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川面の下の猫の都〜dream therapy

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 幼い時から、一緒に育ち暮らしていた猫が自分より先に寿命を終える。我々、猫に比べれば平均寿命が何倍もある長寿族のニンゲンは、それを受け入れないといけなくなる。
 目の前で看取ったユッチの死が一番堪えた長男は、少々の落ち込みではない状況であったが、昨日、たまたま休みを取っていて、ある報告をしてくれた。
 夢でユッチに逢ったという話だ。まあ、夢に出てくることはあるよなって普通の受け取り方をしたのだが、彼の話は少し違った。
 こっちの方向に行ったら、多分ユッチがいるだろうと、能動的に探して、彼女がいる場所を発見して、会話までできたというのだ。彼は時々、今夢を見ているなと認識しながら、その夢の中で意識的に、これは夢だ、だから思った通りの夢が見られるように動くことができることがたまにあるという。

 私も、結構、不思議で楽しい夢を見ることが多くて、このブログにも何度か書いたことがある。チコも一周忌を過ぎ、ようやく私の夢の中にかなり啓示的に出てきてくれたりした。夢の中にいることを認識した上で、それをコントロールしようとしたり。私の母も、失踪したある猫に夢で遭って、「もう戻らない」という会話をしたと語ってくれた。ならば、この辺は遺伝的な脳機能の類似がもたらす技かもしれない。
 彼は、よく分からないがヨーロッパ的な街並みの中を流れる河の底にユッチがいるだろうという妙なインスピレーションを受けて、川にダイブし、そしてそこで、ユッチを見つけたと言う。ユッチは冠を頭に被っていて、どうやら水底に猫の国がありそこの王女か女王みたいだったようだが、そう言う細かい話は出てこない。重要なのは、そこに彼女が居て、会えたという部分だ、彼は彼女といくつか話をして、最後は人語を話してくれたという。
 水中で、居るはずだと思っていたとろこ、まさにユッチを見つけて叫んだため「ゴボゴボっ」ってなったところまで不思議にリアルな夢だったという。
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 彼女の死後、彼はずっとユッチに逢いたいと呟く日が続いていて、気持ちが沈んでいたが、彼女との会話ができた夢を話した時、少し楽になった印象があった。

 夢で逢えたら、夢の中で逢えると確信したら、夢の中で動いた。そして逢えたことが嬉しかったのだろう。

ラーメン赤猫 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

アンギャマン/集英社

★★★★

 話す猫と言えば、最近、ワイフがハマって買ってきてるコミック、7巻まで。人の社会の中で、人語を話す猫集団による(法人格取得した(?!)トラも1頭、チームに混ざる)、妙にリアルなラーメン屋とその運営やトラブルの話が進んでいると、いきなり猫のリアリティが混在してくる不思議なファンタジー。

 主体的に夢の中で夢をコントロールする話は、ニューエイジ・ブームの時にちょっとあったなって思い出した。そう'Senoi's dream therapy'だ。リンク先を見て貰えば分かるが、これはマレー半島の少数民族であるセノイ族が「セノイ夢理論」は、人々が悪夢や日々感じる恐怖を軽減し、喜び(特に性的喜び)を増大させるために夢をコントロールする方法を持っている、という一連のストーリーだ。
 著者である、G・ウィリアム・ドムホフは、その著作とそういったドリームワーク運動を立ち上げた。その後、心理学者パトリシア・ガーフィールドが『クリエイティブ・ドリーミング』 (1974 年)を夢を研究テーマにしていた著作として、書いた。結果的にガーフィールドはスチュワート以外にセノイの夢の実践について直接の知識を主張したため、G・ウィリアム・ドムホフの話のセカンド・オピニオンになった。
 曰く、「セノイ族は夢の解釈を子どもの教育の重要な手段として活用している。
 曰く、「セノイ族では、子どもが恐怖の夢を見た場合、大人はそれをポジティブにとらえ、夢を具体的に見るように教え、最終的には恐怖の夢を愉悦の夢に変える方法を伝える。」
 この関連の話については、1960年代の人間の潜在能力に関するムーブメントの一部として人気を博したらしいが、日本では、この著作が引き金となって、1990年代遅く、世紀末にちょっとだけブームになった。

 著者は、悪夢に苛まれる状況を変えるためのフィールドワークとして、セノオ族に逢いにいくわけだが、実際に、夢の中で自分の掌を見るという、実技的な話が書かれていて、私も当時読んだ記憶があるが、ちょっと興味深いものがあった。結局、関係文書を邦文で読みたかったら手にできるのはこの書籍だけだ。古本では、文庫本化されたものでも、とんでもない値段がついているが、Kindleでは750円で読める。

 ただ、パトリシア・ガーフィールドが、現地フィールドワークを行なってから数十年の時間が経っている。それで何が生じるかというと、多くの人間が現地に似たような目的の取材や観光に来てしまっている結果を受け取ることになる。彼等が海外からのセノオ族の夢に関するノウハウを聞き出してやるぞって意識満々のゲストと延々と接触することで、彼等が提示する話の中で、ウケる話とそうでない話の選別が進み、これは、ウケるツボ理解して話したり、膨らましたりするという状況に長期間置かれた可能性がある。ブームの波は何度か来ているから、この著者のようなゲストを喜ばす話ができるように既に変化してしまっている可能性は感じた。

夢を操る マレー・セノイ族に会いに行く (講談社文庫)

大泉実成/講談社

★★★

 しかし、「ミュータントメッセージ」のマルロ・モーガン同様、現実のSenoi族の状況が全く異なっていたりする情報が浸透していくと、全体綻びが生じ出して、この分野の話は、以降あまりブームにはならなかった気がしている。夢分析などをやっている人は相変わらずいるだろうけど、検索するとわかるが、セノイのセの字も出てこないのが一般的だ。
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 夢は、個人的なものであって、さらに、そういう夢をなぜ見たのか、その夢にどのような意味があるのか、なぜ、どうしてというのをあまり突き詰めない方が良いと思っている。長きにわたり言い伝えられてきた秘境的な知恵においても、夢にしつこくコミットしたりするのは、提唱されていない気がする。神秘体験と共に、いつか忘れてしまうのが良い気がする。自身の感情の整理に機能する場合も少なくないと思っているのだが、やがて、そのプロセスがあったことも忘れてしまうぐらいがちょうど良いのだと思う。長男は、良いタイミングで、良い夢を見たのだと思う。私も夢で、変わらないチコに出逢った。長く一緒に暮らした相棒だったから、そういうことはあってもおかしくはない。寂しいのは、もちろん変わらない。


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by complex_cat | 2024-05-16 09:11 | Cat Family | Trackback | Comments(0)

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