ミニミニ・スピーカー大作戦

諸君! 私はミニスピーカーが好きである。
その後、どう続けるか忘れた。
 我が家の周辺は、住宅街で、夜になると閑静な地域だ。ここから少し山手に上がるとサンコウチョウが飛来する森があったり、渓流が流れていたりするし、恩師の話では50年前は本当にこの半島の秘境の一つだったということだ。こちらに赴任してきた先輩研究者が、こられた早々、ヤマコウモリを捕獲していたので、その秘境的環境の片鱗となる森林と水の流れは、まだ維持されていると思われる。今も、Spotifyで小音量でソロのジャズギターの演奏を流している。毎晩、夜のしじまもスピーカーから流れる音を静かに感受できるのはとてもありがたい。
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 こんな場所まで、食事を作ってを食べ終わるぐらいまでの時間内にアプローチできるのだが、いつでもあると思うと、なかなか足が向かなかったりする。人間とはそういう生き物。
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 さて、ニア・フィールド・スピーカーなる言葉のオーディオ・スピーカーの発展は、最近のデジタルオーディオにあっては当然の流れで、かつてのようなアナログ爆音オーディをで音楽視聴をする風習が消えてしまったこともあるのかもしれない。そしてさらに周辺に気兼ねなく、いつでもどこにでも音楽視聴できるスピーカー、いわゆるイヤホン型のステレオオーディオデバイスの人気につながっているのだろう。
 今でも、お金をかけたAVルームで爆音で映画視聴をする人はおられるだろうけど、普段、自宅でガンガンでかい音で音楽を聴くというのは、今の、特に若い世代のスタイルではないような気がしている。音楽生演奏と同じ音圧レベルで、音楽を鳴らさねばならないみたいな試聴は、多分時代遅れなのかもしれない。必要であればそういうーディオ装置やキャパシティは今のAVアンプを見ても簡単に手に入るが、まあ、かつての日本の音楽事情を考えると、この件に関してだけは結果的に、全体的にマナーも良識もむしろ向上したのかなって思ったりする。
 以前、近所に住んでいた昭和団塊世代を思われる方は、日曜朝になると、爆音でABBAを流していたりして、お隣の知り合いの老父婦が、本当、キツそうにされていた。見かねて私が代わりにやんわりと抗議をしに行ったら、それ以降、きちんと小音量でしか流さないように対応してくれた。悪気などなかったのだなと理解したわけで、そう、ただただ、文化が違う!だったのかもとと思った。まあ、ご近所付き合いのための住宅環境は良く勘案したいところだが、音楽ファンはそれを忘れる人は、高性能イヤフォン視聴が当たり前の時代以前の世代だと、時々いる気がする。

 私の最初のオーディオ装置は親に買ってもらったPioneerの3WayスピーカーとSonyのアンプ、チューナー、プレーヤーのシステムコンポだった。スピーカーが3wayのPioneer製だったこともあり、学生の一人暮らしを始めた時にはやはりPioneerを選択した。引っ越しや部屋の狭さや作り、経済事情からでかいスピーカーを置くなんてこのはどっちにしても無理だったので、この「凶器にもなる」ほどの凶悪高密度のスピーカーを選んだ。いや、もらったといったほうが正確だったと思う。どうもその時代、一度ミニスピーカーがちょっと前に流行った状況だったようだが、私はそんなことは全く気がつかないレベルの音楽ファンだった。学生などそんなに金を持っているはずもなく、オーディオなんて、聴けりゃいい、みたいなのになるのが一番健全だった。それでもヤマハの高額モデルの試聴大会をさせてくれるカフェには友人と出かけて行ったりした。
 最終モデルのs-x3iiは外寸118 x 188 x 112 mmで容量計算すると、2.4Lしかないエンクロージャーで3.6 kgもある。スタートレックに出てくる、最終決戦兵器"Doomsday machine"みたいに、ニュートロンニウム製か?!というのを言ってみたくなるくらい、手のひらに乗るのに、ずっしりと重い、鈍器のようなスピーカーだった。掴みにくいから、指も腕も鍛えられるので、フィジカルエリートはダンベルにすると良いかもしれない。もちろん、いきなり賊二人に部屋に侵入されて襲われたときにも、振り下ろされるナイフをこのポリマーの筐体で受け、カウンターで顔面に叩きつけ、一個は投げつければ、大丈夫だ。部屋に置いておくと、とても安心なスピーカーだった(ただのステイサム風の妄想です)。今、このスピーカーの空気録音の動画を見ているが、動画の主の方は、それなりの音を入れて割としっかり鳴らされているのがよくわかる。



 どういう素材でエンクロージャーができているのかよくわからない感じだが、エンジニアリング・プラスティックの一種だと当時は理解していた。その辺り詳しい記述が見つからない。かなり検索したが、とりあえず、Material: Plastics (no bakelite or catalin)という記述を見つけたから、多分、そうなんだろう。しかし低音用スピーカーエンクロージャーのみで偏りのない重さがあるのは、どういう構造なのか、今だに私には分からない。
 クロスオーバー周波数もかなり高めの3.8kHzで今の小型スピーカーの作り方とはかなり違う。定格入力は50Wと当時の標準的なアナログアンプが本気で鳴らしても大丈夫なようになっていたが、流石に音圧は80,5 dBと低め。それなりに鳴るが、音入れないと鳴らせないスピーカーではあった。
 私の個体は途中で、ツイーターのコイル線が剥がれてきて音がビリビリ使い物にならなくなったので、修理にトライしたがうまくいかなかった。結果、引っ越し直前に後輩に譲った。彼はどうやったのかあっさりと直して、嬉々として使っていた。中身の損傷を見ていた友人も、あれは俺も無理だと思ったと言っていたし、私も機械いじりそこそこやるし、そんなに不器用とも思ってないが、根気という部分は確かにレーダーグラフは凹む人間だ。オーディオ修理には、個人の力量差が出ることを感じた。
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 左から QUAD(英国) L-ite (2005), VICTOR SX-V05 (1997), ONKYO D-N7EX (2010), ONKYO D-N112EXT (2017), ONKYO D-N7TX (2007)。
上は、野外実験用で入れたONKYO GX77M (2010)(光デジタル入力端子を持つアクティブスピーカー)

 アナログオーディオ、復活させて、かつてのようにオーディオ視聴しようとした時も、スピーカーはミニスピーカーしか考えなかった。かつての憧れのYAMAHA NS-1000Mの終活でオークションに大量に流れているモデルがあまりにも安かったりする個体を見ると、この機会に手に入れようかと思ったりしたが、それなりにかかる送料や実際我が家での置き場、そして私自身が処分しないといけないと思った時の状況を考えれば、ブックシェルフ型といえども重量級は自分には無茶な話だと思った。それで、やっぱり多くの人も今は持て余すんだろうなって思ったりした。重量級はどんな名機で安かろうが、やっぱりオークションでも食いつきは限定され、そんなに盛る人はおられないようだ。
 ということでスピーカーはミニスピーカー一択だ。一択だとしていたが、数は増えてしまった。スピーカーも、どうやらカメラのレンズのように、隔離しておいておかないと、勝手に交尾して繁殖して増えるようだ。元々スピーカーはペアでいるからしょうがないのだ。SWは1セットしかいないから、単為生殖だと思うがクローン的に似ていないのは何故だろう。まあ、予想はしていたので、増殖しても別に驚かなかった。
 彼らは、かつてチコが監督官の如く陣取っていたニッチ(本来は棚という意味)を生息場所として増殖した。困ったものである。

 他に、キッチンに音を回すためのYAMAHA NS-10MM (1996)とそのBackup用ONKYO D-108M(B) (2010)。これらは単体で鳴らすものというよりは5.1や7.1などのAVアンプ用フロントスピーカーの一種だが、まあ、普通の人もPCオーディオが基本なら一種の小径フルレンジスピーカー+ツイータみたいな存在だ。
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 当初はONKYOのCPが良い割に、ミニコンで数余りの結果、二束三文で出回っていたのを師匠に教えてもらって手に入れたわけで、確かにCPは良すぎて、何しろ数千円で手に入り、それ以上の絶対に腹は立たない性能は持っていた。そして、発売年度が下がるほど、欠点がなくなる。聞き比べると、年式が古いものは、手に入れて鳴らした当時は値段相応と評価得点が高かったものも、評価が落ちていくのは致し方がない。D-N7**系はでかいマグネットで、ウーハー全体をなるべく駆動させて分割共振させないような鳴らし方をしていたと思う。小さくてもそれなりの音量で鳴らせるというのが一つの特徴だと思う。
 手元にあるものとして、最も後年型D-N112EXTは、ひと回り小さくなっている。ドンシャリではなく、一番煌びやかな音で鳴っていて自分は気に入っている。それが持つ砲弾型イコライザーが製品のアクセントにもなっており、実際、これを手に入れて鳴らしたときには、音についてはお手軽な私はこれで十分じゃんって思ったぐらいの音だった。砲弾型イコライザーは、QUAD L-iteなども参考にしたと思われるし、もっと前からある装置だ。より小型になっているが、低音増強ように最下部に最下部に開口している排気口のような細長のスクウェアダクトを持つパッシブ型のバスレフ型スピーカーであるという部分は同じだ。ONKYOは不遇なメーカーとなったが、今後、再度スピーカー生産をしたとして、このそれなりにコストのかかるバスレフ機構を持ったスピーカーを作ることはないかもしれない。
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 VICTOR SX-V05はこのメーカーのユニークさを表現する製品で、ボーカルの再生で、ちょっと違和感が出るほどというぐらいの評価が上がっている。日本のオーディオ連合艦隊の資産による物で、ある意味もう2度と作られないだろう。私的には高音域の表現不足みたいなものは、煌びやかな高音表現を持たないK-1001の音に慣れてしまっているのもあるかも。マルチアンプと別のスピーカーで高音域を補完できるから問題ないし、むしろこちら単体の方が聴き疲れしない。そうはいっても周波数低域のスペックやこの構成で、高音が全然出てないなんてことはないから、このスピーカーの音作りの特性だろう。もう少し金のかかるアナログアンプの名機を使い込んでいたら、全然違う話になったかもしれない。耳は慣れるのだが、私にとっては不満が噴き出して耐えられないなんてことはない音で、楽器の出力並みの音量で聞くこともなく、SWの存在もあって、高域まで出ていれば、小音量のモニタースピーカー的な音で満足する人間だと分かったので、お安くできている視聴能力にむしろ感謝したいところ。

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 QUAD L-iteは価格コムでのレビューで異常なほど高得点だったスピーカーだが、まあ、単なる巡り合わせだろうけど、良いスピーカーだと思う。このクラスでバイワイヤリング(音質的には都市伝説扱いという解析もある)が可能で、一応そうやって鳴らして満足している。しかし、それよりクラスの高い後年モデル11Lの評価が高すぎて、そちらがQUADのスピーカーをとりあえず入れる場合の原基扱いなので、あまり見向きもされず、結構安価になってる。発売当時の価格は6万円台の真ん中ぐらいだった。英国製QUADは、安美味オーディオ的には多少はハードルが高かったが、破格で出ていたので、手に入れられてよかった。これはずっと単体で聴いていたいスピーカー。そしてやっぱり解像度はある一方で、聴き疲れしない。
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 サブウーハーはアクティブ型サブウーファーmarantz SW7001 (2007)をKENWOOD A-1001 (1993)の持つSW出力につないでいるから、問題ない。これは作動不良品を手に入れて、メンテナンスを行ったら、中の外部電源用ヒューズが飛んでいたのと、スイッチが入りにくいこと以外は問題なかった。出品者が、信号が入らないと動作しない機構であることに気が付かなかった可能性がある。安いし、中古市場は溢れているので、細かい検証をしていない場合が多く、動作品のはずが出鱈目であったりする一方、こういうことも逆にある。古いモデルだから壊れていると思ったのだろう。
 ケースを開けて、掃除して多少のハンダチェックをして補強して、元通り組み立てたら、動きましたみたいな事例がYoutubeには溢れていて、まあ、動かなかったものの暗数はわからないから、なんとも言えないのだが、そういうこともある。
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 パッシブ型ONKYO SWA-V30HDX (2010)はスピーカーセレクターに繋いでこれも鳴らせるようにしているが、SW7001を入れてから、ほぼ必要なくなった。
 TEAC A-H01はPCからはUSB接続制御してない。これのDACを使わず安いUSB-DACのREIYIN DA-DD (2020)からの光デジタルや同軸デジタルの出力をアンプに回しているので、遅延なくアナログアンプであるA-1001も含めてマルチアンプドライブが可能になっている。かなりゲテモノ的なオーディオシステムだろうけど、自分は全く気にならず、気に入った音質でデジタルソースを試聴できている。一応CDは2台のDVDプレーヤーのCD再生モードでデジタル主力しても試聴できる。

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 LPプレーヤーは中古でいつ壊れるか分からないから2台(テクニクスSL-DL1、SL-Q5)、切り替えで使ってA-1001から視聴できる。ジャケットサイズのSL-Q5の方がクオーツロックで一々アジャストする必要がないから、利用は主にそちらになっている。しかし、初期型とも言えるSL-DL1については最近状態の良いものはかなり高価格になってる。最初の一投なのでコストがかかっていたはずだ。中古の玉数はまだあるはずだが。
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 ユッチはここにきてから何か人のものに悪戯することはなく、こういうものが転がっていても、もちろんなんの興味示さない。石っころと同じである。彼女は生まれついてのハンターで、お隣の母屋の屋根裏部屋に勝手に通って、そこに近くの鶏小屋の餌を食べて巣食っていたクマネズミを殲滅し、感謝状をもらった伝説の部隊(公陳丸、チコ、そして彼女)の最後のレディなのでそれも当然かもしれない。まあ、私のオーディオ再構築と試聴音量は、チコが余生モードになった頃と重なっているのだが、「猫が気にしない音量」というのが、前提ではある。
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 アンプのIN/OUTはTASCAM DR-100IIIと最後のカセットデンスケのひとつ前、メタルテープ対応ではないDSC-D5につながっている。デジタル、私的には、音楽視聴には万全。大陸製デジタルーアナログコンバーターとアナログーデジタルコンバーターの両方が活躍している。それらも以前のエントリでご紹介した通り、不満のない音で鳴らしているシステムを支えている。デジタルアンプは特に今のストリーミングとサブスクリプションサービスによって、かつてのダビングやエアチャックなどの意味はほとんどなくなったから、録音機材への出力チャンネルはデジタル端子も含めて、持たないモデルでも困らない。A-H01は入力は本当に沢山あってこの値段でかなり立派な仕様だが、出力はスピーカーとヘッドフォンだけだ。それ故にA-1001のような古いアナログアンプは、私みたいな余計なことをやって遊んでいる人間には、やっぱり便利だ。4G/5Gの電波圏外で車で長時間移動するみたいなのは、今は、相当特殊な人種だろうなと思っている。まあそれなりの料金でSpotifyでもApple Musicでも、スマホがあればネット環境がないところでも任意の音楽を持ち出せるのだけれど(実際にそれもやってる)、自分がGroove musicでリスト編集したデータの入ったSDカード(しかも編集のたびにバックアップを取ってそれも用意する)をカーオーディオにぶち込んで走り出す方が安心して音楽視聴できるという感覚はやっぱりカセット、CD世代なのかしらん。

 以上が、今手元にある手元の安美味ミニスピーカーとその周辺機器の話。専門誌やネットでの評価が高い高額製品は良い音に聞こえて当たり前なのだが、多くの中古モデル、値段が下がってきているものも、人気モデルはどんどん値段が強気になっている。
 オーディオ関係、安くて美味いワインを探して飲もう、みたいなのは、自分には必須の世界ではある。

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by complex_cat | 2024-03-02 14:41 | My Tools | Trackback | Comments(0)

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