メカ、ガジェット、プロダクツが身の回りに増えれば、それらが不調、故障したりすることも当然あるわけで、メンテナンスコストは上がる。
今回、無償で元に戻ったけれど、修理、復旧には少し時間もかかって、人の怪我の擦り傷みたいに放置しておけば治るなんてことはないので、それなりにドタバタ苦労した。
"ガーミン(Garmin)の提供するアプリ「Garmin Connect」をはじめとする全サービスで障害が発生、2020年7月23日から利用できない状態が続いています。GPS機器大手・ガーミンの全サービスが異例の長期間停止、原因はランサムウェア攻撃か-Gigazine"
私が最初に異変に気がついたのは2020年7月30日。Instictからのデータログをスマホ側にアップデートする時に、この表示が出て、記録が表示されなくなった。データはクラウド上におかれるため、Garminのサーバーがトラブれば、ほとんどの機能のログは表示されなくなるのだなって気がついた。
結局完全復旧するまで、手元のInstinctでは一週間かかったのだ。それ故、半端なトラブルではなかったのが推し量れる。
”原因は明かされていませんが、情報筋からはランサムウェアの攻撃を受けているとの話が出ています。
この件についてガーミンによる原因の発表は行われていませんが、ニュースサイトのBleeping Computerでは内部情報や極めて詳しい筋からの情報を集めて、「WastedLocker」と呼ばれるランサムウェアによる攻撃を受けたものであると報じています。同-Gigazine"
これは、単なるサーバートラブルではないなということで、相当時間がかかるなと思った。で、困ったのは、心拍数だけがスマホ側に拾えなくなってしまった。ひょっとしてInstinct側に問題があるかなと思い、Instinctのメモリーをクリアするためにリセットをかけたのだが、そうしたらそうしたらで、スマホ側と繋がらなくなってしまった。最初より悪い状況だ。
実は、初期不良も混ざったかとちょっと青ざめた。専門店もあるのだが、出掛けたくなかったし、急いでいたのでAmazonから購入していたのだ。ショップ購入なら、保証や修理交渉など店員さんとやりとりすればいいわけだが、ネットだとかなり面倒だなあと思って頭が痛くなった。
結局、リンクの再成立については、アプリをインストールし直した後、iPhoneをリスタートさせてようやくもとどおり復帰した。3万なにがしを投げ捨てずにすんだ。意外とスマホ側を再起動っていうのを忘れるのだが、この御呪いは、バッタもんのトラブルの時にも重要だった記憶がある。
Bleeping Computerという最初にGarminサーバーが犯罪組織Evil Corpに攻撃されていると看破して、分析を行ったコンピュータヘルプサイトの分析によると、
"ガーミン社のシステムが、ロシアの犯罪組織Evil Corpによって開発されたランサムウェアWastedLockerに侵され、サーバー内のファイルが勝手に暗号化されてしまったこと。"
やはり今回の原因はWastedLockerによるものであったこと
復号化のための鍵の特殊なプログラムがなければ、暗号を解き、システムを正常化させることはできないこと
プログラムは、サーバーが使えなくなった翌日の7/25に一度実行された形跡があること
これらの事実から推定できることは、ガーミン社がシステムのシャットダウン後の48時間以内に犯罪組織に身代金を払い、復号化のための鍵となる特殊なプログラムを手に入れ、それを実行したということである。
やはりガーミンは身代金を支払ったのか?その根拠【ランサムウェアによるサーバー停止事件】-Bike News Mag"
これの詳細を伝えているのが、ロードバイクとロードレースのブログ周辺というのも面白い。実際、あらゆるアウトドアスポーツにおいて、GarminのGPSシステムというデバイスはもはや競技を成立させているインフラの一部に近い。
ちなみに、Bleeping Computerって、Wikipediaによれば、
"ローレンス・エイブラムスが2004年に開設したコンピュータヘルプサイトである。まあホワイトハッカーを生業としているところ。コンピュータやセキュリティ、技術に関する質問に答えるためのリソースサイトであり、マルウェアやルートキットの除去、偽装セキュリティツールの削除手順といった全てのサービスは無料で利用できる。特に初心者の求めに応じることを重視している。また、PC World誌のオンライン記事にもこのサイトの記述が掲載されることがある。”
とあって、まあ、ありがたいホワイトハッカーサイトである。
私の愛車、2016年モデルAdvance Pro2は、Giant TCXの眷属にあって、シクロクロス競技車であるとともに、今につながる、グラベルロードの走りで、このモデル以降は、軽量化の目的からシングルクランクになった。また、ブレーキも今のモデルはGiant独自のハイブリッド型の油圧方式でなかなかよく考えられてあるが、105系でありながら、当時はまだそのクラスの油圧ブレーキが出る直前で、一つ上のクラスのULTEGRAのそれと共通のものとなってた。
お気に入りなわけだが、カセットスプロケットのフリー側が外れてしまった。リアディレーラー調整をいくらやっても、全然ギアシフトが決まらず、チェーンのテンションを上げてなんとかなるなって思って、ハンガーに吊るして置いたら、翌日見たら外れていた。いきなり走り出したら、フリーが完全にフリーになっていて、ペダル漕いでも走らず。ロングライド中でなくて良かったなと思った。こういうトラブルは走行中だとディレーラーにもダメージが行ったりするから、それでまた修理費が飛んでいくわけだが、幸いなことに嵌め込んで再調整だけでなんとかなった。
そんなにハードな乗り方はしていないし、どういう乗り方してもタフなシクロクロスバイクで、目録以上の性能を誇る機体であるはずなのだが、私の廉価なクロスバイクでもスプロケットタイプでこれが起きたことはないので、最初にこれを発見した時には、何が起きたのかすぐには理解できず、軽くパニックになった。バイクマスターのお世話になって、久しぶりに快走できるコンディションにしてもらえた。
今時のスポーツバイクのディレーラーワイヤーはインナーで(要するにフレーム内を走る)、リアディレーラーワイヤやり直すにも、フロントディレーラーを外さないと無理だったり、デザイン、空力(ハイパフォーマンスの乗り手と競技レベルに限り意味があるレベル)のために整備性は面倒なことになってる。ロングライドでトラブったら、非常に面倒だ。
チャリンコに凝り出して、ママチャリからフルサスMTB、クロスバイクキメラバイクや2000年代前半ごろのフレームを使ったシクロクロスなど、ゼロから組み立ててメンテナンスして10年なんてのはまだまだ日が浅くて、大した経験でもないし、体系的に学んでいるわけでもないから、そんなにモノが分かっているわけでもないのでいくらでも穴があるのを自覚する。未だになぜここが外れてしまったのか、分からない。まあ一定以上の性能のものを購入しても、スポーツバイクの場合は、メンテナンスフリーになるわけではないので、そこを勘違いするとよろしくない。こういうショップに何度も通っても、多少は高額な機体故、しつこくお世話になってもあまり気が引けずに済むみたいなのは実感する。
ということで、メンテナンストラブルがとりあえず回収されて、夜間、初めてのコースを恐る恐る走ったが、マスターのセッティング、最高であった。Garminサーバー、経緯は自分には確認のしようがないが、復旧して、Instinctのログからこういう画も再び貼れるようになってる。
グラベルロード、どんな格好でちんたら走っていても、サドルあげてビシッと決めてかっ飛んでいるロード見ても、変なプレッシャーがかからないし、都市空間の側溝の蓋などのギャップなどに対応できるし、ヒルクライムでは、デュラデュラ回っているハブを追いかけるのも一興とか気楽である。自分みたいなズボラな自転車乗りには最高である。
あと、そうだ、スタンディグ・スティルはできたほうが良い。