日本のオーディオ産業全盛期、カセットデッキなどで有名なNakamichiで、宣伝のイメージキャラクターに黒猫が使われていた。Nakamichi 580 cassette deckなどだけれど、わりとオーディオと猫って近いイメージなのかもしれない。 それでもユッチは、私が音楽試聴しているときに、チコのようには、わざわざリビングにやってきて爆睡したりしない。チコは、人間臭くて、変わった子だったが、ユッチはむしろ普通の猫なのかも。我関せずで、別の部屋でこんこんと寝ている。
1982年発売のアナログ・オーディオ・アンプが手に入ったおかげで、十分以上の定格出力のおかげで、余裕が出て、当時のYAMAHAお得意のZDR(ゼロディストーションルール)回路もあって十分優秀。私ごときのオーディオ試聴レベルなら、現在でも十分以上。いろいろ楽しめる。かつてのオーディオアンプは、定格インピーダンス8Ωが主流だった故に、今の時代、6Ωや4Ωのスピーカーが主体の状況で、問題が生じるみたいなテキストもネットに書かれていたりするが、最大出力ギリギリで試聴する(頭おかしい、近隣から怒鳴り込まれるぐらいの音量になる)わけでもないので問題なし。ちなみにA-500の定格出力、70W+70Wは、8Ωのものなので、6Ωではその1.335倍ぐらいか、93.45W+93.45Wとなる。 ノイズレスのデジタルソースを小音量でもそれなりの音量でも、気持ち良い音で鳴ってる。

デジタル音源からデジタルアンプ(TEAC A-H01)に入れて、そこからのアナログ出力をアナログ・アンプのLINE入力(AUX)に入れていたが、出力端子がスピーカー、サブ・ウーハ、ヘッドフォン出力しかない廉価なデジタルアンプでは、ヘッドフォン出力を使うしかない。
そうなると、デジタルアンプが一台使えなくなる。だから、デジタルアウトをアナログに変換して、LINEに入れて鳴らせるようにした。
Digital to Analog変換はこのVEDINDUSTというメーカーのデジタルアナログコンバーターを使った。LINE入力からの音源をもとに、
YAMAHA A-500はわりと結構な音で、スピーカーを鳴らせている。この2回の変換でどの程度、ソースを忠実再生しているのか、ちょっとスペクトルの変化を見てみた。
phonoイコライザーアンプ出力などのアナログデータやLINE outなどのアナログ出力はこのr-honpoなるメーカーのコンバーターで光デジタルケーブルに流して、デジタルアンプや直接の同軸デジタル入力を持っているレコーダーで録音できる。
今回このデジタル→アナログ→アナログアンプ→LINE out→デジタルの変換での音の変化を見てみようと思い立った。まあ、普通に音楽はデジアナ丼型のシステムで奏でられていて、私ごときの耳では、何ら音質に問題は感じていないがその確認みたいなものだ。ちなみにスピーカーからの空気録音まではやっていない。やるとしても手持ちの機材となるとTASCAM DR-100MKIIIのビルトインマイクを使うぐらいだろう。
テスト用にAudacityでいくつかの周波数で正弦波を発生させた。最初は、Audacityの機能にもあるので、RMS(root mean square)でも比較しようかなと思ったが、 まあ、そんな厳密比較をする必要はなさそう。波形を見ればわかるレベル。
1,000Hz (Digital source origin)
これがAudacityで発生させた1,000Hzの正弦波そのもののスペクトル。
1,000Hz (DtoD)
元々A-H01にはUSB接続ではなく、REIYINのDACからの同軸と光デジタルで繋いで、デジタルソースを試聴してきた。その方が、出力の利用性は高いので最初からそうしている。REIYIN DA-DDは、安価なDACだが、デジタル出力を受けてA-H01でそこそこ良い音で鳴らせている。
アナログアンプで鳴らすためには先に書いたようにデジアナ変換をする必要がある。
その出力を再びデジタル変換したもの①とREIYINのDACからのデジタルソースそのもの②の二つの音源をTASCAM DR-100MKIII に流し込んで見てみた。①の1,000Hz音声データのスペクトルを見るとこんな感じ。まあ、歪み率ということで数値に直せば酷い値になると思うが、コアの部分は、そんなに悲惨ではないのがわかる。REIYINのDAC、値段の割には健闘していると思う。
1,000Hz (DtoAtoD)
先に書いた通り、REIYIN DA-DDからのデジタル音源を一旦、これまた安いdegital analog converterでアナログ信号に変えて、アナログアンプでスピーカーを鳴らしている。そのアナログ音源となったものをアンプのライン経由で出したもの。それをもう一度デジタル変換して、TASCAM DR-100MKIIIに入れてスペクトルを見たもの②。変なところにいくつかスパイクが出て低域も余計な伸び方をしていて歪みが確認できる。安い機材での変換変換の限界だろうが、デシベルが低いのであまり目立たないだろうとは思う。1,000〜2,000円台の機材で音楽ファンとしての楽しみ方には十分だと思ってる。変調ノイズによるスパイクのレベルも、ピーク値から見てほとんど試聴には関係ないレベルだろう。
10,000Hz (Digital source origin)
10,000Hzになると、最初にAudacityで発生させた正弦波はこんな感じ。
10,000Hz (D to A to D)
2回のデジアナ変換の結果、デフォルトのレベルが10dB以上下がってる。裾野が広がってるのと20,000Hzにノイズのピークが持ち上がっている。この値段の機材で、ほとんど暴れた音になってないのは、むしろすごいのかも。
16,000Hz (Digital source origin)
同様に16,000Hzで、発生させた正弦波。
16,000Hz (D to A to D)
高音になると大体傾向は似てる。多くの人の試聴限界は超えているので、この辺りが暴れても、理論上は影響なさそうだが、ハイファイオーディオの世界だと、そうでは無い世界。
20,000Hz (Digital source origin)
一応、一般的なオーディオアンプの周波数特性の上限いっぱいまで出そうということでやった。同様に20,000Hzで発生させた正弦波。この辺りが、一般的なオーディオの音域の上限。ハイレゾ仕様が出てくるまでは、デジタルにおいてもここまで出ていれば、本来は何も問題がない世界だった。今考えると、低音の方をもっとやってみるべきだったか。レコードのレンジ再生の不測部分も高音よりもむしろ低音なのだが、まあ、そっちも今時のサブウーハーで出すような低域の話ではない。どっちにしても、サブソニックフィルターで切り落としても試聴上は問題がない領域だと思う。 ちなみに私は、広域の音質クオリティが上がる性能というのは、個人的には意味がないわけではないと思っている。可聴域のクオリティも自動的に上がる仕様の結果ではあると思う。あと、研究者として動物の超音波領域についても、実験や知見を集めてきたので、専門機材ではなくCPの良い家庭用オーディオで録音、音源から出口のスピーカーまで、超音波領域に対応できる事自体が、直接的に利益となっている。
20,000Hz (D to A to D)
古いアナログアンプと言えど、歪立は今の標準的なデジタルアンプより優秀で、ほぼそのまま無加工で出てくるLINEの一般的なSN比を考えたらこんなところなのだろう。 何度も書くけど、デジアナ変換デバイスの値段を考えたら、音楽試聴上、十分な性能だと思う。手元にあるマイクは、DR-100MKIIIのビルトインマイクぐらいなのでやらなかったが、今回高性能マイクによる空気録音をしたりしなかったが、実際に試聴していて問題がない音だという印象が裏付けられて、今回はこんなところで十分かなと思う。 音響工学は専門でもなんでもないので、掘り下げた話は私には無理で、あまりオチはない話。何か思いついたら追記しようかなと思う。
追記ーデジタル・アナログ変換デバイスはピンキリで、優れたDAC用のチップも開発、更新されているから、同じテストをやってもかなり違うのだろうなとは思う。残念ながらそれを試す余裕も資金もないので、1k〜2kぐらいの製品とどれくらい何が違うかわからない。 こういうテストをやってみると、キリがない気もする。