広角レンズを使う場合は、私は、35mmフルサイズで使う場合25〜24mmあたりが好きだ。いわゆるCarl ZeissのDistagonで言えば、Distagon 2.8/25になるし、α7系なら、古いMINOLTAレンズを使う場合、24mm/f2.8ということになる。
1985年 2月に発売されたこの古いレンズは、流石に現在の高性能なデジタル画質にはちょっとスペック的にも合わなくなっていて、開放f値では、周辺光量低下も激しく、個体によってはかなり像も流れると散々に言われている。それでも中心部の画質とコントラストはf5.6あたりで結構なレベルに達していて、NEX-6/α6000系のAPS-Cサイズで使うなら全く気にならない。問題はフルサイズだが、中心部50%の部分に被写体を持ってくることができるような構図なら、破綻はないと言える。構図によるが、画面全体斉一的な描写が必要な構図ではなく、中心部に被写体を捉えて、ちょっと説明的に周辺環境を取り込むような使い方なら、ほとんど気にならない。
都市中心の撮影者ではないため、解像度や画質チェック用の縦横の線がふんだんに含まれるアーキテクチャーのような写真はあまり撮らないというのもあるかもしれない。
このアーティクルは、なぜかロングランで読まれていて、多分こういった時代のレンズ製品については、製品レビューをネットでも簡単に手に入らず、皆ここに検索できておられるのだなと思っている。そのせいで自分もここを何度も見にきて、晩年のチコの筋肉が落ちた姿を見ている。
私がこのレンズをMINOLTAαのフィルムカメラ時代に必要としたのは、林床などでの植物など生物と合わせて、周辺環境を記録するというような使い方だったので、ちょうど良かったのだ、28mmクラスだと、主題に寄った時に、周辺環境の情報が少し足りないのを感じたのだ。
植物を生息環境ごと切り撮るにはとても都合がいい。
前回挙げたエントリで、iPhoneの単焦点レンズカメラに限ってだが、画角が28〜29mmあたりに設定されているのは、それ以上の広角レンズの省スペースや画質など、技術的な問題以前に、広角で標準レンズ的な機能をギリギリ持たせられるのは、本来は35〜28mmぐらいが限界であるためだと思う。スマホの場合、それ一つであらゆる被写体に対応しなければならないとなると、広角側がある程度使えるレンズとしては28mmになるしかないだろうと思う。
かつては広角レンズといえば、35mmであって、これはレンジファインダーカメラが基本だったからだと思う。レンジファインダーカメラを使うと標準レンズから広角35mmに移ると、凄まじく広い範囲が写ると錯覚するほどだ。フィルム一眼レフの全盛の時代になって、28mmがいわゆる広角レンズの標準になった。その次に24mmが広角レンズとして明らかに違う画を撮流ためのレンズということから、ズームレンズの広角側も24mmクラスの製品が出始めた。
被写界深度の深い小型CCDと組み合わせることが前提のレンズでは、なるべく平行に光を入射させる光路の設計が可能となり、今時APSサイズ〜フォーサーズのデジカメとそれ用の設計レンズの解像性能はとても高い。そういう画に慣れてしまうとちょっと物足りないかもしれない。ましてやデジタル対応ではない、大昔のフィルムレンズだ。でもこのレンズで、逆光の光が綺麗だなと思う画は撮れる。
レンズの好みみたいなものがあるだけとしたら、このレンズの発色とコントラストは、α7系と組み合わせたときには、自分向きだなと思う。
食品名コサンダケ(小桟竹)、種名はホテイチク Phyllostachys aurea。旬は4月~5月。南九州で好んで食べられるアク抜きのいらない美味な竹の子は、他にダイミョウチク(大名竹)というのがあって、そっちはトウチク Sinobambusa tootsikのことで、梅雨期間の5月末から6月が旬。笹の子のように剥いて火を入れたらすぐに食べられる。コサンダケは若干少し重曹水に晒したほうがいいかなと思っているのでそのように処理して、鳥ミンチと一緒に煮た。
こういう料理中のメモ撮りに近いようなものも、コンデジで撮るような気楽さで使える画角ではある。
一応ガスレンジのサイドには、撮影用に弱目のLEDライトを増設してあるが、フルサイズデジ一は、コンデジよりも圧倒的に暗さに強いので、アベイラブルライトかカクテル光線下でパシパシ撮れるというのも料理中お気楽に撮れる部分でもある。
このレンズの良さは、どちらかというと発色とコントラスで絵が作られるところだと思う。そういう意味では今のキリキリとしたデジタル画像っぽくないが、その辺りは、このブログでも何度も紹介したクラシックレンズの性能を引き出せるα7系のフルサイズデジタルの力が合わさる結果、写るべきものはちゃんと写っている。個人的には好きな写りとなる。
近接は普通に最短撮影距離0.25 mで0.16 倍。このディッシュサイズの料理を撮るには、フルサイズでも不自由なく寄れる。APSサイズのボディに嵌めれば、ややマクロの効く、標準レンズみたいな使い方になる。
24mmの広い画角を感じる。結果小さくてわからないが、アンテナの上に餌探索に来ているハシブトガラスの2羽。ゴミステーションで一度網が被ってなかったことがあって、味を占めたのがある。何羽かは、チコの動静をずっとチェックしていて、チコの動きが、高齢のハンディを持った猫だっていうのがバレている気がする。あわよくば襲えるかもしれないとずっとチェックに来ているなと、私が気がついてから長い。
ここにウォッチに来る個体は、ニホンザルの追い上げ用のモデルガンをちらつかせた瞬間に逃げ出す。照準を構える真似をする以前だ。散弾による捕獲の場面の経験がある個体からの学習が進んでいるのでは思っている。
建物やビル群の多い風景撮影に使わない人間には、十分なレンズだ。近接撮影もデジタル用レンズのキリキリ感はないが中心部50%に主題があれば悪くはない。