実家に戻った時に、ちょっと懐かしい、LPの群れを並べてみたりした。わかるかな?といいつつ実は、LPレコードではなく、LDが混ざってる。そっちの方も、思いのあるソフトタイトルなので、LDプレーヤーを手に入れたいなと思っている。特にDVDでタイトルを復活してもらえなかった名盤は少なくないのだ。そうでなかったら、Kate Bush/Whole Storyなどは、海賊版的なLDからの怪しい焼き直しみたいなものなら存在したりするのだけど(一応それも手元にある)。
実は自宅には二機目の壊れたLDプレーヤーが存在する。トレイが開かなくなるトラブルのものが多いのだ。多分、中を開けてベルト交換できる人なら、そんなに面倒な修理ではないのかもしれないが、中古の中古あたりを安く入れ直した方が、楽ではある。
LPレコードプレーヤーとカセットテープデッキを調達して、両方の音楽ソースを視聴したり、LPレコードやPCのデジタルのデジタルソースからカセットデッキや24bit/192kHzサンプリングのPCMレコーダーに録音したり、それをまた相互に音を飛ばしたり。
結論から言うと、デジタルは、選曲や長時間視聴が楽だという長所は圧倒的だけれど、自分のレベルだと、音質を追求するなんてことはしれているので、そう、「何を聴いても」、全部幸せになれる音だ。いるでしょ?何食っても美味い!っていう人が。音質の追求はそこそこで、オーディオファンではなくて、音楽ファンでいられる人間なので、まあ幸せなのだろう。
久しぶりにLPプレーヤーを手に入れて聴いて、ああ、なんて素敵な音なんだと思いつつ、CDで視聴していた時には、あり得なかった20分で視聴が寸断されるという経験を思い出す。20分ちょっとなんてすぐだよなぁ、特にライブなどは、中断される儀式が生じる。何か別のことをやっていたりすると、オートチェンジャー式のLPプレーヤー探そうかなどと一瞬、思ったりする。
リニアトラッキングレコードプレーヤーに憧れていて、ようやく安いベーシックなものを手に入れた。テクニクスはこの分野、名器Technics SL-10を生み出していて、やはりLPジャケットサイズのモデルが欲しかったが、当時の豊富なラインアップの中、最も安価なダイレクトドライブ機の中古製品Technics SL-DL1を使っている。クオーツ制御でなくても、まあ、普通にLP再生して音楽を楽しむのには、別に困るなんてことはない。しかしモーター直付けのターンテーブルや、交換式カートリッジなど、壊れるところがないので、よほどひどい扱いを受けた個体でない限りは、中古でもそんなに冒険でもない。
オークションに出てきたモデルが、どういうスペックでどういう位置にあるのか、『オーディオの足跡』というオールドオーディオ機器のデータベースみたいな、見事なサイトがあるのだけれど、Excelシート上にそこへのモデルごとのリンクを張ってある。しかし、1979年に完成されたスペックの最上級機であるSL-10(本機だけはカートリッジもマニア向きでMC型も使えて、専用のイコライザーアンプも内蔵している)が発売されて、その後、ご覧の通り、たくさんの派生モデルが作られた。そうそう、縦型のモデルも存在する。
追記ーその後、オークションサイトを見ていて、上図にないモデルがあることに気がついた。単体のオーディオ製品として、売り出されなかったモデルだなと気がついた。だから件のオーディオサイトには載っていなかったのだということだと思う。
Technics SL-J2というモデルだ。
この方のサイトなどが詳しい。表示部品など、既に販売されているCDプレーヤーなどのデジタルオーディオからのフィードバックを受けている印象。このモデルはその後
Technics SL-J3というクオーツ制御モデルにアップデートされたようだ。これについては先のオーディオサイトにも載っていた。
他に、SL-DL4が抜けていたので、追記した。このモデルもミニコンポのセットの一部のように売り出したのかなと思ったが、販売時の定価を見ると、CDが売り出されて以降の廉価仕様のモデルということのようだ。クオーツ制御ではない、廉価モデルだ。
リニアトラッキングアームの針圧は、重力を使わないダイナミックバランスなので、特に立てて再生しても問題なくLPを再生することを標榜するハウジングにロックがかかる上位モデルもある。
Technics以外のメーカーも、当時はリニアモーター内蔵の高級機からミニオーディオセット用など多様なリニアトラッキングプレーヤーが作られたが、縦型の製品の中には、そのままラジカセの中に組み込んで、リニアトラッキングアームが両面用についていて、切れ目なくA面B面を再生するモデルなども作られた。カジュアルに音楽を聴くという製品として、いわゆる高級オーディオではなかったというのは、必然だったかもしれない。探したら、SHARP VZ-V2という17kgもあるミニコンポ風のシステムだった。
なんとなくその後のLDプレーヤーにスタイルが似ているSANSUI P-M90とかSharp RP117あたりの製品が、日本製ハイテクオーディオとしてのLPプレーヤーの系譜では、有名かもしれない。 高級オーディオとはちょっと方向が違うのだけれど、ともかくフロントローディングでLPレコードを飲み込んで、そのまま両面再生ができるLPプレーヤーだ。こういう方向の製品は、純粋なオーディオマニア用には作られていなくて、一種の音楽を聴くための家電品、そのせいもあって、生き残っている個体が少ない。この方向の製品は、先にご紹介したAudio Heritageのサイトでも扱かわれてはいない。しかし恐らく、スペックを今のように秘匿するような流れはないし、パーツや生産ノウハウもフィードバックされていただろうから、意外と基礎性能としてはまともだったと思う。
SANSUIなどは純然たるオーディオメーカーなのだが、どちらのメーカーのものも、件のデータベースには見当たらない。この方向の製品はどうも鬼子扱いのような気がする。
ヘッドシェル、カートリッジ、トーンアーム、ターンテーブルというような各パーツを吟味して、クオリティを上げていく製品群の一部とは違うからなのだろうけど、一方でTechnicsのリニアトラッキングプレーヤーは、体系化されている製品群だからということかもしれないが、件のオーディオサイトでは、そのほとんど全てのモデルが扱われている。
Technicsのリニアトラッキングプレーヤーの「適応放散」では、上級機のダイレクトドライブモデルはクオーツ制御が標準化して、SL-6の系譜は曲間検出による自動選曲演奏機能を持つモデルなどが出ている。安価なベルトドライブモデルには、電池駆動でFMトランスミッター内蔵で、野外でラジカセに音楽を飛ばしたり、フォノアンプ内蔵で、そのままラジカセのLine inに繋げられたり、そういう方向性の連動型のものが作られている。その延長で、ラジカセのようなスピーカー内蔵型まで出ている。
まあ、手に入れられる金額ではないが、LPレコードが傷まない、究極のレーザースキャンによる非接触型のLPプレーヤーがこの世には存在する。メーカーの名前は
ELP(エルプ)、プログレの大御所と同じ綴りだ。そしてこのメーカーには、30年の歴史がある。これ基本、デジタルプレーヤーではないようで、
時々レビューがあるのだけれど、評価はとても高い。 まあ、一生、縁はないだろうなという値段だけど、視聴する機会は、お江戸に出ていけば作れるだろうか。
静電気が起きないのと、なんとなくお掃除していて気持ちがいいので、ちょっと気に入っているレコードクリーナー、竹製のハケみたいなものだ。テクニクスのオートプレイシステムは、ターンテーブル下からのLEDビームでレコードの有無とサイズをチェックするので、Queenのカラーレコードのレッドは、そのままだと検知してくれなくて、ブラックの薄いプラスティックシートを被せたりしていた。グリーンLPは、何も余計なことをやらなくても、問題なく視聴できた。
TASCAMは同軸のCOXIALからのデジタル to デジタルで録音ができるので、全く、ノイズが添付されないまま録音ができる。この回路周りがどうかなと思ったが、ヘッドフォン端子やLINE OUTからカセットテープに試しに入れてみた。
今時は、金に糸目をつけなくて、デッドストック分を探せならともかく、クロームテープやデュアドフェリクローム、メタルテープなどの高級オーディオ用テープはほとんど手に入らないので(気をつけないと保存の悪かったりしたメタルテープは酸化劣化していたりする)、ノーマルポジションテープ一本だが、Dolby Bでも十分だ。Dolby CやDBXなど他のノイズリダクションも、煩い視聴さえしなければ、ノイズなど皆無で、しかもワフフラッターは検知限界というソースからの録音は、かつてカセットテープデッキが主流だった時代には存在しないレベルの最強の音楽ソースだし「エアチェック」になる。それゆえに、カセットテープの実力がよくわかる。中古の崩れかけたカセットデッキの音ですら、決して悪くないなって思う。私がオーディオマニアじゃないからかもしれない。焚き火のようなスクラッチノイズだらけのSP版視聴はしないけれど、今や昔日のそれに近いものがあるのかも。
まあ、良い音楽がそこそこ聴ければ、なんでもいいだわっていう適当さで終わるところが、私のオーディオライフ。そして少なくとも、チコが私のそばにいてくれる、曲と音量というのは、外せないのである。