KENWOOD A-1001は高品質システムコンポーネント(160,000円)と売り出されたセットの一部なので、単体売りの値段はない。この20年前のシスコンはどれも高音質を喧伝してそれなりに開発費も投入されたわけだが、その中で特にCDプレーヤー(DP-1001)は当時にあって、最高性能に近いものだった。それらのコンポーネントを、中心となってまとめるアンプの性能が悪いはずもなく、また、かなり時間が経過していて中古品が安く手に入った結果、音質を自分好みにする魔改造のベースモデルとして少し有名になったりした。 重さは片手で持ち上げられるギリギリだが、横幅はダウンサイジングしたところも当時の部屋での主張しすぎるところを抑えるデザインだと思う。 操作はリモコン対応故に、入力ソースの切り替えの表示文字は小さすぎて、遠目だとポジションで見るしかなくなる。当時のデジタル録音への門機であったためTAPE入力とMD入力ポジションが存在した。LP/PHONO入力が存在しないため外付けのRIAAイコライザーアンプを繋げたり、PC入力など、表示と違う使い方をして混乱したので文字シールを貼り付けて使っていた。
強力なトロイダルコア電源部を持ち、かつての丁寧に作られたずっしり重いアンプ=高性能、高音質という価値観を踏襲している作りだ。今のD級、デジタルアンプのあまりにも軽い作りとは真逆だが、アナログアンプで丁寧にスピーカーを駆動させるという部分では正解だし、この値段では、「ちゃんとやっているアンプ」だという部分で評価されている。まあ、元々それがこの高品質シスコンのコンセプトであったわけだ。 オーディオでは見栄えが重要という部分で、フロントパネルには5mm圧の押し出し成型材、シャーシ厚さ1.6mm、背面パネル厚さ1.2mmの鉄板となっており、振動、強度が音質向上に影響するという1970年からの流れであるオーディオマニアのセオリーを抑えている。私にはオーディオのオカルト部分なのか、何らかの因果関係があって本当に影響があるのかの判別ができるようなオーディオ経験はない。ただ、、アンプのシャーシ強度や重量が音質に影響するセオリーから見ても、抜かりはない作り。シャーシには厚さ1.6mm
端子は金メッキ仕様、プリ部とパワー部を切り離して、グラフィックイコライザーやプリ部だけ生かしてパワーアンプを繋いで使うオーディオマニア向けの設定ができるが、残念ながらこの手の仕様では通常、プリ部をキャンセルすれば、パワー部はトーン・コントロールの影響を受けない仕様が普通なのだが、どうやらそうではない、パワー部単体で使ってもトーンコントロールの影響を受けるという部分で、少し残念なモデル扱いされる。プリアンプとして使う分には問題ないのかもしれないが、この電源の立派さとか考えるとむしろもったいないみたいな話になるのだろうか。 なお単体でLPレコード試聴したい場合は、このアンプをシスコンから切り離して単体売りにしたKA-1001Gの方を手に入れた方が、無難かもしれない。そのこともあってKA-1001Gの方がオークション価格は多少高めだ。本質的には同じアンプだと思うし、後述する中の電子部品を交換して改造する向きには、シスコンからこのアンプだけ切り離してオークションなどに出されて居るA-1001個体の方が、安く手に入ると思う。 それに何と言っても先のエントリーで書いたように、ミニスピーカー使いにとっては、もしも物足りなさを感じたら低音の補強をして完全体化するSWを使いたいと思った場合、その端子が付いているのもa-1001/KA-1001Gだけなのだ。更にデザイン的にこちらの方がすっきりしていて好ましいという人は、割と多い。 つまり安旨の候補としてはこのシステムコンポーネントという群れから、どういういきさつなのか切り離されて単体でオークションに出されている迷い猫みたいなA-1001を選択するのが一番正しいのだ!(しらんけど) ちなみに一番トラブルが多いのは、電子的な入力切替ダイヤルの部分の不調で、これはリモコンで駆動させるため物理的な切り替え装置ではないこともあって、不具合が生じている個体では暴走して、切り替えLEDがぐるぐる勝手に回ったりして、なかなか楽しい(楽しくない。
アンプからスピーカー端子に入る直前の音楽信号を測定しても、聴覚の感知限界以上の差があるとは思われない、みたいな話になりそうな気がする。ただ、人間の耳は、精度の悪いセンサーであるという説とともに、一方で位相や音圧のミリ秒単位の時間的変化や音圧変化に対しては非常に敏感で、オーディオ装置の違いによるそういう変化については、音色としてとらえられるという話をされている人もいる。今の測定デバイスや可視化される音楽信号で差がないならば、実際には、ハーモニックス成分の時間差などに差があると言えるのかについては、率直に言ってもっと精度の高い微視的な音響分析技術で判定できるのかすらよくわからない。私の中ではあまり理解が進んでいないが、どうも、音声工学分野よりもヒトの聴覚生理的な文献ワークの方が、この量意見の判定には重要なのじゃないかと思って、ならば生物屋としてもコミットできる余地があるのじゃないかと、少しずつ文献の探索を始めている。音響後学のエリートだったら大脳生理や聴覚に関する神経生理学ぐらい、高いレベルで学んでいる人もいるだろうけど、ハイレゾに関する粗い音声データの可視化では法螺(誤変換だけれどウケたのでそのまま)違うだろうって見せられないみたいな話をしておられる人も、根拠論文が動画の下に表示されることはないので、工学系でない人間にも趣味としてはアプローチして遊ぶ余地があるように思っている。まあ、好きな音楽が、本人気持ちよく聴けている状況においては、そんなに大したことではない。 なお、スピーカーのインピーダンスが違うので比較しにくいが、スピーカーのインピーダンスが4Ωのときに定格出力75WのアンプA-1001/KA-1001Gに3Ωのスピーカーをつなぐと定格出力は何Wになるか。
アンプの出力電力 P は、以下の式:
P=ZV2ここで、V =アンプの出力電圧、Z =スピーカーのインピーダンス。
4Ω時に75WのKA-1001G/A-1001の出力電圧 V は:
V=P×Z=75×4=300≈17.32V(アンプはこの電圧を一定に保とうとする、という仮定を置く。)
3Ω接続時の出力を計算
同じ電圧 V≈17.32V で3Ωのスピーカーを駆動した場合の電力 P′ は:
P′=Z′V2=3300=100W
どいうわけでA-1001/KA-1001Gに比べるとKAF-5002は微妙にディチューンされており、KAF-7002はチューンして出力を微妙に上げたということになるか。
嘗てのオーディオ視聴環境をイメージしてそれなりの音量で鳴らす場合ならともかく、小音量視聴でスピーカーとの相性という部分では、私の手元の布陣では、このA-1000があまり相性が良いと思えず、YAMAHA系アンプの中古を2台導入した折に(彼らは私のわがままな視聴の取り扱いには高齢者過ぎてついてこられなかったのもあってDENON PMA-390IIIに落ち着いた )、割とショックをうけたので、以降、エマージェンシー用として控えの選手としてラックの中に置かれている。単純に音の方向性が自分の好みと違うなと思った結果だ。ああ、オーディオなんて特に1970年代後半から1990年代前半まで一定の製品ならどれも同じで、中古で安くて音が出れば十分なんて思っていた割になんと尊大な話だろうとは思っている。 それでもそれだけ細かい改良の積み上げの結果作られているアンプは悪いということはない。何しろ同社の最高級システムコンポであったK'sのプリメインアンプなのだから。A-1001/KA-1001Gでは、改造の話が必ずヒットしてくるのだが、それなりに中古であっても高い期待を受けたアンプであるため、素の状態にわずかな不満があって電子パーツを交換してでも改善したいという人がいることも確かだ。逆に言うと、基本部分はクオリティが高い機体と考えるべきだ。

「やはり後年式の見直し改良があるはずのKAF-5002/7002がいいんじゃないすかねぇお客さん。高音滑らかになってるって話だよ(ダブルブラインドテストなどやってないことは言わない)。その上でちゃんと人気復活のLPレコードにも対応できますぜ」とそれらを台に並べて売っている露天商?が言う。 するとその隣でKENWOOD K's A-1001Gを並べている別の露天商?が「いや、KAFは後発モデルなのにSW端子ないんすよ。2.1chできない。ネットの質問箱にもあったけどスピーカー分配用アダプターでアンプ非内蔵のパッシブ型のSW使う手もありますけど、それじゃ音圧も合わせられないすよね。」って嫌味を言いながら「やっぱりKA-1000Gが完成品っすよ。KAFはダイヤル二つ足したせいでデザイン崩れちゃって子供の描くロボットみたいですし。」と煽る。 それで最後に通りがかりのおやじが「KAFの喧伝するTRAITRって、ブラインドテストされたらお客さんわかんないよ。うちの店の裏にそのシスコンのコンプリートから完動品A-1001だけ拾ってきたやつがあるから後で見に来ない?安くしとくよ。リモコン付き。」「ええとおれ、手持ちがあんまりないんだわ。」「じゃあ、決まったな。一番安く手に入るよ。動くかどうかわからんけど、そのアンプが含まれていたKENWOOD最高級シスコンのCDプレーヤーもつけるよ。アンプ買うなら一緒に持って行ってくれ。」「(かつてのDAC7のやつだ!)それ貰うわ。」「毎度!A-1001にも着くからSWの中古も見ていくかい?」
(以上はフィクション、画像はフィクションです。生成AIってオーディオ装置のイメージが、どこからイメージを持ってきたのかよくわからないほどかなり雑になる。猫の描写や佇まいは良い。なぜかハンドルをつけたがるのはラジカセなどを半端に学習素材にしたかよくわからない。)
リストの表中には、このエントリを書こうと思った時の平均落札価格もメモってみた。やはり高年式の中古モデルはA-1001なら、新品のデジタルアンプよりもかなり安いので、一度手に入れて手を抜かずに作られた1990年代のCPの良いアナログアンプとして視聴してみて損はないかもしれない。
以下に、忘備録として関連サイトやブログなどを時間があるときに追記しようと思う。
KENWOOD K's A-1001/KENWOOD KA-1001G(phono入力の有無とRCAアナログ入力端子の名称の違いはあるが同等品として)
https://audio-heritage.jp/TRIO-KENWOOD/amp/ka-1001g.html
KENWOOD KAF-5002
https://audio-heritage.jp/TRIO-KENWOOD/amp/kaf-5002.html
KENWOOD KAF-7002
https://audio-heritage.jp/TRIO-KENWOOD/amp/kaf-5002.html
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