SONY DT 30mm F2.8 Macro (SAM SAL30M28)は、APS-Cサイズに特化したというか、旧ミノルタのデジカメが基本APS-Cサイズデジイチで、ちょうど
ルーセント・ミラー・テクノロジーによる液晶ファインダーを持つ機種などが出ていた2009年度頃のレンズだ。つまり現在のミラーレスの一つ前の前適応みたいなテクノロジーによるペンタプリズムが存在しているようなデザインのカメラをソニーが作っていた時代。
その写りは、値段から見たらご覧の通り、割と悪くないし、等倍マクロ撮影ができて一般撮影もそこそこ使える、APS-Cサイズで使われるため30mmの焦点距離は35mmフォーマット換算で、45mmの画角でいわゆる準標準マクロレンズということだ。
現在のα6000系やα7系の始祖となるαNEX系ミラーレスが出る前なので、当然、それで使うには旧αレンズを使うためのマウントアダプター,SONYの LE-EA系がないと利用できない。ちなみにこれを使った場合、LE-EA4まではAFが使えても、本体のCCD象面に内蔵されている最新のAF機構は使えなくて、フォーカスの精度や速度で問題が出たが、最新のLE-EA5とα7IVの組み合わせで漸く、このネガが解消されるようだ。 てなわけで、いわゆる旧ミノルタのペンタプリズムミラー一眼レフの方が、このレンズはなんとなくしっくり似合う感じ。それでも中古価格が抑えられ、準標準レンズの画角で一般撮影ができるなら、割り切って使う道具レンズとして悪くないと感じた。 ちなみにフルサイズのα7系にはめると、APS-Cの部分だけのクリッピング撮影になるので、結局画角は変わらずということのようだ。SONY Eマウントでそのまま使える30mmの等倍マクロレンズも存在するのだが、そっちはf3.5と昔の古いマクロレンズ並みに開放f値はちょっと暗いし、今のマウントレンズなので、中古価格も二束三文というレベルではない。
ともかくこのレンズをα7IIとαNEX-6に代わる代わるはめて、パシパシとった感じでは、フィールドで使い倒すレンズとして、十分な性能だと思った。私にとっては久しぶりのAFレンズだ。
発色も元々の純正レンズということもあって、違和感がない。カメラ側の設定どおりのカラーコントロールができて安心して使える。
比較的焦点距離が短く、被写界深度が稼げる象面等倍マクロは思った以上に、花や昆虫を撮っているとしっくりくる。この辺りは相対的にレンズ焦点距離が短くなるフォーサーズ機より使い方を選ぶ部分と思って使ってきたが、深度合成などは使われたら、相変わらず太刀打ちできないにしても30mmはとてもありがたい。その分ワーキングディスタンスは取れないから、被写体はまた選ぶことになるけど。
奇態な昼行性の蛾であるシラホシトリバ。もうちょっと頑張って撮りたかったが、時間がなかった。頭部にフォーカスきてないし、この角度だとこの蛾の造形の不思議さがちょっと伝わりにくいけど、変な突起物みたいなのを持ったハエみたいなのがいるなぁって思ったらこの蛾だった。
我が家のオクラ、アオイ科を食草とするフタトガリアオイガにかなりやられる。このくらいの大きさの被写体が最もいい感じ。繊毛が非常にきれいに写っていて被写界深度も適度。このマクロレンズ、ボケも結構きれい。
バッタかイナゴか、幼生ということもあって、このあたりの同定は苦手である。
室内の猫たちのアップとかググっと近づいてもいいし、全体をとらえるのに離れないといけないということもない焦点距離なので、準標準だと距離感がとても取りやすい焦点距離となる。
比較的開放F値が開いていても被写界深度が稼げるから、アイキャッチもはずれが少ない。コンデジ並みということはなしコンデジよりも暗さに強いデジイチを使えるので、非常に楽である。中古は安いし、沼レンズ的な腰を抜かすような描写を求めなければ十分という場合に非常に有効なレンズである。
追記ー忘れていたが、私が購入した初めてのSAM(スムーズAFモーター)レンズだった。Aマウントレンズをα7系やα6XXX系のボディで使える最新のメーカー純正マウントアダプターLA-EA5で使うことを前提に、SSM/SAMレンズについては、最新のEマウントボディの像面位相差AF機能を使えるレンズだ。私の手元にはボディ内モーターが乗っていない旧ミノルタのAFレンズだらけなので、このレンズ一本のために購入するのは、ちょっとなあと考えている。流石に限界でもあるかな。