと触ると今のところはちゃんとピクピク動く。蛹から羽化までは12日程度らしいので、もうそろそろ羽化してもおかしくはないのだが。
SONY α7II, MINOLTAαAF Macro 50mm/ f2.8
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 これは昨日、チコを定期のクリニックに連れて行く前に、やはり玄関前のタイルの上で遭遇したラミーカミキリ。場所が何だったので、草、土のある場所に移動させて撮影。そういえば本種の食草のカラムシ、畑との境界にたくさん繁茂してる。こいつもラミー(Ramie ; 麻類似繊維植物)と一緒に入ってきた移入種というか帰化種。石油製品が存在しなかった時代、絹、木綿以外の繊維としてかなり使われていた麻採集用の植物のことだ。ラミーというのが、今の日本ではピンとこないので、何?人の名前って思ったりするが、亜麻(リネン)、苧麻(ラミー)、大麻(ヘンプ)が三大麻と呼ばれている。
 日本での初記録は、あのBatesian mimicry(いわゆる【ベイツ型擬態】毒などを持ったリスクのある動物に全く毒も攻撃力もない動物が形や色を似せるタイプの擬態)で知られるHenry Walter Bates先生で、採集者はあのルイスハンミョウなどに名前を残すGeorge Lewis先生だ。
SONY α7II, LEICA Macro-Elmarit-R 50mm/ f2.8
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こいつも画像拡大すると、かなり細かい毛に覆われていて、金属光沢の甲虫とはかなり質感が異なる。
SONY α7II, LEICA Macro-Elmarit-R 50mm/ f2.8

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今年もブドウスカシクロバが発生。薬かけんとあかんかなと思っていた。ベローズと絞り込みの回折現象により画質が低下している。

SONY α7II, Carl Zeiss MacroPlanar 2.8/100+Novoflex bellows unit, SUNPAK DX 12R Ring strobe

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が、アシナガバチsp.がせっせと捕食に来て肉団子にしてるからもう少し様子を見ることにしようと思った。
最初はベローズをつけていたのだが、ワーカーがデラウェアの蔓の奥まったところで仕事をしていたので、ベローズユニットを外す。ワーキングディスタンスを確保できるので、こういうときには、90〜100mmの単望遠マクロは微妙な距離で使うに便利だ。
SONY α7II, Carl Zeiss MacroPlanar 2.8/100, SUNPAK DX 12R Ring strobe

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大アゴだけで、ものの数分で解体していく。見ているとまどろっこしいと思わないでもないが、その営みは確実である。
SONY α7II, Carl Zeiss MacroPlanar 2.8/100, SUNPAK DX 12R Ring strobe
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 餅みたいに、ビヨーンとなってる。消化管がつながっているところをどう処理するかは、見る余裕がなかった。どこに巣があるのかわからないが、もっとワーカーに来てもらえないと追いつかないかもしれない。
 ブドウスカシクロバはブドウスカシバと同様、透明な翅を持ち、幼虫の捕食者である、サイズから言えば多分、アシナガバチあたりにベーツ型擬態した蛾である。その幼虫がハチにむしゃむしゃ捕食されてるのは、勝手なコピペの代償であったりするってわけではないが、何か因果を感じたりもする。

SONY α7II, Carl Zeiss MacroPlanar 2.8/100, SUNPAK DX 12R Ring strobe
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追記ー注文していたLEDリングライトが来た。SUNPAKのリングストロボがでかすぎ、ホットシュー接点の接続も微妙で、いろいろ撮影限界を感じていたので、単純に照明ライトでいいのじゃないかという気がして探した結果。
 安価だったので、LEDライトとして使えればいいやと思って購入。もちろんストロボ機能もあるが、TTL調光が出来ないからおまけだと思って基本リングライトだけでも使えればいいやと購入した。3k円台だから構わない。

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 使える使える。意外とマクロ域外れた撮影の照明にもなる。カタジロゴマフカミキ?いや、ナガゴマフカミキリかな。このLEDライトの明かりに向かって飛んできた。思った以上の明るさでライトトラップも兼用になってしまった。今どきのLEDライト球がたくさんついているわけで明るくないはずがない。単三電池4本でこの広い範囲の光量が手に入るわけで、単純に夜間作業用の照明用に買う人もいる模様。
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 ストロボを炊くと、どうも昼光色に転びすぎて、AWBのままだと赤っぽくなることが多い。上の方に出した画と比べるとLEDライトだと、そのあたりがないのでむしろ私には好ましかったりする。夕暮れの薄暗い中でも、ゆっくり観察しながら撮影ができる。しかし無影灯的な光の当たり方がさらに極端になるので、質感が微妙になったり、手前のフィックスワイヤー代わりの糸が見えにくかったりするような気もする。
 この製品、ストロボモードだと円周の片側だけ発光させたりできるのだが、LEDライトモードではそれはできないので、半分カバーするなどの工作が必要になるのがちょっと残念。
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by complex_cat | 2019-06-23 19:34 | Wonderful Life | Trackback | Comments(0)

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