公陳丸の毛並みの謎始末(Inhibitor gene)
2005年 06月 22日
Contax Tvs, Vario-Sonnar 3.5-6.5/28-56
彼の毛並みは,アメリカンショートヘアの黒色個体のような感じで,しかも体毛の先端部分が黒いだけで,殆どがホワイトというかクリーム色っぽいのです。
ところが,或る映画を教えて頂いて,それに出てくるブラック・シルバー・タビーの遺伝系が私が前に見たソマリ品種の体毛を説明するサイトでは上手く説明できなくて,これと一緒にヤス猫(レッド・タビー)の遺伝系を調べていたら,見事に解説しているアメリカンショートヘアのサイトがありました。
ここはホームが消滅しているか,トレースできなくなっているようですが,もともと,アメリカンショートヘアについて,解説したサイトのようです。公陳丸はアメリカンショートヘアの黒色個体いわゆる,ブラック・シルバー・タビーの更に変わり種みたいな縞猫なので,そういった意味では,アメショーの体毛の遺伝系分析を頼りにするべきでした。
で,分かったのは,インヒビター(毛の根元の色素を脱色させる)とノン・インヒビター(毛の根元の色素を脱色させない)という1本の毛を色分けさせたりしなかったりという制御に関わる対立遺伝子がちゃんと存在すると云うことでした。で,これは優性なので,比較的出やすいということが分かります。そういえば,引っ越してきたときに,公陳丸のそっくりさんが居ました。疥癬を患っていたようで,直ぐに見かけなくなりました。可哀想に毛が抜けて人面猫でした。で,2ブロック離れたところにもそっくりさんが居ます。最近来ませんけど。もちろん,皆,血縁はありません。
この遺伝子のお陰で,彼のマジックのような不思議な毛並みが発現するのですね。
病院の待合室で暇だったので,書き出してみました。
交陳丸の遺伝型は,
1)w/w
2)s/s
3)I/-
4)D/-
5)A/-
6)T/-
7)X/Y
8)L/-
になりました。
すでに,先にご紹介したアーティクルの一番上のリンク先は,なぜか消滅しております。とりあえず,公陳丸に必要な部分だけ抜き出してありますが。
1)白色は優性遺伝子。公陳丸の両親とも「有色遺伝子」の持ち主,彼は劣勢のホモです。
2)シルバー因子(色素抑制遺伝子)は優性なので,公陳丸は劣勢ホモ。
3)*インヒビター(色減衰遺伝子とでもいうのかな)は優性なので交陳丸は彼の両親の一方が持っていた可能性があります。
4)淡色にする遺伝子型(希釈遺伝子)はやはり劣勢ホモなので,彼の両親の片一方が持っていたかあるいはどちらも持っていません。
5)ソリッド(ノンアグチ遺伝子;単色)遺伝子は劣勢なのでホモでないと発現しません。両親のどちらかが単色で会った可能性もあります。
6)クラシック・タビーは劣勢ホモなので,これも親のどちらかもしくは両方がマッカレル・タビーであったと思われます。タビーパターンの詳細はリンク先をご覧下さい。
7)公陳丸は勿論雄なので。
8)「短毛」遺伝子はホモかも知れませんが,少なくともI/I(←これLの小文字です)ではないということで,両親とも短毛。
なお,ここで注意が必要なのは,あくまでメンデル遺伝する,表現型として認識されている「遺伝子型」であって,いわゆるDNA上の塩基配列がどうのこうのというレベルの遺伝子の話ではありません。ひょっとしたら,位置までも特定されているかと思いましたが,それは無さそうです。
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ところで、公陳丸or交陳丸、どっちですか?