それでも彼女の鳴き声は、かつてよりずっと大きく響くようになり、要求も多い。猫も、人同様、体が効かなくなると、我儘が増えるようだ。 最近は私がチーズトーストを食べていると必ず、食わせろと言ってくる。このリクエストは予想もしてなかったが、チコが晩年チーズトースをほんの少しだけだが、所望するようになっていたので、違和感はなかった。猫も年齢を重ねると人間同様、食べ物の嗜好は変わってくる。高齢だが、パウチも食べるようになったのはつい数年前。それまでは計ったようにカリカリだけをきちんと食べ、それ以外を欲しがらない猫だった。
彼らは私が想像もしたこともないほど深い世界と、ありとあらゆるものを見せてくれた。
ありがとう。とりあえず、私はまだこっち側にいる。
猫の日に。