カティア・ブニアティシヴィリ (Khatia Buniatishvili)は1987年6月21日生まれのジョージア出身のピアニスト。
簡単な来歴は以下の通り。
2008年 カーネギー・ホールでデビュー。
2010年 ボレッティ・ブイトーニ財団賞を受賞。BBCシリーズの新世代アーティストにリストイン
2011年 ウィーン楽友協会とウィーン・コンツェルトハウスにより2011-12シーズンのライジングスターとしてノミネート
2012年 エコー・クラシック賞で最優秀新人賞を受賞
主な共演オケは、パリ管弦楽団(パーヴォ・ヤルヴィ指揮)、ロサンゼルス交響楽団、ウィーン交響楽団、フランス国立管弦楽団(ダニエレ・ガッティ指揮)、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団等のオーケストラ
超絶速弾のテクニックを持ち、同時に叙情的な演奏、美形、妖艶なピアニストとして、アルゲリッチの後継とも目され、モデル活動、トーク番組、ドキュメント番組など多面的な活動でも有名になった。その結果、「ピアノ界のビヨンセ」と呼ばれたこともある。世界各地で演奏するアーティストであるが、Khatiaはプーチン=ロシアでは、演奏せず、プーチン支持のゲルギエフの指揮のもとでの出演も、断っているようだ。私が最初に知ったのは、2014年のiTunes festivalのそれだった。
オケとの演奏ではLiszt、Chopin、RachmaninovなどのPコンも有名だが、今回の材料、彼女のアルバムの一枚『ラビリンス』(Labyrinth)は、小品のピアノ選曲集で、1曲め『Once Upon a Time in America 』のEnnio Morricone -デボラのテーマだったり、Eric Satie - Gymnopedie #1やRachmaninovのVocaliseだったり、かなりポピュラー路線に振ったアルバムだが、ユニークでピアノ演奏曲選集としてはとても実験的な曲が入ってる。あのJohn Cage - 4:33だ。
もともとYoutubeでアップされているものはすべて視聴して同時期に現れたコケティッシュなYuja Wanともそのファッションやスタイルも含め演奏を愛されているアーティストだが、この曲が入っているとなれば、久しぶりにCDも買わねばって思った。その話をインスタでアップしたら彼女の友人にあっという間にチェックされたので、そのことも割とびっくりした。
VIDEO
Youtubeによくある、超絶速弾きの実力者、人気の二人の比較検証というよりは、2人分の演奏をまとめた動画だが、最後のボーナスに、Yuja & Khatiaによる、ハンガリー舞曲第5番の四手連弾が入っている。これは本当にボーナスだなって思った。
曰く「ジョン・ケージによるモダニズム作品」「1952年にあらゆる楽器、あるいは楽器の組み合わせのために作曲された。」「楽譜では、演奏者は3つの楽章を通して楽器を演奏しないように指示されている」「曲は3つの楽章に分かれており、それぞれ30秒、2分23秒、1分40秒続くが、ケージは後に楽章の長さは演奏者が決めることができると述べた。」「題名どおり曲は4分33秒演奏され、周囲の音が演奏に貢献している。」「1952年に初演された「4'33"」は衝撃と幅広い論争を巻き起こした。多くの音楽学者が音楽の定義を見直し、ケージの作品が音楽の資格を有するのかどうかを疑問視した」「観客の沈黙に対する態度を試し、絶対的な沈黙は存在し得ないことから、あらゆる聴覚体験が音楽を構成し得ることを証明しようとした」
つまり、演奏者は無演奏で演奏し、その時間内に発生する音はこの作品演奏の一部ということだ。
さて、空気録音による演奏中のノイズは、この演奏の波形を見てみると、終始極小である。演奏者は一流であれば、シンフォニーやコンチェルトなど、自軍が演奏しないときに、音を立てないなど、基本的能力だから、Khatiaがこの演奏に挑んでも難なくJohn Cageの指示の通りの演奏など容易いだろう。ライブではないので、当然どこかのスタジオでのオーディエンスなしでの演奏のようだ。録音ノイズか静寂の中のバックグラウンドノイズレベルだなっていうレベルでざわざわまでいかない 4'33"が終了する。あるいは、呼吸音すらたてないで彼女の演奏に耳を傾けている超一流のオーディエンスか。
しかし、ハッと思いついて、別の方法で「視聴」視聴してみたところ、この演奏には、多分、彼女が意図しての仕掛けが入っていた。意図してなかったとしたら、それはそれですごいなと思った。
Khatiaの「John Cage - 4:33」のスペクトログラムを見てみた。
あれま?って思ったのは、1分42秒あたりから、1,500~7,000Hzあたりに、なにか連続してソナグラムが入っているのが見える部分。MacでCanaryが動いている時代から、コウモリなどの超音波ソナグラム解析をやってきたので、こうやって音声データを眺める習慣があるおかげで、一発で見つけられた。もちろん超音波域ではないから、何かの音か、あるいは人、あるいは動物の声だ。 ここをフィルタリングとグラフィック・イコライジング機能を使って、他の帯域を沈めて浮き上がらせて、更に聞き取りやすいように音圧を数倍にしてみる。素のままでもかすかに聴こえるので、このCDのこの曲を4分33秒ちゃんと視聴した人は、気づかれた方は普通におられると思う。 果たして、聴いて一発でわかるような間違いなく数種類の野鳥のソングだった。まさか、ピピネラたちのオペラが入っていたとは。彼女の普段の活動中心はフランスなので、録音もフランスかもしれない。演奏場所の近くの鳥類のな着替えがかすかに入っていたわけだ。鳥屋さんで海外経験も豊富な猛者だったらスペクトログラムの波形と実際の視聴から、日本の近縁種、あの辺りの鳥類の種類は検討つくかもしれない。最初は、完全に種を同定してからアップしようと思っていた。とりあえず、日本国内じゃないので、ちょっと時間かかりそう。正体がわかったら、カテゴリーはWonderful lifeで上げようと思う。 残念ながら、この部分も鳥の声も、当然、麗しのKhatiaの作品で著作権かかる楽曲の一部だから、音声データ化してそれを人に聴かせたり渡したりするわけにもいかないだろう(私一人で視聴して個人の楽しみです、がギリギリか)。聴いてみたいならKhatiaのLabyrinth買おうぜ(DLでも)。FMでリクエストするとか。 音楽ネタ、音楽トリビアとしてあまりにも有名な曲だが、Amazonで「John Cage 4'33"」で検索すると、mp3でDL 購入できるものが幾つかある。真面目な演奏なのかよくわからないところがこの曲ならではだが、空気録音で、バックグラウンドレベルかその周辺で、どんな音が拾われているのか、まさかのカセットテープ録音でヒスノイズが入っているとか、ちょっと興味がある。でもKhatiaの演奏より、私がエキサイトする音が入っていることは、多分ない気がしたそのことも割と驚いた。幾つか上げようと思ったのだが、エキサイトからのAmazon検索では引っかかってこない。LP盤としては、ホワイト・アルバムならぬ、ホワイト・LPレコードのこれが、人気のようだ。5曲入っている4曲目。 追記ー久しぶりにこのアルバム、CD経由で、カセットテープに録音してみた。音源がピアノで、ワフフラッターとダイナミックレンジの性能確認にはとても良い。これをカセットテープデッキには、いつの間にかそれで音楽を流していても、違和感を感じない、レベルの性能は欲しい。 TEAC V-3000は特に国外のTEACマニアを落胆させた時代の、実売価格、コストがかけられなかったデッキなので、露骨に音源と同時モニターのヘッドからのレンジの寸詰まりの再生音を聴いて、失敗したかなと思ったが、アジマス調整して、3headでは絶対必須の消磁を行ったら、とりあえず、及第点の音になった。 また、PCでストックした音源はディスクを取り込んでるわけなので、クオリティ設定はMAXなのだが、その再デジタル化した音源より、どうやら良音に聞こえる。PCからのデジタル音源からのアナログ変換出力の性能はDACで変換しているわけd、私の使っているDACの性能は安価な製品である結果だろう。普段のBGMで流す程度なら十分なのだが、詳細にヘッドフォンで音質確認すれば、差は明らかになってしまう。手元のCDプレーヤーも安い製品だからあまり差は出ないと思っていたのだが。今の装備だと、PCを介さずCDかカセットに入れる方がまともな音で入るようだ。