この古く、安価なズームレンズの写り。実際100mm側はあまり使わない人も多いので、自動的に300mm/F2.8の単焦点レンズを資金用意して購入というのがまあ普通。このレンズの良さは、まさしく100mm側が存在するズームであるとこと、安いが、それなりに写って、入門望遠レンズとして十分使えるというあたり。そして何と言ってもコンパクトで軽く、装備に入れていくのに別のキャリングケースを用意しなくていいということで、私のような写真が目的でもなく、猛禽類の調査などは生業としないでフィールドに入る人間には、身の丈があっているということだ。森林の深部に、調査機材と共に潜るとき、サンニッパは持っていけない(ずっと持ってないけど)。
あ、チュウヒの雄って書くの忘れてた。 ここから狩場となっている、休耕地を見下ろしていて、小鳥や小動物を狙っている。
SONY α7II, MINOLTA AF ZOOM 100-300mm F4.5-5.6
MINOLTA直系の後継レンズはこれですといえば嘘になる。スペックはより高いし、レンズ内手ぶれ補正も効いて、SONYのαボディ本体の手ぶれ補正と合わせて、効果は凄まじい(であろう)。希望小売価格207,900円(税込)なら、中古の300mm/f2.8より高額だ。だから撮りたいものには、対応できが、私の使い方だとフィールドに持っていけない。かつてのMINOLTA AFレンズは、高額の望遠レンズを除き、ボディ内モーター駆動なので、ある意味軽く安く作れたのだ。その代わり、動くものに追従させるスペックを上げるには限界があった。性能が低かったというよりは、携帯性とフィールドで潰れても次がすぐ用意できる経済性/取り扱いに気を遣い、重くて高額商品、そこそこ写る性能/圧倒的な描写性能のトレードオフだ。
描写性能は、当時のサードパーティレンズにありがちな、投げ捨てたくなるようなレベルではなく、発色など十分ミノルタのレンズ描写だと味わえる上に、立派なものだった。
こういう話を書いていると、地学科の研究者になった友人が、学生時代ポツリと言った言葉を思い出す。
「なあ?」「?」「フェラーリってダメだな。」「なんで?」「だって、山、行けんもん。」
天下の高額名車を、フィールドワークに使えないということで切って捨てた友人は、フェラーリでもブガッティでもアストンマーチンでも、高額車を次々にパパに買ってもらえるような人間ではなく、普通の国務院の息子であった。今なら、ゲレンデヴァーゲンとかカイエンとか911ダカールとかありますぜ、お兄さんっていうセリフで返し方かどうかわからない。いやフェラーリディーラーで「おじさん、山走れるフェラーリください」って注文するなら、ダカールCEか。ともあれ、暗に予想はしていたけれど、彼も私と同じSUBARU XVに何年も前から乗っているはず。
うん、その人の事情でどんな山にも持っていけるデジイチ用300mmクラスレンズというのは、とても貴重なのだ
上の画像のトリミング画像だ。飛翔中のも同様。高画素子の本体の性能のおかげだが、最新モデルはもっと凄まじい。でも私にはデータの膨らみ方も含めて、これで十分だ。
話逸れるけど、単焦点には憧れる。これは最も設計上、描写性能、解像度を上げられる焦点距離における古典的なクラシックレンズ、Schneidar Retina Xenon 50mm/f1.9の写りだが、タテハの部分のトリミングは以下の画のレベルまで描写されている。私も最初見たときちょっと信じられなかったけれど、解像度そのままの部分トリミング。MFの置きピンだから博打ではあるが、明後日の部分にフォーカスが行くAFではこのバクチは無理。
大昔のレンズは、ノスタルジーではなく、現代のデジイチにはめても、その真価を発揮すると驚くものが存在する。この発色、解像度。これも「老兵の歌」だ。デジイチのCCDが進化してくれたおかげで、屋外なら、誰からも文句が出ない描写性能を発揮する絞りまで絞り込んでも、まだ余裕で、1/1000以上の高速シャッターが切れるという、フィルム時代ではあり得なかった性能のおかげだ。かつ35mmフィルムがデジカメの画素紙に換算して2,500万画素ぐらいと言われていたが、それを遥かに超える解像度まで辿り着いてしまった。ある意味、長きにわたって積み上げられてきたテクノロジーの恩恵を全て受けられる、幸せな時代だ。
ズームは遠景の風景写真には便利で、無駄がなくない。波の状態なども、今の普通のデジタルレンズですと言っても、Web上ではまず、見破られないレベルにはある。
SONY α7II, MINOLTA AF ZOOM 100-300mm F4.5-5.6
フィールドから戻る時、丁度東シナ海は日没間近で、空や海や雲や波や、ヤコブの梯を、とばかりに調子に乗って撮る。
SONY α7II, MINOLTA AF ZOOM 100-300mm F4.5-5.6
このレンズの線の細さは、やっぱり製造年代、デジタル非対応のエコノミークラスのレンズという成り立ちを考えても、十分だと思う。
かつては、入門レンズと言って、そのメーカーの安いレンズをビギナーが購入して、十分そのメーカーのレンズを気に入ってくれる性能を保証することで、長きに渡って、ユーザーでいてもらうために、安くても描写決して性能は低くない、CPの高いものを用意していたわけだが、このレンズは、まさしく望遠レンズの入門レンズであったと思う。
SONY α7II, MINOLTA AF ZOOM 100-300mm F4.5-5.6