手元にお借りしているというか、お預かりしている、LEICA 一眼レフRマウントの望遠レンズが何本かある。どれも、200mm以下のテレフォト。200mmといえば、4倍の望遠、ビノキュラでも最低8倍はあるからその半分、35mm換算で500〜1000mm相当のものは珍しくもない今時の高倍率ズームレンズ付きコンデジに比べても望遠効果は低い。今の高倍率ズーム的コンデジは、ズーム拡大効果を歌うので、半端ない望遠効果が得られるスペックのものも少なくない。
SONY α7II, Leitzwetzlar Elmarit-R 1:2.8/180mm

この手のレンズは、当時の設計生産技術で画質優先設計となっているから、最短撮影距離にもかなり制約がある。だから200mmで撮るべき被写体と構図を考えない限り利用性は低いのだ。野生動物なら、かなり距離を詰める必要があるし、かと言って、望遠マクロとして使えるほどはよれなかったりする。どちらかというと風景やポートレイト向きと考えて、被写体を探した方がいい。庭や畑を動いているチコなどは、こちらも彼の動きの呼吸が読めるから、ある意味最強だ。
SONY α7II, Leitzwetzlar Elmarit-R 1:2.8/180mm 
とは言っても野鳥関係御用達のサンニッパは300mm精々6倍の望遠レンズで、2Xコンバーターつけても600mmの12倍、その範囲内で、それなりの絵を狙う。コンデジの高倍率ズームの望遠側をモニター画面で見ながら「すげー拡大できるー」みたいな使い方ではないので、その辺りを勘違いすると大した望遠効果ではない200mmという画角にはがっかりするし、一眼レフとその望遠レンズの使い所を勘違いすると無意味な買い物をすることになる。
SONY α7II, Leitz Canada Apo-Telyt-R 1:3.4/180
人なら、ちょっと離れたところからの全身像。そこそこの圧縮効果により前景、背景処理が簡単になる。このレンズ、やはり本当によく写る。チコ瞳に写り込んだ風景や彼のセキュリティのために付けているワイヤレスラン電波帯を利用した発振器の防水ジャケットの亀裂をホットボンドで修理した周りなどちょっと感動。
SONY α7II, Leitz Canada Apo-Telyt-R 1:3.4/180

お気に入りのチコの顔。夕暮れの中、遠くの鳥を眺めている。
SONY α7II, Leitz Canada Apo-Telyt-R 1:3.4/180

上の画像の部分トリミング。今時の高画素子されたデジイチの画像は、トリミングしてもWebでの取り扱いにおいては十分でもある。
SONY α7II, Leitz Canada Apo-Telyt-R 1:3.4/180

Leitz社の経営が芳しくなくなった時のLEITZ CANDA Apo-Telyt-R 180mmの芯食った写り。f値は暗いし最短撮影距離2.4mって半端なスペックだが、画質優先で設計で無理してないのかも。全体の1/20以下の部分トリミング。画像の一角に写り込んだナガサキアゲハの描写に驚くのは、
シュナイダー様の底力に驚嘆した時と同じだ。
SONY α7II, Leitz Canada Apo-Telyt-R 1:3.4/180

これが全体画像の70%トリミング。この一部分に上の画像の情報量が写り込んでいる。
SONY α7II, Leitz Canada Apo-Telyt-R 1:3.4/180

ZeissのVario-Sonarに対して、LeicaにはVario-Elmarがある。このズームレンズは、ズーミングしても開放f値も最短撮影距離も変わらないという、優れた設計で、望遠側でも1.2mまで近づけるので、ちょっとした望遠マクロ的に使えるのだ。
SONY NEX-6, Leitzwetzlar Vario-Elmar-R 1:4.5/75-200

今年の我が家のふた株のブルーベリーのできは、結構良かった。都合、3kg程度は取れるだろう。
SONY NEX-6, Leitzwetzlar Vario-Elmar-R 1:4.5/75-200

望遠マクロとして使う場合、ワーキングディスタンスが取れるために、ぜいたく言わなければクリップ・オン・ストロボのぽん焚きが割と使える。
フォーカスを望遠側で行い、そのまま画角を決めて撮影という流れは、結構楽である。minoltaはLeitz-minoltaなどのブランド製品、さらにはR4の内部メカ、電子部品など、日本製カメラの圧倒的な市場の寡占状態が生じた時代にあって、世界のブランドLeicaとの共同開発製品を出すなど、他社とは違う動きができていた。OEMという概念が一般化していなかった当時からユニークだった。YASHICA-CONTAXでZeissレンズ群を日本製カメラのレンズ群として使用できるようになる時代でもあり、むしろ日本製一眼レフカメラブランドの寡占状態時代の製品といっても良いかもしれない。この後、MF両優先AE機のバトルを経て、日本製フィルム一眼レフは、オートフォーカス時代に突入し、数々の銘玉を産んだそれまでのマニュアルフォーカスカメラ&レンズシステムは終焉を迎える。それらのレンズが40〜50年近くを経て、再び、バックフォーカス、フランジバック極小のデジタルミラーレス一眼に利用できて、当時の画質以上のものが吐き出されるというのは、なかなか思うものがある。
SONY NEX-6, Leitzwetzlar Vario-Elmar-R 1:4.5/75-200
このズームレンズは、実は当時のminolta製OEMで、中古価格が安いということで有名。ただ、焦点距離によるf値の変化がなく、今時見なくなった直進ズームの操作性には、minoltaの設計らしいユーティリティの良さを感じる。写りもライカ的である。望遠側で最短撮影距離にて撮影すると、昆虫スナップなどでも割と使えたりする。
SONY NEX-6, Leitzwetzlar Vario-Elmar-R 1:4.5/75-200

以下はおまけ。R-Leica様の写りと比べるための、現代テクノロジーによるAFレンズではあるが、安価なダブルズームセットの片割れの望遠ズームの写り。このレンズの評価は、割と良かったりするが、時々、「値段なり、全然使えん」みたいな評価があるが、今のスマホに押されつつも生き残っているコンデジが高画質高価格か、超高倍率ズームかみたいな状況だと、4倍(双眼鏡的に見てもフルサイズデジイチで4Xと言える)ズームの使い所は、むしろ人間の視力を超える引き寄せ効果ではなく、風景写真やバストアップポートレイトの画角で使うものだから、そういうレベルでの望遠レンズという文脈で考えると、勝負にならないだろう。野生動物ではなく、猫撮りには丁度いいかも知れない。
SONY NEX-6, SONY E 55-210mm F4.5-6.3 OSS
こういうレンズで撮影した画は、力一杯レタッチしても心理的に全く平気なので、こうやっていじるけど、Webアップレベルでは、見かけそんなに悪い感じはしない。ただ、高価格レンズのような細密感みたいなものは、値段なりで、特に標準側の画質はまあまあかなと感じる。SONY NEX-6, SONY E 55-210mm F4.5-6.3 OSS

これなども、ズームの望遠側だが、撮影条件からいえば、もっと写ってもいいのになと思う。APSサイズに特化したレンズで、フルサイズでは使えない。その分、軽くて安いレンズだが、入門ダブルズームセットなので、ダメダメの画質ではユーザーは、もっと高級レンズを買うしかないなとはならず、むしろシステムに投資してくれるようにはならない。そういう意味では及第点なのかもしれない。
SONY NEX-6, SONY E 55-210mm F4.5-6.3 OSS
SONY NEX-6, SONY E 55-210mm F4.5-6.3 OSS
参考にさせていただいた記事
Vario-Elmar-R 75-200mm/f4.5 はじめてのMFズーム/ metalmickey's blog
Vario-Elmar-R 75-200mm/f4.5 :
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