一番最初に手にする単焦点レンズとして、マクロレンズは便利だ。こういう一般撮影もできるし、その中距離、遠距離の描写は悪くなかったりする。トランスルーセントミラーテクノロジーを使ったミラー一眼レンズを使うアダプターはα7IIの最新のAF機能が使えないので、動くものに対する追従性は今一つだが、こういう正面から歩いて来ているチコには十分なレベルにはある。
SONYα7II, MINOLTA αAF Macro 50mm/f2.8
前ボケと合わせる。レンズによってはうるさくなる場合があるが、このボケた領域も実はフォーカス可能な範囲内というのがやっぱりすごい。
SONYα7II, MINOLTA αAF Macro 50mm/f2.8
通常のマクロではない標準レンズでも、握りこぶし二個分ぐらいは画面一般に収められる。マクロに強いコンデジや近接もそこそこ撮れるスマホが一般的になった状況では、マクロ撮影は、すでに一眼レフの特許ではなくなっているし、被写界深度の性質から、一定の技術や手順が必要になる。 深度合成、多焦点合成による作画といった飛び道具をデジイチに仕掛けるOlympusなどの方向性もあるぐらいだが、当然動きのあるものに対しては限界がある。それでも、多分単焦点マクロをフルサイズデジイチにつけておくのが、一番、望遠側に強い機能のあるコンデジは別にして、スマホを撮影ツールにしている現在にあって、むしろ制約は少ないかもしれない。 普段スマホで撮影しているものを、標準マクロレンズを装着した普段通りの感覚でデジイチで撮影してみるとマクロ付き広角〜標準レンズで撮るよりは、フットワークは楽かもしれない。広角表現がちょっと困る以外は。
SONYα7II, MINOLTA αAF Macro 50mm/f2.8
LEICAのマクロレンズ、このレンズの描写は中、遠距離でも素晴らしい。MacroPlanarは60mmではこの距離は苦手とされる。それゆえ、万能レンズとなるMacroPlanarは100mmの方だ。もっとも各社から出されている90~100mmのマクロレンズは、マクロ域から無限遠までをカバーできる名玉ばかりではずれはないのだが。SONYα7II, LEICA MACRO-ELMARIT 50mm/f2.8
一般的な一眼レフのフォーカシングスクリーンでの像面のコントロールは、かなり難しかったりする。キルフィットマクロキラーの40mmを手に入れた時、キスデジにはめてそのフォーカシングスクリーンでなんとかしようとしたが、今時のAF用のそれは、マニュアルフォーカスレンズの厳しいピントの追い込みはほとんど無理である。高級機は、スクリーン交換してMFレンズに対応できるかなとは思うが、有機液晶ファインダーは、やはりすごいなと思う。ローテク万歳みたいな話が、カメラには多いが、この部分については、確かにテクノロジーの恩恵に預かっていて、α7IIのピーキング機能は、マクロレンズの中〜長距離でのフォーカスを容易にしている。でなければ、ヤマカンでシャッター押しまくるしかなかったりする。
標準レンズのマクロレンズのフォーカシングスケール(一眼レフレンズでも最近のAFレンズには刻まれてなかったりする製品も珍しくなくなった)を見れば、中〜遠距離のフォーカスが困難なのはよくわかる。マクロ域までしっかり回転できるように作られている結果、3m〜♾まで数ミリ回すだけの余裕しかないのだ。そこの間に、3.2mも5.6mも12.8mも30.2m含まれるのだ。すごいことやってるわけで、フォーカシングスクリーンを使って人の眼でアナログ的にピントを追い込んで、ジャストフォーカスになってる可能性は博打に近いと思う。
SONYα7II, LEICA MACRO-ELMARIT 50mm/f2.8
こういうのは、スマホやコンデジでは破綻することがない撮影対象だが、単焦点マクロレンズをはめていると、デジイチをわざわざ持ち出して撮る気がする。コンデジやスマホは、被写界深度が深く物撮りには便利なのだが、その分、きちんとしたフォーカシングコントロールはできない。どこにきちんとフォーカスの像面を持ってきて、どれくらいどこをぼかすか、ボカさないかを考えて撮るには、デジイチは楽だ。 フィールドでは決定的なフォーカスのずれみたいなものを作らずに済むので、寧ろ一度きりしか出会えない生物を取る場合、保険としては有効である。
SONYα7II, LEICA MACRO-ELMARIT 50mm/f2.8
今時のデジイチ本体のAF機能と高速AFレンズとの組み合わせは、こういう動き回る被写体の場合でも、マクロ撮影でもかなり楽なんだろうと思う。
それでも触覚に合わせるか、複眼に合わせるかみたいなのは無理で、その分、瞳をもった人間を含む動物は、瞳検出というハイテク機能のおかげでかなり楽になったと思う。現実問題として相手は止まっていてくれないので、MFレンズでフォーカシングを追うのはどちらにしても大変なのだが、数撮れば何とかという部分ではAFもMFも変わらないかもしれない。やり方の問題だが、AFだと合焦が間に合わず、1枚もシャッターを押さずに終わったりすることもある。SONYα7II, LEICA MACRO-ELMARIT 50mm/f2.8
さて、クラシックレンズといっても、今回、上げているレンズは、全てかなり最近のものであって(1970年代以降)、あえて言えばセミクラシックレンズではある。一眼レフがオートフォーカス機能を持つ前の、露光について、電子制御までは到達していた時代のもの。
このレンズは、マウントアダプターを手に入れて使うまで、描写がどうであったか忘れていた。フィルム時代、Zuikoレンズは、ハイライトに乗りすぎる性質が、ちょっと気に入らなかったりした。こってり感のあるCanonレンズなどに比べてお茶ずけみたいな描写と言われていたが、今時のAWによるデジイチでは、その欠点はフォローされていて、思ったよりは割と秀逸な描写をする。ただ、階調再現性や低照度にはZeissやLeicaレンズに比べれば、弱いのはしょうがない。まあ、ドイツ系銘玉やZeissやLeica元の場合、そもそもの価格が違うだけのことはあるのでしょうがないといえばしょうがない。設計だけではなく、基本硝材やそれに対するコストのかけ方が違うので。
SONYα7II, Olympus Zuiko Macro 50mm/f3.5
レンズをいろいろ交換して撮影するたびに思うが、撮影カメラとしてのα7IIの素の性能の高さを感じる。このレンズの解像感も、2400万画素の本機の性能の結果でもある。
SONYα7II, Olympus Zuiko Macro 50mm/f3.5 今時は、デジカメのソフトウェア加工により、相当な描写表現ができるから、レンズの味とか発色とか、無意味とも思えるが、何も足さない何も引かない描写での特性というのは確かにある。AWBが秀逸なこともあり、かつてのわたしが気に入らなかったお茶漬けみたいな発色ともちょっと違う絵が得られている。
SONYα7II, Olympus Zuiko Macro 50mm/f3.5 取り立てのブルーベリーのワックスの状態。強風が来る前だったので、摘み取りを急ぎすぎたかな。
SONYα7II, Olympus Zuiko Macro 50mm/f3.5
カツオブシムシっぽい虫の死骸が落ちていた。Olympusの古いマクロ、それも開放f値の暗い方。それに当時のオリンパスのマクロフォトシステムの誇る、オートエクステンションチューブをはめてリングライト照明で撮影。オートエクステンションチューブはベローズのような機能を持つ中間リングだが、蛇腹のベローズよりも野外で振り回すにはタフというのが売りであった。また、20mm、38mm、80mm、135mmの専用レンズと組み合わせて使うことが前提だった。それらのレンズは135mm以外は無限遠撮影ができない、ある意味本当のマクロ域専用レンズで、また、ヘリコイドはレンズのみの微調整。スパッと前後に移動させて大雑把なフォーカシングをやり、レンズのフォーカシングリングで微調整を行う使い方。エクステンション・チューブに微調整ヘリコイドがない事を不思議たる方もいるのだが、この使い方の方が昆虫が逃げにくいという話もあったような気がする。 ちなみに、フィルム時代のOympusOMシステムについては、ここのサイトが素晴らしい。
Zuiko Macro 50mm/f3.5は、オートエクステンションチューブを併用するマクロレンズではないのだが、それなりのマクロ撮影になっている。残念ながら、全体の1/20のトリミング画像を示してしている。頭千切れていたので良い画ではない。これくらいが限界かと思う。今のマクロ専用コンデジの方が、よく撮れるかもしれない。昔から小型CCDとそれに特化した光学系によるデジタル・マイクロスコープのマクロ撮影能力の高さを知っているので、矛盾ではないと思っている。
新調したMacBookAirについては、資金不足で、少し上のオプションが欲しかったところだが、今手に入るMBAで一番安いモデルを手に入れた。まあそれでも今のところ十分である。前回のMBA購入が2012年の購入だったから、頑張った方だ。その間に、子供達のiPadを一台ずつ購入して今に至る。RStudio Cloudもちょっと使ってみたくなった。QGISはまだPadで動くものはないが、これも時間の問題かも。ノートPCのニッチはiPadに吸収されて仕事マシンになる未来も今はありえるなと思っている。仕事に使えるマシンになるにはもう少しだろう。
マシンの新調によって、最新のOSでまともに動くMojaveを使えるようになったが、お仕着せの日本語変換システムが、あまりに変換効率が良く、まともに動くので、ちょっと驚いてしまった。WindowsとともずっとGoogleの日本語入力システムを使っていて、この変化には気がつかなかった。
SONYα7II, Olympus Zuiko Macro 50mm/f3.5 with Auto Extension Tube 65-116
60mmは標準レンズというよりはギリギリ短望遠だと思うが、ZeissのMacroPlanarが出た時には、ちょっとその焦点距離が話題になった。フルサイズのマクロ域で撮ると、絶妙な焦点距離だなと思う。経験的には昆虫などを撮る場合、APSフォーマットの方が、焦点距離がより伸びて望遠マクロ的に使えるので、便利だったりする。この辺りは野鳥を望遠で撮る場合と似ている。ミラーレスが進化してしまったので、時代は135フィルムフォーマットのフルサイズなのだが、Canonなどもその分野で便利だということであえて、APSフォーマットの高級機を残したりしていた。
SONYα7II, Carl Zeiss Macro Planar 2.8/60mm T*
MacroPlanar 100mmの中~遠距離撮影は、惚れ惚れしてしまう性能なのだが、こちらのMacroPlanar60mmにはそこまでの描写力はないと言われてきた。確かに平凡な描写なのだが、真空掃除機と呼ばれたりした当該レンズのマクロ域の描写性能が良すぎる結果ということだと思う。
SONYα7II, Carl Zeiss Macro Planar 2.8/60mm T*
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