チコにお昼寝時流して良いと許可をもらった曲シリーズ #8

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Friday Night Plans
ボーカルの日本人の父とフィリピン人の母を持つMasumiを中心としたプロジェクト。
日本発信のR&Bとしてあまりにも完成度が高くて、びっくりした。
周りを固める方々の感度も有って、後述する海外マーケットからの引き合いも出ている90年代のシティポップの流れから、竹内まりあの『プラスティック・ラブ』のカバー曲で、驚くほどの実力を示し注目された。日本人の歌う英語曲とは違ってネイティブでも違和感なく受け入れられるヴォーカルなのだが、でも、良い意味での本国のそれに埋没しない日本産R&Bと感じるものを確かに感じる。言語化できないのだけど。これに先行してSpotifyの最新の『日本の女性ボーカル』というコンテンツで聴いていたら、もうぶっちぎりで気に入ってしまった。そう、日本語も混ざるけど英語歌詞が流れていく部分が圧倒的なのにね。私は、何でも効くようにしている方だが基本洋楽好きだけど、あまり真面目にR&Bというジャンルは攻めたことはない人間だ。
 海外ポップスを普通に耳にして歌いこなす環境というのもあるのだろうけど、周りを固める人たちのレベルもすごいものがある。
コロナ禍で失われた都市生活の気楽さや煌めきみたいなものが再現されたような、そんなものが詰まっている気がしてしまった。
若い世代の強さと自然に音楽を求める健全さみたいなものを感じられて、コロナ禍以前、ああ、あそこでパン買ってランチしてみたいな何も制限ダレることのない気楽な風景を思い出して、ちょっとした幸福感に包まれる人もおられるかもしれない。それは大都市に限らず、小さな地方都市でも普通に存在したささやかな楽しみ出会ったと思う。
 チコが都市部のお店の猫だったら、こういうおしゃれな曲が一日中、降り注いぐ店内で寝ていたかもしれない。
でも、彼は永遠のラスト・ボーイスカウト。でもよく眠っている。

 彼らは音楽配信サービスを基本としているのだけれど、LPは出してるんだよね。CDではなくて。こういうところもなかなかすごいなって思った。



山口美央子
 この人は、このアルバムに入っている『恋は春感(しゅんかん)』がコーセー化粧品のイメージ・ソングに使われスマッシュヒットしたのだが、ミュージックコンポーザー的立ち位置であった松武秀樹氏とともに、いくつかのオリジナルアルバムをリリース。松崎氏は、YMOのレコーディングや世界ツアーにマニピュレーターとして参加し、あの音をスタジオ外でも再現可能とした「4人目のYMO」と呼ばれた人。それ以外にもシンセ奏者として、多くのJ-POPや日本人アーティストのアルバムに参加している。その数は膨大。海外で言えばビートルズのレコーディングエンジニアだった過去を持つプロデューサー、プログレッシブ・ロックの雄、アラン・パーソンズみたいな人であって、ご本人はある意味アンビエント・ミュージックも試行されていた方だと拝見する。その松崎氏が惚れ込んだ才能だ。
 実際、このアルバムに収録された「白昼夢」は一部海外メディアにジャパニーズ・アンビエント・ポップスの傑作として取り上げられたとのこと。日本のシティ・ポップや由紀さおりが国外で遅れてきたタイミングで再評価された流れで山口美央子も再評価されるようになった。
 


月姫

山口美央子/Pinewaves

😺😺😺😺

 LPからCDに移行する以前のアーティストのアルバムは抜けていることが多いのだが、私は表題曲は嫌いではなかったが、それ以外がかなり気に入ってLPを手に入れてしまった人間。彼女のアルバム『夢飛行』『Nirvana』『月姫』も、CD化を果たしたのはなんと2017年になってからという話。その背景には海外からの要望で松武氏が自ら原盤会社に直接掛け合いッテ努力の賜物。ネット配信の世の中になっても、CD現物が存在するってのはマーケット波及効果としての影響は依然として小さくないのかもしれない。それが出てからの音楽配信というながれに沿わないアーティストは少なくないけど、いつでもCDなら出せるみたいな人の戦略や、インディーズから覇王になるアーティストなど、色々おられるけど。おしゃれなシティポップという文脈というよりは私はアンビエントプログレ歌謡として聴いている。今のゲーム世界のボーカルソングとも通じるところがあって、当時としては稀有な存在だったと思う。

トキサカシマ

山口美央子/Pinewaves

😺😺😺😺

 彼女のアルバムはネット配信で聴けるのだが、やはりこの『月姫』と最近の『トキサカシマ』『Floma』がアンビエントジャパニーズポップの文脈では傑作だと思う。楽曲提供者としての活動も長くは、長らく日本のポップ、歌謡界に寄与してきた人とも言える。少し鼻にかかった声とストレートヘアのエキゾチックな風貌が、海外ファンからの人気に拍車をかけているのかも。クルアンビンのローラ・リーのそれと共通する。
 話しかけるようなボーカルはチコにとっても、嗚呼マタ、オキャクサンガキテル、みたいな感じではないと思うが、眠りを妨げるものではないようだ。



追記ー彼女のセルフカバーアルバム、アレンジも一新してチコ的にはこちらのアレンジのほうが正解のようだ。


東京エスムジカ
 日本のワールドミュージック志向の走りとしてのドメスティックユニットとして、このユニットの活動は、私にとっては小さくない存在だった。ボーカルの瑛愛、平得美帆と作曲・作詞の早川大地による3人ユニットだが、近年はほぼ活動停止したような形で、基本早川氏単独の活動となっていた。でも、2020年6月にオリジナルメンバーと一緒になってネットライブを行っている。寡作なので、思い出したように大切に聴いている。今のKalafinaや元ちとせに通じるような、うねりと響きが入った見事なボーカルは、詠唱的でもあり、私のそばで眠っているチコにとっては、やや響くかなと思って、やや小音量で聴いている。



モーリス・ラヴェル様とバッハ様
作曲者かアーティストか、どっちでも良いので、紹介も適当。
 ドラマティックな人生であった近代クラシック音楽のマジシャン、ラベルについては、あちこち聴き込んではいない。せいぜいアルゲリッチの『夜のガスパール』と何人かのピアニストによる『鏡』、とシンフォニーなら『ボレロ』辺知っていたらそれなりに幸せになれるなっていうメシアンによるクラシック音楽の解体に行き着く前の、エリック・サティやベルリオーズなどニューウェイブクラシック作曲家の中では好きな作曲家だ。
 何でも盛りのラベル曲集だが、演奏者や指揮者はトゥルルス・モルク、 ジャン=イヴ・ティボーデ、 フランソワ=ジョエル・ティオリエ、 マルタ・アルゲリッチ、 ピエール=ロラン・エマール、 イーヴォ・ポゴレリチ、 Denise-Francoise Roge、 パスカル・ロジェ、 ヴラディーミル・アシュケナージとまあ、困ることはない選定だと思う。
 チコにおいても眠りを妨げる成分は少ないようで、受け入れられているようだ。




Ravel: Complete Edition

Decca

😺😺😺😺

 アルゲリッチは大好きなピアニストで、Youtubeでも結構動画が残っていて、最近は白髪も混ざる重鎮であるけど、3人娘の父親が全て違うなど、彼女の圧倒的な女性としての魅力が爆発している時期のものも見られて、そして今も実力が衰えることなく、偉人である。


 バッハだとパイプオルガンとかリュートとか古楽器みたいなものを考えがちだが、バッハのピアノ曲は大好きだ。それはこのアルバムの影響が大きいと思う。このアルバムのおかげでとても良い経験をさせてもらった。


バッハ:ピアノ作品集

アルゲリッチ(マルタ)/ユニバーサル ミュージック クラシック

😺😺😺😺



 クラシックからクラシカルプログレの歌姫につなぐの、当たり前すぎるけど、チコにとっては良い子守唄になる曲が多い気がするので。
Renaissanceというクラシカルプログレ・バンドは、もともとYardbirdsに居たKeith Relfが妹のJane Relfとともに作ったバンドだったが、彼らはバンド名が登録商標として守られる手続きのことを失念していて、気がついたら、他のバンドがその名前で登録していた。後からのRenaissanceがこのAnnie HasramをボーカルとするRenaissanceだ。クラシカルな唱法で朗々と歌い上げる彼女の声は、好みが分かれるだろうけど、このアルバムは少し力が抜けているし、もともとクラシック寄りにアレンジされたプログレで、どちらのファンにも興味が持たれる部分がある。猫にはピアノ曲は無難。


STILL LIFE

アニー・ハズラム&ルイス・クラーク/アポロン

😺😺😺😺

この楽曲は、別のRenaissanceの傑作アルバム『燃ゆる灰 (Ashes Are Burning)』に入っている佳曲で、Debussyの『沈める寺院』のピアノ旋律が先行する。


 途中でKeith Relfは夭折してしまい、妹のJane Relfが本家Renaissanceを引き継ぎ、Illusionというバンド名に換えて2枚のアルバムを出している。そちらも傑作だし、今どきの音楽ではないけど、特にドラマティックな曲が大好きな人はハマるだろう。今や一ジャンルとなったゲーム音楽がドラマティックでリリカルな表現には事欠かないから、違和感なく受け入れる人も少なくないと勝手に思っている。




 大学生時代、私の周辺では谷山浩子とRenaissanceの視聴者が異常に多い気がした。ゆらぎか何かだったのだろうあれは。

Tash Sultana

 追加、オーストラリアの強力なワンマンアーミー、じゃないバンド、タッシュ・サルタナ。チコイチ推しかどうかワカランけど、私はイチ推しだな。
 茹だるような暑さの中でも眠りに誘われそうな、不思議な不思議な圧巻なギターの調べとソウルフルなボーカル。久しぶりに猛暑の中帰ってきた長男はこれ聞きながら、良いねーと、言いながら眠りに落ちた。



 ギターの名手、カキ・キングも彷彿とさせるギターテクニックと、少女のようで居て一瞬の間に変化するソウルフルなボーカルが、一人で操作するエフェクトにより、圧巻のサウンドに仕上がっている。こんなのをストリートで食らったら、帰れなくなるよ。名前で検索したら、アデル登場時以上の衝撃を受けたとされる方のレビューがあった。うん、私の耳とチコの耳は間違ってないよ。
 チコ的には、音量を思いっきり上げればダメだけど、この人の音楽のそばでは眠りに落ちる気がする。今朝の排便は順調だったこともあり、とりあえず眠っている。




Commented by umi_bari at 2020-08-15 15:12
残暑お見舞い申し上げます。アラックは音楽はわからないのですが。チコちゃんを1枚ありがとうございます。お見事バグースです。ゴンとチャンスが居ないお盆は暇です。
Commented by complex_cat at 2020-08-15 16:56
アラックさん、
ハンディキャップがあるのでセルフグルーミングが十分にできなくて、なんとなく薄汚れたチコですけど、この連日の暑さで外に出たがらなくなったため、かつてよりは大分増しになりました。
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by complex_cat | 2020-08-15 14:12 | Incoherent Music Box | Trackback | Comments(2)

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