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徳之島

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 徳田虎雄氏が亡くなられたとのこと。今の標準的な医師などを頭において考えると完全に異次元の人で、エネルギー余りすぎてて、逸話を訊くと、ないわーみたいな冗談みたいな話も大量で、現在の定規で測っては行けない人なのかなと思ったりもする。私自身、徳田氏について特に何かを語れるほど知っているわけでもない。ただ、彼が離島・僻地の医療において、全く世界を変えてしまったことも確かだ。もちろん良い方に。

 なんとなく徳之島の画像を探していて、思い出しながら貼っておく。

 オビトカゲモドキは、こんなぶっ飛んだ爬虫類が日本の離島、しかも奄美大島や西表島ではなく徳之島2だけ生息する固有種だ。近縁種であるクロイワトカゲモドキは沖縄本島やんばるに生息するが、まあ、ほんと、生息も存在も奇跡みたいな生物だ。ワシントン条約関連附属書掲載種だが、ネット検索すると「値段」とか出てくるから、本当に腹立つやんけ。密猟したら市中引き回しの上、獄門磔になるので(何度もひどい密猟者を見てる方の中では、てなくらいの気分でいるひともいるはず。いるんじゃないかな。ちょっと覚悟しておいて)、ここにちゃんと記しておこう。


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 ヤンバルトサカヤスデは、外来種で、法面などに巻かれた土、肥料などの卵が入っていたりして日本各地に拡散していった。天然記念物などの調査で徳之島に入った年は、丁度、高橋尚子選手がオリンピック前の全日本の合宿で、訪れているときだった。ベースにした宿泊施設で、朝、バイキングに言ったところ、小出監督が既に食事をされていて、「やっおはようございます!」と声を変えてこられた。まあ海外のホテルでは、赤の他人に朝の挨拶しない日本と違って、”Morning!”などと普通に挨拶するので、それが標準になっていても国際的アスリート集団だと不思議はねーなーと思いながら挨拶を返した。
 この場でいきなりファンみたいなテンションになるのも変だし、キョロキョロもしないようにしていたが、さてそうなると高橋選手もおられるのだよなぁって思っていたわけで、ふと一緒に並んでいる私の前の小柄な女性に目をやると、まさに高橋選手その人だったりした。気がつくのにちょっと時間がかかったのは、想像していたよりも遥かに小柄で、調整前だったため、TVで拝見する精密機械のような戦闘モードとは、イメージが少し違ったためだ。
 で、ヤンバルトサカヤスデが何の関係があるかと言うと、そのホテルの壁にこいつが居たのでございます。そう、頼み込んで高橋選手等のサインもらうとか、一緒にショット取らせてもらうとかじゃなくてその時のホテルの思い出写真がこの壁に外来生物が壁に張り付いたヤスデなのである。あ、こいつだって。
 素晴らしい徳之島の思い出だ。

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 徳之島と言えば、農作物はサトウキビが有名で、本土からの距離もあってそれなりにかなり前から収益になっていた。日本のサトウキビは国際標準価格の数倍ということもあるが、このあたりまでくれば、このC4植物も、うまく育つだけの日射量はあるなと感じる場所だ。

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 現地リュウキュウイノシシの肉の即売所もある。切歯はこんな感じで、触れれば落ちるぐらいの鋭さに研ぎ澄まされている。以前、書いたけど硬いものをネズミがかじって歯を研ぐなんてことをしなくてもいいのと同様、伸び続ける無根歯は上下の歯をすり合わせて、メンテナンスされる。
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 頭骨には全体の半分以上が埋まっている。強度として万全である。襲われるときには太ももの内側、鼠径部を狙ってくる個体がいるから注意しよう。あと倒れたところを背中下から突き上げられてこの牙が刺さって肺に穴が開いたりするのは猟友会関係者のイノシシによる怪我の事例では時々見る。リュウキュウイノシシは元々そんなに大きな個体は居なかったと思ったが、現地のイノシシもイノブタの外部形質を持っているものが多く、豚との交雑化もあって大型化している可能性もある。豚の形質は形質はF1から消失するので、普通の人が見たらイノシシにしか見えないため、そのことが理解されにくい。
 農業被害はひどくて、狩猟圧がちゃんとかかってないところは、最大、昼間っから圃場に9頭出てきて荒らしている状況が撮影されている。

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私の大好きな花、ノボタン。点対称ではなく線対称の花。どこにでもあった花だし、今でも一応普通種だ。道路沿いにあったこれの群生地はかなり潰れた。宿の主人が、毎年やってきているお客さんから、宿の近くの海岸端の赤い花が無くなって魅力が一つなくなったと言われて凄くショックを受けたと言っていた。環境資源の消滅が地味にその島の魅力の喪失に関与してきていると宿のご主人が認識された瞬間だったようだ。何度もその話をされたので、思うところはあったのだろう。昔はねーもっと林もあったから島を渡る風も気持ちよかったんだよって、感じ取られている島の変化を話たりしてくれた。
 

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 山中、調査中のランデブーの時間待ちの時に撮影していたイトトンボsp.(アマミルリモンイトトンボ?)。
 徳之島は奄美などに比べると湿地は少ないが、意外と知られていないところにちょくちょくある。リュウキュウイノシシがヌタ場にしていたので、遭遇するかもなぁ思って時間を潰していたが、それはなかった。
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 ヒメハブについては、この島で一番の高密度地帯に降り立ったことがあって、沢筋を調子よく歩いていたのだが、目の隅にその特徴的な姿を捉えたので、やばいなと思って、そのままフリーズして一緒に居た仲間と確認したら、その最初に見つけた個体のそばに2匹、3匹、あれ5匹とか目に入りだして、10m四方の空間で、20匹を数えたことがある。本ハブはそこには居なかったが、奄美大島よりも遭遇頻度は高かった。ヒメハブは本来は小さなハブで単位量当たりの毒液のリスクは、ハブを超えるのだが、まあ小型なので注入される毒液の量がハブほど行かないから、リスクはハブよりは低いという話になっている。だが、これはかなり太い個体だった。

 徳之島の分は、まだまだあった気がするので、見つかったらまたエピソードとともにご紹介する。

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by complex_cat | 2024-07-18 01:50 | Nature Islands | Trackback | Comments(0)

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