キノボリトカゲ
2005年 07月 28日

樹上性の小動物は結構縄張り性が発達する場合がありますが,この種も例に漏れず,雄は繁殖もしくは採餌縄張りを張って,結構派手なバトルを見せます。尻尾で相手を叩いて樹から落とすなど,見ていて飽きません。
本種は,休遊の情報から鹿児島県指宿に上陸して繁殖している可能性があります。クマゼミなどと同じで,植物などにくっついて入り込んだ人為分布です。
因みに,海を渡っての島嶼間での分布拡大が必ずしも人為的なものばかりとは考えられておりません。しかし,有史以来人間活動が盛んな場所では,これを検証することは非常に大変です。逆に火山活動などでいきなり現れたり全生物が消滅するなどした無人島は,非常な価値を持つ実験地となります。そういったいくつかの成果の中で,ちょっと考えると海を渡るほどの移動能力のない陸貝などが海を越えて分布範囲を拡げる場合があります。彼らが付着していた大きな木が流されて別の島にたどり着く,竜巻が巻き上げて別の島まで運ぶ,これらの仮説は,一人の人間がいや数世代に渡って観察を続けても頻繁に生じる事例ではないことから,検証の方法が限られてきます。
ただ,実際に,ジェット気流の中には10cmを越える石がずっと飛んでいたり,貝品性の植物の種子が漂着する状況を見ると,1,000年に1回程度しか生じないような現象でも,十分な可能性を秘めているのかも知れません。というか,そういう解釈が基本的になされております。一方で,ヨーロッパのブナなどのように,氷河期からこっちは,全部人為的分布だという大胆な学説を述べる方もおられます。
因みに今太平洋の真ん中に突如火山活動で島ができあがったときに,最初にたどり着くのは,クモだと言われております。クモを吐き出しパラグライダーのように離陸して飛び立つ無数の子蜘蛛は,空中プラントトンと呼ばれるごとく,無数に大気中を飛んでおります。一生地上に降り立てないもの,海や川ポチャのもの限りなく,ごく一部だけが約束の地にたどり着き,それからが大変。海外に住み着く微少生物を利用できるものはごく僅かで,同じく飛ばされてきた昆虫などが定着するまで,造巣性の種類はそこでも,無数の飢え死にが繰り返され,トライ&エラーが繰り返されることになります。
ついでに書くならば,上記の話は,ディスパーザルという分布パターンのセオリーですが,最初陸続きだった島が切り離され結果的に海を介してバラバラに分布している場合もあります。この場合は,バイカレントと呼ばれ,ダーウィンフィンチやイリオモテヤマネコやツシマヤマネコなどはこれに当たります。別に彼らが竜巻で飛ばされたわけではないということです。切り離された年代が古いと,オリジナルの種とはかなり違った種に変化していることもあり,実際,大陸系のベンガルヤマネコFelis bengalensisの島嶼の孤立分布個体群から派生したと思われるイリオモテヤマネコは,発見島嶼,体毛の紋様から,南米のネコに近いなどと言いだした「専門家」もおられました。
イグアナ型のトカゲが日本に普通に(=自然に生息しているといういみ)いるというのがオドロキです。
LostColorsさん,余り写真だけで語らせるような画が撮れないので,そういう場合は「ベシャリ」で何とかしようと言う多弁なブログです(笑)。写真が綺麗などといって頂けると,永世写真素人,ちょっと踊ってしまいますね。

