チコにお昼寝時流して良いと許可をもらった曲シリーズ #7

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 このシリーズも続いている。新型コロナが猛威を奮っている世界は簡単には収束しそうもない。
 フィールドワーカーは、沈殿というフェイズに耐える経験をしているので、レジャー派では耐えられない状況を甘んじて受けられる場合もあるが、それは一人で生きている場合とも言える。実際は、家族の学業や生活があるわけで、そんな簡単な話ではない。
 チコがリビングで眠れる音楽は、どうしても、鎮静側へのベクトルを持つ音楽が増えるなとは思う。

Daughter / Not to Disappear
 私も最初は、かつて聴いてきたCDや`70-90年代の既に古典化したロックやポップスなどを引っ張り出したり、そのあたりの選曲の多いFM放送プログラムを選んでいたが、せっかくだから、新しい鉱脈も掘ってみようと考えるようになった。気がついたことは10年以上活動しているバンドも結構ある中で知らずに来たバンドも多いのだなっていう部分か。アメリカンメジャーポップスの潮流以外にも、オルタナティブバンドはいきなりメジャーになって表出したりするけど、やはりアンテナを張り巡らしている音楽のプロが目をつけるバンドは、それなりに美味しいということにも気がついた。
 以前ご紹介したKhruangbin(クルアンビン)も女性ひとりを交えた3人のユニットで、Laura Leeが来日したときにもものすごくウケていた。、このDaughter (ドーター)インディーフォーク・ロック、シューゲイザーロック(ロックの一ジャンルだが、そのまま『靴を見る人』という意味で、いわれはこのWikipediaにある。なかなか面白い)バンドも、Elena Tonraが強力な魅力を持つThree Piece Rock Bandだ。

 サイケ調って死語だと思っていたら、浮遊感みたいなものが尊ばれるハウス、レイブが発信場所となって以降、やっぱりドラッグ的なオルタナティブ・ロックの隆盛を見たわけで、以前ご紹介したHooverphonicも、女性ボーカルが次々に独立しながらの3人ユニット構成。それもかなり以前のお話だ。
 あまり聴き込んでいないのだが、このバンドも10年選手で、根強いファンがおられる。初期はかなりアコースティックサウンドが基調で、それゆえオルタナティブ・フォークなどとも言われたりする。評価が進んで、かなり重厚で、シンプルなだけではなく、多様な構成を持つ曲を作るようになっている。トリップホップも生まれて長いゆえに、流行り廃れ、再興、復興ではなく、ある意味、古典化してその時その時に求める人が新たに生まれ、形を変えつつ定着したとしてみた方が良いのかもしれない。ノルウェー出身のArt pop、Electro popのAuroraがMassive AttackのTeardropのカバーを歌っているが、あの辺りはTriphopトリップホップ(注:Trip popトリップポップではない)の終焉期なのだが、既に古典と言えば古典かもしれない。で、Trip popでもあるんだよなぁ。まあ、皆、好きな音楽をやっているだけに過ぎないのだろうけど。
 チコ的にはアッパー系でもダウナー系でも、気にしないようだが(猫はメランコリックな曲で落ち込むみたいなのはなさそう。むしろ彼らが様子を気にしている大切な人の気分が問題)、 Elena Tonraのメランコリックなボーカルを中心としたサウンドは、私の方も沈静化するるので、彼もよく眠れるようだ。


ノット・トゥ・ディサピアー

ドーター/Hostess Entertainment

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Of Monsters and Men / My Head Is an Animal
 以前このカテゴリーでご紹介したLana Del Rayなどの新たな才能が吹き出した10年前、初登場で全米ビルボード200にて6位(Lana Del Rayは20位)といきなりの新星として現れたアイスランドのバンドがOf Monsters and Men。ここもオルタナティブが冠せられるフォークロックバンド。10年活動していると、やはり音楽好きの人たちの中からコアなファンが生まれてきちんと評価を下しているので、私のようなタイプの人間においては割と参考にしている。スタイン・ベックの小説『二十日鼠と人間』(Of Mice and Men)からインスパイアーされたようなバンド名だが、特にややこしい音楽をやっているわけではない。
 スリーピースバンドで、アコースティックサウンドを基調とした、フォーク・ロックサウンドだけど、2000年以前のサウンドとはやはり違う。PVなどみても、Cranberriesなどがエレクトロポップ的な音も果敢に攻めていっていたけど共通する。なんとなく明るい雑草的な強さを持つサウンド。
 アンプラグドサウンドがチコにとって良いかと聞かれたら、まあ、音量によるというだけの話だと思う。それでも人のボーカル周辺の音域の音は、うるさがらない気はする。

 音楽の場合、今日流行ったものも明日には消えることはある。それでも最も新しいものが最も優れているなんてことは、科学技術や工業製品ではないので(その分野でも、コストその他でかつてのテクノロジーやプロダクツを超えられない場合もある)、音楽に限ってはないのかもしれない。クラシック音楽ファンをわざわざ笑う人は、まれには居るけどあまりいない。それを知らない人は無教養と言われることを恐れて文楽や歌舞伎についても良さが理解できない人があまり変なことを言い出すことはなかったが、今どきはそうじゃない面倒な人が現れたりして、タブーがない、思ったことを言える人間だというアピールのための藁人形に使われたりする。
 同様にBeatlesファンを笑う人もいたりするが、笑う内容にもよるけど、その分野の音楽を知らない人を笑うことがおかしいのと同様に、音楽やり尽くした人が口にしたりするのでなければ、具体性もない場合、やはりちょっとずれてる気がしないでもない場合が多いような。音楽はファッションと同様に個人的なものであるので、一般化はしたくない。

マイ・ヘッド・イズ・アン・アニマル

オブ・モンスターズ・アンド・メン/ユニバーサル インターナショナル

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Richard Saxel / Nocturne

アマゾンではその輸入盤は扱いがあるときとない時があるようだが、タイミングが合えば中古も見つかる。
 夜想曲って良い翻訳だなって思うが、むしろ、メジャーなショパンやシューマンのNocturneよりも、演奏者の方に意識が向いたりせず、情緒を乱さずに普通に聴ける曲もある。





 この夜想曲集のトップはAlec Rowleyの夜想曲、収録曲は5版の方だが、私は、選外の4番の方が気に入っている。5版は少し明るい曲想でそちらもジブリ映画に流れていてもおかしくないような感じで名曲。ちなみに、このアルバムの演奏者Richard Saxel自らが曲演奏を紹介しながら、youtubeで語っているものがあった。



元ちとせ / Hajime Chitose / 故郷美ら思い / ハイヌミカゼ
 以前島唄歌いとしては奄美大島東部、南部のひぎゃ歌(東節)、奄美島唄のレジェンド、朝崎郁恵さんを紹介してしまったので、も一回、しかもJ-Popシーンでは一度ブームになってしまった元ちとせさんを紹介するのはなんとなく、とおもっていたが、やはり改めて聞き直して、不世出の天才だなっておもったのと、チコに聞かせてみたらやっぱり悪くないという判断なので選んでみた。彼女のメジャーヒット曲、「ワダツミの木」(海神の木)だって、かなりそれまでのJ-Popmの曲から考えれば異質で、やっぱり神秘系プログレだよね。石造りの神殿ではなく海に向かって巫女が立っているような(諸説あります)。
 で、彼女のメジャーデビュー前の小アルバムが、手に入るのだけれど、ものすごい選曲。
 Björkがボーカルをやっていたオルタネティブロックバンド、Sugarcubesの'Birthday'がトップで、Stingなど多くのアーティストがカバーを歌っている、ロックのレジェンド、ジミヘン"Jimi" HendrixのLittle Wingやアート・ロックの先駆者、Velvet Undergroundの'Sweet Jane'やガンゾシンガーソングライターのCarol Kingの"Home Again"など、天才島唄少女だった彼女が、洋楽歌わせても見事に歌いこなせていることがわかる。

 山崎まさよしの『名前のない鳥』のタイトルは、ウエスト・コーストバンド、mini CSNYと呼ばれたAmericaの出生ヒット曲『名前のない馬(A horse with no name)』へのオマージュだというきがするのだけれど、この曲はすごく気に入っている。それが入っている。その事もあって後年、彼女が山崎まさよしと歌った映像が残っている。素の島唄歌い元ちとせの原型がしっかり残っている気がする。私は、J-Popの新星と化した以降の彼女も、どちらも好きだ。
 メジャーヒットから数年、彼女が結婚し、子育ても含め生活基盤を奄美大島に移したのはよく理解できる。矛盾だって色々あるし、今どきは、いろんな価値観が襲ってきて検証にさらされる事があったとしても、大島紬が全盛だった頃、機織と女性でも腕一本で生活を支えられるゆえに、離婚率が凄まじく高かったという島だ。海はきれいで、魚介類は上手い。あそこが地元ということであれば、子育てで困っていても集落共同体の中で、助けてもらえるあの島以外で暮らすなんてまず、考えないだろう。




故郷美ら思い

元ちとせ ハジメチトセ/

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 彼女の「ワダツミの木」以来のJ-Popシーンでの快進撃のまま、購入するとこちらは多分あてが外れれる。彼女の島唄歌いの原点というか、高校生初、史上最年少(当時)で奄美民謡大賞を受賞したときの「嘉徳なべ加那(かとくなべかな)」も含まれている。完全なる島唄選集。無論、島唄の歌い手としての集大成のようなアルバムなので、そちらが大好きな人には問題ない。

 チコは、奄美の島猫モードになって寝ているからあまり問題はなさそう。奄美三線も、猫ではなくハブの皮だから、追っかけ回されたりしなくて、問題ないのだ。最も現地にあって猫は産業動物で集落周辺に、結界を張ってもらってハブから住居を守るような飼われ方をされてきた。猫は内で、大切にされてクラスとは違って、数年のターンオーバーで繁殖して入れ替わるそういう世界の動物だった。世界自然遺産登録で、外来種としてのノネコ管理問題から、そういった飼い方も住民の人達の意識も、もはや若い世代では、大都市と変わりない人も普通で、変わりつつあるが。

 ちなみに嘉徳というのは彼女が生まれた酒楽で、そこには「なべ加那」という親に水くみをさせて水浴していた美女の伝説がある。親になんてことさせるんだろうみたいな話で、親不孝者の代名詞みたいな変わり者みたいな話として回収されていることが多いのだが、「なべ加那」は実際に存在した女性で存在して現在まで祀られている。ちなみにこれ、親不孝の変わり者の噂歌ではなく、天女伝説そのものだという異説がある。元ちとせがこの歌を奄美民謡大賞チャレンジに選曲したのは、彼女の生家が嘉徳にあるということもあるのだろうと思う。島唄は集落との関係も密接で発唱法も含めて集落の資産として継承されたりする。




 ちなみにJ-Popの元ちとせとして、お昼寝に流すとなるアルバムはやはり1枚め。2枚目「ノマドソウル」、3枚目「ハナダイロ」、4枚め「カッシーニ」どれもお好みで。稀代の歌謡いとして生まれた女性が島唄、洋楽ロックと遭遇してきた事自体のやはり集大成だったと思う。島唄はジャズピアノにもものすごくあったりするマリアージュの妙が素晴らしい。息をするように、ご飯を食べるように歌を歌うという生活があるのは、現在、日本でも限られた地域だけで、奄美諸島は、そういう地域ではある。

ハイヌミカゼ

元ちとせ/EPICソニー

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 ちなみに何年も前にヒットした「ワダツミの木」に因んで、クロタキカズラ科クサミズキ属の新種としてワダツミノキNothapodytes amaminanus が記載、発表されたその個体は、その直後に見てきた。植物が分かる人と一緒に行かないと多分見つけるのは無理かもってことはない。そのあたりのことはこちらのエントリに、当時少し書いた。ちなみにクサミズキ属の近縁種クサミズキとともに、このワダツミノキにはアルカロイド系イリノテカン (irinotecan:CPT-11)が含まれ、抗腫瘍性アルカロイドであるカンプトテシン、平たく言えば著名な抗癌剤の原料物質となる。
 
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 ともあれ、生物多様性保護において、人の命を救うまだ未発見の製薬生物資源として重要だ、だから守ろうみたいな一種の利益誘導みたいな話で納得させるみたいなのは結構あった。Star Trekの『故郷への長い道』も当時のエコロジカル・ムーブメントを反映して、ザトウクジラをシンボルとしてそのテーマが導入されていたが同じレトリックだ。でも、そういうのは、興味があまりない人には、良くて「へー」って言われるだけで、多様性保護に結果的に寄与する人の心性に届くとはあまり思ってない。傲慢な人間は、大抵のものは何でも自分たちだけで作り出せると信じて疑ってないだろうから。現状の新型コロナや気候変動対策の状況を見ていても、「この人類」の多くにとっては、地球規模の問題となってしまった新型感染症も気候変動もそんな簡単な話ではないのが明らかになってしまった。せめてなるべくストレス少なく生活していくしかないなと思っている。

YUKA AND CHRONOSHIP / The 3rd Planetary Chronicles (第三惑星年代記)
 このエントリのコンセプトは「昼寝しているチコの向き」の曲シリーズで、だいたいは、J-Pop、クラシック、オルタナティブ含めたロック、プログレプログレを混ぜて、アーティストとアルバムを紹介してきているので、日本のプログレ黎明期はノヴェラ、アインソフなどユーロピアンロックコレクションの外伝的な部分で一時期キングレコードとフォノグラムがプロモーションをやっていたときに、商業的にメジャーデビューしたりしたのだが、その後の流れは幾星霜、現在の日本のプログレッシブ・ロックシーンについては、カケハシ・レコードさんの方のサイトを見に行ったら、ここに整理されていた。
 
 めちゃくちゃ演奏力もボーカル完成度も高いバンドとして、Yuka & ChronoshipとMIZUKI da Fantasiaの名前を見つける。チコのおかげで私が個人的にフロントマンの青木さんとブログを通して知り合った結果知ったバンドとして、Blazing Bronzeがあるのだが、残念ながら、現在、日本の通常レーベルやSpotifyなどから購入できるアルバムはない。
 この三者はお気に入りなのだが、現在の、日本のファンタジーアニメやゲーム世界と接続される部分の基礎ともなっている気がしている。例えば、プログレの側系統群みたいなゴシック・メタル・ロックなどでは、そのバラードの曲想など、ゲーム世界で壮大なスケール感を表すための音楽として非常に親和性が高かったりする。日本のプログレバンドは、曲において、ヴィジュアライズされるイメージが非常に強い気がする。

The 3rd Planetary Chronicles (第三惑星年代記)

ユカ・アンド・クロノシップ/ディスクユニオン

😺😺😺😺

正統シンフォニック・ロックだが、何というのか、黎明期には多かった、プログレの大御所のサウンドに似せて作り込んだみたいな未完成部分がまったくない。その上で曲は多彩。こういったバンドが出現していることは、時間が流れた結果だと単純には言えないと思うが、驚くべきバンド。
このあとのアルバムには、プログレの大御所の一つCurved Airのボーカリスト、ソーニャ・クリスティーナが参加している。所属レーベルも海外にあり、ワールドワイドで活動してきているプログレバンドにふさわしい存在。亡くなったプログレの雄、ジョン・ウェットンも、本来そのアルバムに参加予定であったと聞く。


mizuki da fantasia / Rainbow Chasers
 人によっては歌謡曲プログレって言われたりするが、それで良いように思う。ベビーメタルをメタルロックとして受け入れた、米メタルロックファンの方が頭が柔らかい。前述のファンタジーアニメやゲーム世界ミュージックと親和性が高いニッチを考えると、和製プログレにこの流れが出てきても全然おかしくないなって思う。聞きやすい女性ボーカルにプログレの編成と演奏力を装備したもの。Kalafinaだって日本風プログレ3ピース女性コーラスユニットだ!って言い張ってプロモートできなかったわけではない(と思う)。まあ、売れにくいでしょうけど。

 こちらの曲には全くコメントが付いていないのだけれど、もう一つの曲には、かなりきついコメントが多くて、「これはジャンル詐欺だ」みたいに書いた人もおられた。そう言いたくなる人が現れるのは、わからんでもないけど、バックの演奏含めプログレ的バラードになってるし、ボーカルは聞きやすく歌詞世界はよく分かる歌の表現力ある。NOVELAやX-Japanよりボーカルはチコ向き、猫向きであると思う(と書いておけば角は立たないな。うん)。



城 南海 / 尊々加那志~トウトガナシ~
 あと再び島唄。成長株で、ストリートパフォーマンスからデビューした城 南海、テレビ東京系の番組『THEカラオケ★バトル』でのウィナーとしても名を知られた、オールラウンダー。
 でも、やはり島唄で頭角を現す人の歌は最高。練度と選抜の違いか。ライブ録音だが、奄美の現地でこのうねるように体に届く歌の迫力はこういったライブ感のある動画の方が伝わる。
 暑い夏の昼下がり、チコがウトウトする姿にも合っている。




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Commented by umi_bari at 2020-07-19 17:06
アラック、最近、選んで音楽を聴くことがなくなりました。
ラジオで流れるのを聞くだけです。
昔は、オーディオも趣味だったんですが、もう夢は消えました。
久し振りにチコちゃんの姿をありがとうございます。
お見事バグースです。
神奈川、久しぶりに晴れたので、1時間走れました。
嬉しかったです。
Commented by complex_cat at 2020-07-19 18:00
アラックさん、
いや、このシリーズ、止められなくなってしまって。
FMやネットで適当に聞いているの、悪く無いですね。
思わぬ発見があります。
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by complex_cat | 2020-07-19 17:02 | Incoherent Music Box | Trackback | Comments(2)

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