この話題になると毎回猫とカセットデッキの生成画をアップしてる。単純に「チコたちとカセットデッキ」みたいな画自体も、今は撮影できないと思うとなんとなく気分が辛いなと思うのを穴埋めしているだけという至極つまらない理由からだ。 奥さんを亡くなられた以降の生活も含めてAIで再現されてる方の話があって、SNSでも色々意見が出ていた。私の表現したいことは特に「今でも続いている疑似チコの生活」ではないし、耐えられない渇望みたいなものでもないはずなのだが(妻や子供ではない猫だから当たり前だろうという意見をいただいても別に構わない)、ちょっとだけその人の気持ちはわかるとだけ。 ImageFX、ほとんどの生成AIが謎の物体にしてしまっていた。カセットテープを見事描いてみせた。サイズもリアル。「カセットデッキ」の方はギリギリの及第点。少なくともこれまでのAdobeや有名どころの生成画なんかよりはよほどマシ。もちろんこんなカセットデッキは存在しないのだけれど、970年代のフラットベッド型と正立型のハイブリッドみたいな不思議なデザイン。他のものも、今、描かせたらいけるのかな。進んでるとは思う。しかし、デフォルトで簡単に描けていたチコ柄の猫を描くのに全部失敗している。
実はカセットデッキに関わるシリーズのエントリの中で#2のエントリが、かなり長い期間、非常にアクセスが多くて、どこかに紹介記事でもあるのかと思ったりしている。一番網羅的に中古カセットデッキを手に入れる場合に、必要だと感じてもらえる内容が多いからなのか、私自身よく分からない。ただ、冗長だけれど1エントリで、色々確認しようとする人には一定の知識がない特選するとは思いつつも、案外便利なのかも。 特にカセットデッキなどを手に入れようとする人たちにとって、どんなに良い資料でも、複数の動画を視聴したり、データベース的なurlを網羅的に読むのも、かなり面倒な話だろうなと想像したりする。忘備録的な意味も自分にはあるのだが、悪文気にせず好き勝手にだらだら書いているので、態々読みに来られた人には、少々申し訳ないなと思っている。それもあって、この補足とまとめを書こうと思い至った。 要旨にまとめるのも凸凹あるし、情報も抜けるので、思いついたらまた、#番号で記事を増やすか、あるいはここに書き足そうと考えているけど、気がついたらここも、ものすごく冗長な記事になってしまうかもしれない。それも私らしいところでしょうがないのだ。
それでは以下にアブストではないアブストを。
現在のカセットデッキを取り巻く状況
・カセットデッキを手に入れて音楽を視聴しようと思った前語り。・カセットデッキを作っていたメーカー別の寸評。
中古カセットデッキを手に入れるための基礎知識
・カセットデッキに内蔵されたいくつかの機能、特にカセットテープのヒノイズ現象のためのノイズリダクション・システムの違いや性能について。・現在ではDolbyCまでが搭載されているモデルが一番、選択の幅が広いし球数も多い。・現行製品までその性能の限界の理屈とともに網羅的に紹介。・長すぎてアブスト書けない。暇な人は読んで。
現在のWalkmanタイプのカセットプレーヤー
・小型カセットプレーヤーFIIOについてのまとめ。・それなりに高性能なカセットデッキでオーディオ視聴用カセットテープが手に入ったら、かつてのウォークマン的な楽しみ方をするための話で、#6の前哨戦的なエントリ。
中古カセットデッキのアジマス調整、メンテナンス周辺
・本来の性能を発揮させるためのアジマス調整の具体例・他に音質に関連するメンテナンスについて重要なheadの消磁について、現在手に入る消磁器とその使い方など。・更にヘッド、ピンチローラー、キャプスタン周りのクリーニングの話。
廉価イヤフォン性能とカセットデッキをカセットプレーヤーにする話
・アナクロなカセットデッキと最新の高いCPをもった超廉価なイヤーフォンの組み合わせによりテープ視聴ができる。・カセットデッキのヘッドフォン・イヤーフォン出力は最低限の装備だが、当時でも特に高級機はそれで録音テープを視聴されることも前提で作られているので、この2つの組み合わせでそれなりに音楽を楽しむことができる。・現在のイヤーフォンの周波数特性などを見ると相当良くできている。この部分の補足として、以下の姉妹エントリーも参考のこと。「安旨オーディオ紀行」「安旨オーディオ紀行〜補足」「安旨オーディオ紀行〜補足#2」
再度Walkmanタイプのカセットプレーヤーと性能が圧倒的な代替のポータブルカセットデッキ
・ウォークマン及び類似製品(ヘッドフォン、イヤフォンで視聴する小型化ステレオカセットプレーヤー)の代替製品として、現在FIIO CP13が最右翼。ただ、走行性能は、モーター含めて失われた技術なので、カセットデッキの代わりにはならないが、高性能機で録音されたテープなら、それなりに視聴できる。内蔵オペアンプは、ウォークマン全盛期よりも性能は上。 ・カセットデッキには複数電源に対応した電池でも駆動できるモデルがいくつか作られていて、重さは5kg台で、なんとか可搬してどこに持ち出してもカセットを視聴できる。・全盛期のウォークマン及び類似の製品は、ほとんど当時の性能を維持できていないか、ジャンク。メンテなどで現在でも使い物になる個体は、オークションでも一桁違う根付になっていて、それよりは数万で高性能カセットデッキの良い個体を探して、テープソースを活かすのなら最近のポタオデに対応することができる。
ワウフラッターと中古カセットデッキ選びとチェック
・カセットデッキの性能や音質は、時間軸の変調ノイズ(ワウ・フラッター)と周波数特性の性能が十分に達成されたモデルでかつ、それが現在も維持できている個体なのかをチェックすれば、ほぼ明確にできる。・それらは今どきはフリーのアプリと簡単なPC⇔カセットデッキの接続で確認できる。その場合、できれば3head機ならば、とても楽だし、自分の耳でも音源との差をチェックしやすい。2head機でも、可能である。・それらを手に入れた個体について確認する。ワウ・フラッターは、低ければよいが、安定して0.05%未満なら、ソロのピアノ曲でも、スピーカーから流す限りデジタル音源と区別できない人のほうが多い。・周波数特性は、今はノーマルテープしか通常の販売品では手に入らないので、20~18,000kHzあれば上等。メタルテープが手に入れば、全盛期の高性能モデルなら20,000kHzを軽く超える周波数特性が示されるはず。
中古カセットデッキ選定の要件に関する注意事項
・カセットデッキの機種と製造年代は、現在の性能を推察する上で重要な要素。・ヘッドの劣化は片減りだけではなく、内部が劣化していることもある。・メンテの話。PCアプリを使ったアジマス調整の情報について収集し、走行系はやはりワウ・フラッターにて測定することができるので、その辺りから本来の性能がどれくらい維持できているか、メンテが必要なのかなどの情報が得られる。問題が生じているものは、普通のレベルでは手に負えないので、さっさと処分して次を探した方が、楽である。・高性能と言える性能で現在もそれが維持できている機体の要件は大体以下の通り。このうち、3、4あたりは、特に無くてもそれなりの高性能と言えるモデルは実在する。コンディション次第。1. メタルテープ対応の製品2. 高音質、耐摩耗性と3headの製品3. キャプスタンのダイレクトドライブモーター(更に言えばクオーツロックの製品)4. クローズドルーブダブルキャプスタン方式の製品5. 周波数特性がノーマルテープでも高域18,000Hzを超える製品6. dolby offでもSN比が60dBに達する製品7. 当時の定価が80,000円を超える製品8. アンプがDCアンプ構成になって以降の製品
個人的な中古カセットデッキ選定の要件と流れ
・どんな製品でも良いが、カセットデッキ全盛期で高性能と言えるモデルで、不満が生じにくい個体についての要件は以下の通り。数値は大体の目安なので、少しは落ちても構わないが、以下の要件通りなら不満はないだろう。要件a) アジマス調整ができている。要件b) 周波数特性が-20dBのホワイトノイズ録音において、ノーマルテープで18kHz、クローム、メタルテープで20kHzまで届く。要件c) テープ走行が安定しており、ワウフラッター性能は0.05WRMS以下。・要件a) は調整されていることが前提、要件c) は時間軸に対する変調ノイズ性能。・周波数特性はPCアプリでは、Wave Gene1.40かAudacityがフリーで使える。・アジマス調整なら、古いアプリだがWaveSpectra Ver. 1.40ならフリーで使える。
ラジカセの話。私流ラジカセ的高音質カセットテープ視聴の方法・ラジカセは、全盛期(1970年代後半~1980年代)には、音楽視聴のガジェットとしてずっと光の当たる舞台に置かれていた。・ごくごく一部だが、カセットデッキに性能(主に周波数特性やワウ・フラッター)を肉薄させようとしたような製品もあったが、それは例外だったかも知れない。むしろそれは一般的なラジカセの音というのが、ユーザーに受け入れられていた結果だと思う。・とは言っても、今どき売られている新品のラジカセ製品よりは遥かに高性能かつ安定した性能のものだった。・例えばSONY FC-1980などは、1974年というカセットデッキについては黎明期のラジカセだが、モノラル録音再生で、カセットテープをアマチュアが音楽録音、編集に使うモデルとして大ヒットしたものだった。数値性能はそんなに高くないが、壊れない、当時にあっては大きな音量で視聴してもそれなりに聴ける「ラジカセ」であった。・しかしそれは日本の誇った下町の工場の職人的努力により電子制御と機械制御のハイブリッドメカに適合できる部品を作り出せていた結果なので、すでにオーパーツ化してしまった。・今、新品で手に入る道具は、残念ながら当時のユーザーがノスタルジーで視聴する道具だ。・その後1970年台後半から、「カセットデッキ」というより高性能なオーディオ装置の一角を担う高性能機に耳目が向く地ならし的なエポックでもあった。・現在のカセットデッキ、カセットテープの録音再生ができる現行製品は、かつて、性能を誇った製品の音質からは遠く、もはや手に入らない。・少なくともワウフラッターは感知限界の0.1よりも高く、周波数特性も10,000kHzまでも伸びない性能が今の「カセットプレーヤー」の標準。・そういう前提のものだが、ある程度評価の高いラジカセは、中古個体でも非常に高価で、そういうものにお金を出すくらいなら、程度の良い構成のカセットデッキからBluetoothかLine出力で飛ばしたものを、ハンディなCD、DAC等内蔵した「ステレオラジオ」で視聴する方が、カセットのポテンシャルを引き出せ、音質も良く、日々の音楽使用に、まだまだ耐えると思う。・現行のラジカセはオペアンプの性能は上がっていて、ハイレゾ対応のものもあ理、音源が、CDや外部入力なら十分な音質が見込めるが、カセットプレーヤーは1980年代のものにも劣る。大陸のオリオンも、名称だけ継いだAIWAも、日本メーカーとして頑張ってる東芝Aurexもその辺りの性能はあまり変わらない。・諦めるにしてもかつて高性能だったカセットデッキで十分メンテナンスしたものを購入するなら、2〜4万ぐらいで手に入るので、「ラジカセ的視聴」なら、上記の方法が一番良いというのが私の結論。すなわちBluetooth、CD内蔵ステレオラジオ+メンテナンスされた適当なかつてのカセットデッキの名機が、私の考える「ラジカセ」
追記ー全盛期の高性能カセットデッキ(Sony TC-K333ESJ)と、今のサプライヤーによって部品を集めてかなり洗練されたデザインで作られた現行のTOSHIBA ハイレゾ相当 SD/USB/CDラジオカセットレコーダー AUREX TY-AK21を、周波数特性とワウ・フラッターを測定して比較する動画。日本の物わかりの良いカセットデッキマニアだったら全盛期のカセットデッキとは別物であるということは分かっているので、ここまで大人げない比較テストの動画を普通は上げないだろうけど、見せないと理解できない人も居るし、かつてはオーディオ装置の主軸の一つであったカセットデッキがどれくらいの性能を持っていて、それが本来ならテクノロジーが進歩している現在にあって、今は作ることができないオーパーツになってしまったということを示した動画だと思う。
ハイレゾまで伸びてる再生能力は、デジタルソースだったら、そこそこ良好な音質で持ち運び可能なこの筐体でも十分だろうけれど、カセットプレーヤー部分だけは、最も良かった時代の音質を再現しようとしても不可能で、残念なほど性能が低いことがわかる。
全盛期のちょっと気の利いたラジカセなら、周波数特性は13,000kHzぐらいまでは伸びていたし、ワウ・フラッターもカセットデッキ並みの製品もあった。何度も書いているけど、もちろんそれが作れないからと言ってメーカーにも責任はないし、渡しの場合は、作ってほしいともあまり思わない。失なわれたものは当時Hi-Fiと呼べた音質のカセットテープによる録音再生のテクノロジーというだけだ。そして、それがないからといって困ることもない。デジタルオーディオ技術によって、安く小さな電子回路で軽々とかつてのカセットデッキを凌駕していることも確かなことであるため、それが復活することも多分、もう無いのだ。