この記事は、定期的にアクセスが上がってきていて、この自転車の評価記事として妥当なものだったと思っている。ただ、とても良いチャリンコだというのは、使い方次第だし、ある意味、多面的な評価視点がないとそう言い切れるかどうかは、難しい気がした。でも、私もオーナーの息子も高得点だ。
純粋ロード乗りの人にとっては、そもそもグラベルロード自体が、一瞬吹いたトレンドで異物かも知れない。
標準販売価格は77,000円に、いろいろ必要なものをつけて、消費税ついたら、それなりの値段になる。同じ価格を出すなら、年落ちのクロスバイクかロードバイクを探したら、中古でパーツ部分的に新調したら、結構名品が手に入る気もした。
しかしこのバイクは息子が毎日通勤に使うに正解だと思ったし、彼の実感としても選択は間違っていなかったようだ。
①経年劣化を心配しなくても良いクロモリフレームは強度と重量の絶妙なバランス。
②都市部でのラフなルートハンティングや夜間走行でもリスクが少ない太厚のグラベルタイヤ(ブロックタイヤでもないので摩耗の心配少ない)
③チェーン落下リスクが少ない特殊仕様の「ナローワイドチェーンリング」
④中級クロスバイク並みの本体価格
⑤駅前の駐輪場に停めても他の軽快車、ルック車に溶け込むが単体で見ると十分に魅力的なクールなデザイン。
⑥節度よく仕事しているスポーツ車としてのmicroSHIFT社製9sのシフターと英式バルブとリファインされたTektro miraディスクブレーキユニット
どれも市民の生活の足を作ってきたメーカーの知恵や意識、矜持や戦略を感じるものだ。
どれも相互に関係しているが、④と⑥は密接で、Shimanoの一強は、多くの日本メーカーの轍を踏まないようにしてきた練られた戦略が今も機能している結果だが、それ以外の低価格帯の部品供給を行う新興(でもなかったりするが)メーカーの技術やパーツの性能が上がってきている結果で、より安価だが高性能のバイクを組み立て類はそちらの利用しか無いだろうという話が、バイク界隈ではよくされている。
リムブレーキの未来について語る自転車フリークの動画を見ていて、その長所を聞いていると、ああ、絶対的な軽さや、雨天時の制動力など意味がない(乗らないから)みたいな会話を聞いていて、このバイクの存在はその真逆だと思った。
私もそうだったが、ロードの巧者からは程遠い人間にとっても、ディスクブレーキのグラベルロードは、都市空間のイレギュラーな道路状況に、神経を使わずに乗れる圧倒的な走破性と操縦安定性、ラフに引いてもタイヤも負けず、ディスクブレーキを支える制動力など、ピュアなロードバイクというもののステージに乗る気がないし乗ることもない。TCX Ad pro2は私にはベストの選択だった。
このミヤタのグラベルロードは、雨天時乗ることがなく(つまり通勤に使わない、使っても限定的。コンペティション用の勝負バイクは別に持っていて間違っても普段乗りに使わない)、ディスクブレーキ大嫌いみたいな純粋ロード乗りには、セカンドバイクとして進めるぐらいだけれど、多分そういう人は、道具性としてもあまり好きではないかも知れない。ディスクブレーキの安定した制動力はある意味感覚が狂うと思う。
雨天時ロングランした時に、フォルダーにはめてあったツールキットの中身が雨で濡れて全部錆びたのを機会に、バイクマスターに「こういうのどうすればいいのでしょう?」って聞いたら、さっとこのゴムリングをはめてくれた。これだけのことでキャップも普通も閉まるし防水効果完璧で、以降問題なし。こういうのも知ってるか知らないかで大きい。 チェーンやスプロケット関連は持ち歩かないし、パンク用のガス入れなどは別のところに入っている。あくまで、輪行や通勤時の最低限。雨の日もレインウェアを着て、最寄りの駅や職場まで走るみたいな人向きだ。考えたら『のりりん』の主人公とヒロインはストイックにレース用に作った唯一のバイクも、通勤(LITESPEED BLADE)通学(KESTREL 500EMS)に使っていたから、勝負バイクが通勤用でもある設定。そういうスタイルの人も居るかも知れない。流石に100万超えるバイクで通勤はないかもしれないが20万越えぐらいならあるだろう。
値段が上がり、経済は厳しく、いろいろ価格が面倒になってる。会社と自宅(家屋内)なら、コンビニになどに立ち寄らない限り盗難リスクは低いだろうし。
ディスクロードも、キャリパー絶対の軽量ロードも、シクロクロスもグラベルロードもクロスバイクについての知識もなく、とりあえず前傾きついけど慣れるからなんとか乗ってみるかなみたいな人で、路上のルート・ハンティング含めてそこそこの力量しか無いけど、都市のイレギュラーな凹凸を縦横無尽に対応せざるをえなくて、安全に目的地にたどり着く。ママチャリよりは巡航速度は確保したい。そういう人には向いていると思う。クロモリ性というのも、ママチャリ同様、経年変化やストレスによるアルミのような破断トラブルなど考えずに済むのが当たり前、みたいな人には確実な選択だと思う。
いわゆるスポーツバイクを通勤に使っていると、チェーンカバーが欲しくなるほど汚れるし、チェーンがケースに収まっているママチャリというのはよく出来ているのだが、そういった「性能」を、確保しようとするとある意味大変で、スポーツバイク足り得ないものになってしまう。息子にはチェーンクリーナーと頻繁なオイルメンテを勧めるしかなかった。彼の通勤距離は私よりもずっと長いので汚れも激しい。
とりあえず、雨天巡航の彼のために、フェンダーは後付した。私も昔からお世話になっているメーカー製品だが、違和感もないし、効果も十分とのこと。こういうのも純粋ロードの人は抵抗があるのだろうなと思うので、道具性と機能で割り切って単純に自転車に乗れる自分たちは特殊かもしれないが、まあお気楽だ。ただ、そういう生活実用品としてのバイクに軸足が乗っているユーザーだけを相手にしていても、ならばママチャリ乗っておけみたいな出口になりそうで、ツールの動画見たりする世界とは隔離されてしまうし、バイク市場はここまでは広がらなかったろうから、色々難しいなと思ったりしている。
自分の方はあまり乗らなくなったMeridaのクロスバイク。息子のセカンドバイクに移行するつもりで整備中。やはりグラベルロードといえどもクロスバイクとは戦闘力が違うので、26インチのGIOS LEABEが朝の通勤時間にはまだるっこいと感じるようになったようだ。700cならまだマシだろうということで、委譲することにした。自転車は乗っててもらった方が良いから。 このモデルは、純正フォーク→前後油圧ディスクブレーキ化と29インチのサスペンションフォーク→再びリジッドフォーク。という状況。少し小柄な息子が乗る場合にも対応できるフレームを選んできたのが、ここで伏線回収。
関連記事Edit | Del・・Edit | Del フロントのディスクブレーキはオイル抜けしただけではなく、腐食が広がってしまってあまりにも劣化が激しいので、丸ごと交換することにした。贔屓にしていた中古自転車パーツのネットショップが、その営業を辞めていたり、自転車パーツも金額が上がっているのを知って、いろいろ複雑ではある。