とりあえず、カセットデッキに関する参考サイト(随時、補足更新予定)
なお、ここは英語版(
Audio Database)もちゃんとあって、そちらも基本同じだと思うが、ひょっとしたら海外流通モデルとか微妙に重ならない情報があるかもしれない。
https://audio-heritage.jp/AIWA/player/index2.html
SONYの下請けメーカーだったりしたが、カセットデッキメーカーとしての矜持は深く、いくつも高級機、高性能機を出している。
XK-S9000は、ダイレクトドライブでない機構でワウ・フラッター0.018を達成したモンスター。今のカセットデッキや新製品のカセットプレーヤーが辛いなあと思うのは、時代が違うとはいえ、こういう技術力の消滅そのものを感じてしまうから。現在の AIWAは、全く異なる会社が複数ある別のブランド名継承会社。
カセットデッキについては、NakamichiとAIWAだけは別格という方が少なくない。私はラジカセなどしか縁がなかったが、非常な意地と矜持、真面目なメーカーという部分で、適当なものを作っていたら生き残れないという部分を感じるものを作るメーカーだった。評価の高いものは、球数の問題もあって、高額で、良い生き残り個体とは縁がないので、深く思い入れのある表現では語れないのが残念だ。
現在まで続くブランドだが、SONYに完全に吸収されたのち、終焉し、その後二つめの企業に現在はブランド名が使われているが、昔日の栄光とは全く関係ない企業となってしまった。
https://audio-heritage.jp/AKAI/player/index3.html
こちらもカセットデッキ一筋と言って良い、専門メーカー。オーディオ分野のパイ縮小で、三菱ダイヤトーンと一緒になったのが
A&D。そちらでも評価の高いオープンリールからカセットデッキ、総合的なテープレコーダーメーカーと言える。
1991年発売のGX-Z5300とか、3ヘッド、クローズドループ・ダブルキャプスタン方式で、バイアス、レベルのマニュアルキャリブレーション、dolby B/C、dolby HXプロ搭載、30曲飛越の選曲までてんこ盛りで、当時の定価50,000円を切っている。でも作りや耐久性、過去の名機と比べた音質スペックそのもの(ノイズリダクション外してノーマルテープで試す)と、そんなには進化していないし1990年代以降は、個々のメーカーに限らず国外外注依存が増え、昔日の日本生産モデルの優秀さと比較して、フリークからの評価は辛口になる。
上記の話どおり、当時、カセットデッキというカテゴリーが限界を迎えているのを感じる。他社製品だとKENWOOD KX-4520などが類似スペックと価格の製品。Super GXヘッドを持つ機体は、今も燦然と輝く、このブランドの遺品。オープンリールメーカーとしてだけでも、現在ATR MagneticsやRTM Industrysが維持している市場に生き残れなかったのは、とても残念だ。デジタルオーディオメーカーに移行できたTEAC/TASCAMのなどとも世帯が違っていたのだろう。
https://audio-heritage.jp/LUXMAN/player/index.html
カーオーディオ、カーナビ、カーAV、複合商品のALPINEとLUXMANとのコラボ製品としてのカセットデッキ。当時、LUXMANファンは、気になったかもしれない。球数は出ていないと思うし、私も縁がとんとないので、コメントは難しい。ただ、どのカテゴリーの製品も、このブランドのハードウェアを手に入れて完全メンテしたならば、それなりの音が引き出せてガッカリすることはないと思う。自分には資金的に余裕のある人のオーディオ好事家のアイテムという印象はあるが、むしろここのメーカーのカセットデッキにわざわざ手を出す必要は、LUXファン自身にはないという気もする。
https://audio-heritage.jp/AUREX/player/index2.html
なんと言っても原発まで作っていた巨大な総合電機メーカーを母体とする巨大グループ企業のオーディオ部門の会社(だった)。dbxと並ぶダイナミックエクスパンジョンタイプのノイズリダクションシステム、adressを内蔵モデルを普及価格から上級機まで出したりしていた。実家にPC-X60ADが置かれていて、当時ヒスノイズの低さは驚愕もんだった。高級オーディオではないけど、CD内蔵Bluetoothプレーヤーや普及価格の小型カセットテーププレーヤーなど現行商品もちゃんとある。後者は、スペックとしてはWalkmanの代わりにはならない別のカテゴリー商品。
https://audio-heritage.jp/DENON/player/index4.html
1939年(昭和14年)に設立された老舗のオーディオメーカーと言って良いと思う。その後日本コロムビアの音響機器事業のブランド名として、ファンも多いオーディオメーカーだった。1980年代までは、ダイレクトドライブ、dolby C搭載のそれなりのカセットデッキも作っていた。私は特に気を引いたモデルについての知識はない。
ただ、1987年発売のDR-M27HXなどは、値段を見ると値段は中級の少し上だが、スペックはものすごく高い。現在まで続く総合オーディオメーカーとしての矜持はずっと続いている印象。
https://audio-heritage.jp/LO-D/player/index2.html
グループ会社はスパコンからオーディオ民生品、ホーム家電まで、かつては総合エレクトロニクス機器の大会社で、オーディオに投入された資本も半端なく、このカセットデッキ部門も全盛期には、かなり数も多く、エポック製品が目白押しだったが、1980年代中期以降、新規で目を引く高性能モデルは出なくなっている。ただ、ダブルカセット、MD機の時代まで、製品群はちゃんと音楽録音用デッキの終焉期の最後まで続いている。巨大グループ企業のオーディオ部門は、母屋が苦戦していった結果、最終的にはここのオーディオ部門は東芝などと同じような末路を辿った。
https://audio-heritage.jp/NAKAMICHI/Player/index2.html
言わずと知れた孤高のカセットデッキ専門メーカー。音質では他を寄せ付けないと言われるほどの性能のカセットデッキと強固なファンを持つメーカー。
高額製品であるのはヴィンテージ、ジャンクになっても変わらない。簡単に手は出せない。身代つぶし。少し前に、1000ZXL Limitedがオークションで3,000,000万円で出されていた(今は少し値を下げて、2,000,000円になっていた)。海外のフリークも強力。そのあたりになると、個々の製品でもマニアの優劣評価がシビアで、怖い。適当なモデルをなんとか手に入れて、私のなんか、ただNakamichiってロゴがついてるだけですわ、でへへへへって言ったりすると、また叱られたりするので、手を出すのはやめておく。経年劣化におけるアジマス調整がここまで影響すると分かっていて、自動チューニングまで搭載したメーカーだったが、高額で大切にされていても経年劣化に強いということではない。それだけメカニズムや音質のためのディスクリート回路が、経年劣化に対応するのが難しいほど懲りすぎていた結果ではあると思う。
https://audio-heritage.jp/ONKYO/player/index2.html
製品数は多くはないが、カセットデッキに注力したのは1970年代後期から世紀末まででかなり頑張ったメーカー。1990年代、最後の方は、ミニコンポ型で音質の良いアンプ、CD製品との組み合わせるため、奥行きを伸ばして縦横サイズを縮めてデザインを合わせたハーフサイズのトレイ型の製品になる。トレイ型は、カセットテープの顔が見えず、またトレイの引き出しメカニズムでゴムベルト切れなどのトラブルが多いので、私は好きではないが。
安価で質の良いオーディオにシフトして頑張っていたが、オーディオ機器の名門は大阪地方裁判所に破産手続き開始を申請し、破産手続き開始決定を受けた。スピーカーはお世話になったので、悲しい。昔日の洛陽。
https://audio-heritage.jp/PIONEER-EXCLUSIVE/player/index2.html
SONYと並ぶ安定したオーディオ・ビジュアル製品のメーカーだった。かつては「サントリパイ」(サンスイ、トリオ、パイオニア)の通り名通り、オーディオファンには無視できないメーカーだった。1976年販売のCT-8は、当時のオーディオブーム黎明期で評価の高い標準機で、よく売れて、その当たりから評価が確定した感がある。
最後は、1990年代末に、デジタル入出力を持ったデジタル時代に繋ごうとしたT-D*シリーズを出すに至る。普通、どのメーカーもディスクリート全盛時代よりもこの時代のものはスペックが落ちているが、そういうこともない。きっちりデジタル録音機器のスペックまで周波数特性を確保している。
https://audio-heritage.jp/SANSUI/player/index3.html
黒い筐体のプリメインアンプは評価が高く売れたゆえに、下手なものを作ればアンプで得たメーカーのの評価に跳ね返る。自社でそれに相応しいモデルということもあるのだろう、全体機種は少ないが、評価が高い製品もある。中古の球数としてはシビアなので、状態が良いものはすぐに落札されていく。面白くユニーク開発能力のある企業だったけれど、経営トップがおバカをやって潰してしまったもったいなかった会社でもある。
https://audio-heritage.jp/SANYO/player/index.html
1970年代、各メーカーが、オーディオブームの波に乗ろうと圧倒的な資本を投入し出して、競争が激化した時に、カセットデッキの開発生産も終了させた。レアなモデルの収集品的価値しか見出せないが、当時の音を知る上では、完全動作品があれば、貴重かもしれない。R-5500とかはspecは低いけれど、音の良い名機と言われていて、その後、高音質オーディオのガチ勝負からは比較的早く撤退したが、ヒット商品ラジカセU4などを支えた技術とは繋がっているとは思う。
https://audio-heritage.jp/TEAC-ESOTERIC/player/index2.html
カセットデッキに注力したメーカーの特徴として生録機がラインナップの歴史にあることが一つ上げられるだろう。SONY、Victor、Nakamichi、電池駆動もありというモデルならYamahaなどもあるが、生録機としてのカセットデンスケは、TC-2890SDで評価が確定したところがある。最終型TC-D5Mは、今でも状態の良いものは、高額だし、ジャンクも修理対象で値段が下がらない。ビンテージ人気というだけではなく実用機的にも、十分使える。M付きのほうじゃないTC-D5も音質は驚異的に良い。
据え置き型では、1976年のTC-K7がnon dolbyで使った時の音質の良さからリファレンス機となって、友人はまだこれを使っている。その後、三桁シリーズでは中級機の上555系が1993年発売のTC-K555ESJまで長く続いて、今でも評価は高く人気がある。
現在ワウ・フラッタも周波数特性も性能が維持されているTC-K555ESIIの廉価版タイプのTC-K333ESの個体が手元に来て、自分の持ち物の中では一番マトモなカセットデッキとその録音テープを手に入れられるようになった。このシリーズはモデルの年代で見事に基本スペックの壁みたいなものがある。1990年代に入るまでは、TEACみたいに古い年代のが異常に性能が良いモデルが合ったりする逆転現象はあまりない気がする。シリーズ後年型が良いのは当たり前だが、状態と中古の値段を勘案するみたいなことにはなる。
https://audio-heritage.jp/TEAC-ESOTERIC/player/index2.html
ここが業務用、民生用とも、最後まで「カセットデッキ」を生産、販売していた。最近のモデルは、恐らく国外のラジカセモジュールと変わらないスペックのもので、まあ、ラジカセだと思えばカセットテープの視聴は可能だ。全盛期の日本メーカーのラジカセのレベルとは違う。
同社の業務用録音機材のブランドTASCAM112MKIIの生産販売が終わったときに、実質的にここの名機C-3からの系譜が消滅したと見るべきかもしれない。因みに、本当の意味での3ヘッド等メカニズムを踏襲していたのは、122mkIIIではあって、その生産終了したのはもっと前なのだけれど。
名機は多いが1970年代後期のC-1/C-2/C-3の系譜と、その後のCDの長時間視聴に対応できるよう、基本スペックや音質で不利なので、マニアは避けたがるオートリバースモデルをたくさん生み出した。最終的には民生用としては、左右対称レイアウトのVシリーズにDolby Sを載せたモデルを1990年代まで製造販売していた。
私はC-3を所有していたことがあって、ワンモーターマシンではあったが、音質的には今でも評価されるマニアが多い。
それでも1990年代前後では、コスト減少のためディスクリート回路のIC化と国外への外注が進んで、値段と重量を抑えることについては、Specからすると1970年代後半から1980年代前半のおおよそ半分ぐらいになっている。ここは長くカセットデッキを作り続けたので、そのあたり顕著に学習できるモデルとなっている。
IC化は、軽量化とトラブル防止には寄与したが、基となるディスクリート回路の出来いかんでは、音質低下が避けられず、口さがないフリークにはこの時代の機体はディスられることになった。現在3head機のV-3000とオートリバース機であるR-616Xを所有している。中古としてはマシな状態だったと思うが、V-3000はアジマス調整しても高域のスペックがちょっと落ちていて、音質的にはSONY TC-D5の方が上に感じてしまう。この機種はTEACフリークからは全く評価されていないので、そんなものかもしれないが、ヘッドの摩耗の影響かもしれない。どうやらこの時代のヘッドは内部が弱いようで、摩耗がなくてもスペックが出てなかったりする。しかし、普段の視聴に使っていたら耳が慣れてしまった。今どきの中高域の音圧と解像度の高いイヤーフォーンで視聴すると、この欠点は全く気にならなくなるので、そんなレベルではある。
https://audio-heritage.jp/TECHNICS/player/index2.html
縁がなかった。アンプからスピーカー、純粋オーディオ製品については、本当にほとんど縁がなかった。私はそれ故に語ることができない。今回中古オーディオで、何か手に入らないかと思ったりしたが、私の場合、リニアトラッキングLPプレーヤー(三台手元にある)以外は、私の中の情報が更新されるきっかけは今のところ全くない。その出来の良さもあるし、当時、大きな資本を持った電気製品メーカーであったゆえに、かなり攻めの製品を出していたし、否定的な印象は全くないメーカーではある。
https://audio-heritage.jp/TRIO-KENWOOD/player/index2.html
2headデッキだったり、ダイレクトドライブでなかったり、クオーツでなかったりしても、性能がものすごく良いモデルがあったりして、ここも、プライド高きメーカーだと思う。ユニークで、先進的なメカをいち早く採用して、老舗に対しても絶対性能を誇ったりするだけではなく、オーディオ誌でベタ誉めされたりする名機をもいくつか輩出していたメーカー。コストダウンのさじ加減も、中堅メーカーらしくかなりよく考えられていて、コストをかけたモデルでは、絶対にポイントを外さないようきちんとしていたり、侮れないメーカー。
現在も、カーオーディオではちゃんとしたブランドとして存続しているところも偉いのである。
https://audio-heritage.jp/VICTOR/player/index2.html
キャプスタンのダイレクトドライブをいち早く採用したメーカーで、実際に当時ワウフラッター性能が化け物のモデルを作り出していた。ワウフラッターだけでも、高性能でピシャリとしていたら、音質の乱れ、変調ノイズは普通は人の耳では簡単には感知できないから、エネルギーを投入すべき部分がよくわかっていたメーカーだったと思う。それ故、当時他社も慌てて、ダイレクトドライブ機構に追従するしかなくなった部分がある。私は今でもDDを冠したモデルには敬意を払いたくなる。
ANRS、SuperANRSなどノイズリダクションシステムには、独自のテクノロジーを注いていて、効果は抜群だったが、NRの共通規格競争の敗北という部分では、これも一つの事例となってしまった歴史部分。Dolby Cの後は、そちらを採用していくしか無くなったのも辛いところだったと思う。生録機でも定評があるモデルを作ったり、とてもひたむきな開発をやっているなという印象の真面目なメーカー。最終的にJCVとなりKENWOOと一緒になり、メーカー名は消滅した。
中央部にカセットを置くレイアウトが一般的になる前は、カセット部分を右側に配置していた唯一のメーカー。なぜそうなのか、どこかオーディオ雑誌で読んだ気がしたが、理由はわすれた。
https://audio-heritage.jp/YAMAHA/player/index2.html
高性能でファンが多い。ここの音作りは合わない人はだめかも知れない。それくらい一つの理想を求めているという印象はある。実際ここのアンプの音は好きで、現在中級機をメインにしている。オーディオは見た目で音質の良さを感じる部分が少なくないが、その意味で、デザインの好みも大きいと思う。
ディスクリートの部品は、モーター内パーツとか意外なところが壊れる事があるから、全盛期の高性能機を手に入れるのはそれなりにリスクは有る。私はK-1000で酷い目にあった。KXシリーズが最終モデルの眷属だが、ダブルデッキKX-T900まできっちり性能を出しているのは流石と言える。
スピーカーの名機NS-1000M/X、NS-10などリファレンスともなったベストセラーアナログオーディオもたくさん市場に出してきた。総合メーカーでトップレベルの演奏家の楽器や数億のクルーザーまで作っている会社のオーディオ部門だが、ブランドイメージもある故に、手堅い商売もしている印象。デジタル方面へのシフトも明確故に、デジタルアンプ、AVアンプ、楽器や音楽制作現場とのリンクでデジタル資材も必然で、市場への対応は進んだ。1980年代後半以降はカセットデッキカテゴリー商品は終了している。ここのカセットデッキには高耐久性と位う印象はない。中古を手に入れるときには良い状態のものは少ない気がする。
メーカー別のコメントはこれ以外は、Marantzや海外メーカーに数社あると思うけど未完です。
なにか忘れてないかな。ささやかな忘備録でもあるので随時補足していくと思う。
基本自分用の覚書の開陳でもありますので、ご容赦ください。
2.カセットデッキ関連サイト、ブログ記事など
http://audiosharing.com/review/?cat=312
https://nishimurasound.jp/blog/
機種の情報量、カセットデッキ全般の知識とも圧倒的で、日本のカセットデッキフリークのリファレンスみたいな方。
https://audiof.zouri.jp/menu-kiki-3.htm
https://a-nkmr.com/archives/category/compact-cassette/cassette-deck
FA "カセットデッキなどという過去の遺物は今すぐ投げ捨てろ!"で有名なところ。
https://note.com/toby_nakamichi