人気ブログランキング | 話題のタグを見る

安旨オーディオ紀行 #8 PCスピーカー

  
安旨オーディオ紀行 #8 PCスピーカー_b0060239_12452299.jpg


 TVやPC音を少しマシな音で聴きたいというときに、PCスピーカーとしては十分な性能を持っている製品群の話。まあ、安い割に旨いということでこれも安馬オーディオということで。

■Logicool Z120BK
 このロジクールのPCスピーカーを購入したのは2015年2月14日で10年以上前になる。うっすらと汚れがたまっているぐらい使っている状況がリアルでしょ?
 キッチンのテーブルというあまり良い環境ではないにもかかわらず、今も壊れず問題なく動いていて、なかなか当たりの個体だった。
仕様は以下の通り。
タイプ: 2chスピーカー
総合出力: 1.2W (0.6W + 0.6W)
電源: USB給電
入力端子: 3.5mmミニプラグ入力
再生周波数帯域: 140 ~ 18,000Hz
サイズ: 88 × 110 × 90 mm
重量: 496g
 10年前の当時にあって、周波数特性の上が18kHzというのは、安価で使えるオペアンプの限界みたいなのかなと思ったが、それで過不足があるわけではなく、音質の良さはすぐに話題になって、いつの間にか1,500円ぐらいの品がAmazonでの取り扱い値段が6,000円近くなっていて、転売のターゲットになったようだった。ダイソーの4cmスピーカーユニットセットが大ブームになる前だったし、かなりエポックな製品だったと思う。流石スイスの企業(Logitech)であるが、今は100%Elecomの子会社ではある。
 でも、「思った以上に良い音でござるな。」「実はスイス製でござる。ヨーロッパのおーでおの音でござる。」みたいな会話は当時もなかったと記憶している。

【Amazon.co.jp限定】ロジクール PCスピーカー パソコン用 Z120BW ホワイト ステレオ 2ch コンパクト USB給電式 3.5mm入力対応 PC スピーカー 国内正規品 2年間メーカー保証

Logicool(ロジクール)


安旨オーディオ紀行 #8 PCスピーカー_b0060239_22080014.jpg
 周波数特性を録ってみる。洗濯中だったので、それが響いてきて低い方に乗ってきているが140Hz以下はその生活音の混入なので、念のため。ギリギリ18kHzぐらいまで伸びているから、カタログスペック通りかも。フラットな特性ではないが、オーディオ機器ではないので、過不足ない音だと思う。どちらにしてもTVやPCのあまり音質的には期待できないヘッドフォン出力を入力として音声増幅して鳴らすので、アンプ用のチップに20kHzまでの性能は当時は間違っても奢られなかったと思う。
 今は20,000Hzまでの帯域に対応したチップ(後述)も安く出回っているだろうけど、10年前、立派なものである。安いけど侮れない音質のPCオーディオとして注目されただけのことはある。PCオーディオが出てくる前には、スピーカー付きCDラジオなども使われていたが、スピーカーはこれよりも大きな1発だから、そんなに高音域の性能にはこだわることはなかったかもしれない。かつての昭和のラジカセなど、周波数特性は13kHzぐらいだった。それから比べると驚異的に上が伸びた音だが、考えてみれば小型スピーカーだから当たり前か。ただ、この製品がエポックとなって、それなりの音質に仕上げればというアンプ内蔵PCスピーカー等商品ニッチの製品がいくつか作られてきた。
 本気のオーディオ製品でないので、比べるのは違うとは思うのだが、まともな専用アンプで鳴らした時のエンクロージャー設計がまともなたった4cmのパッシブスピーカーの低音から20kHzまでの音質の凄さだ。Youtuberの自作派がそのポテンシャルに驚いて、面白がってハマったはずだ。あれは一定性能のアンプで鳴らすことができれば、ダイソーやこのモデルもそうだが、小型のプラスティック筐体の中に内蔵できる安価なアンプと小口径アクティブスピーカー性能の一定の限界を示している気もする。
安旨オーディオ紀行 #8 PCスピーカー_b0060239_18315032.jpg
 ブルーの線がDENON PMA-390IIIで鳴らしたminimini Metregon (4cm)の波形でグリーンの線がLogicool Z120BWの波形。以前ご紹介した通り、Metregonの方は高域のまでまあまあ伸びている。低域は120Hzでしっかり落ちてその先は70Hzどまりだが、以前書いた通りSWで補完するか、BGMならそのまま視聴しても音楽ファンなら十分幸せになれる音だ。むしろ4~5cm口径のスピーカーでしっかりしたエンクロージャーに入れたら、特性としては、アンプが制約にならないならこんな感じだろうと思う。これに対してLogicoolの方は、TVのイヤフォンジャックに繋いで使われる製品だから、それらしい特性になっているようだ。ちゃんと強調されている山、150~300Hzは、見事に人の話声の帯域だ。まあ、本気で音楽鑑賞する機材ではないが、このモデルの名誉のために、レベルをもう少し、200~18,000Hzのスペックに合わせて出力レベルを上げれば、こんな感じの特性になる。こうやって見るとかなり立派。REWの使い方を確認中なので、周波数特性図の仕様が、いろいろ違っているのはご容赦願いたい。
安旨オーディオ紀行 #8 PCスピーカー_b0060239_14081162.jpg

 までそれでもこの当時にあっては、購入者は、この値段で、歪みの少ない再生音を評価したのだと思う。それから10年経っている。我が家のZ120BWは、何の問題もなく健在である。


■Logicool Z150BK
 既にZ120BKは生産終了だが、後継のZ150BKは以下のスペック。想定した通り、20kHzまで伸びてる。多分安価な量産チップの性能がそれ以下のものがもうないのだろう。技術の進歩だ。このメーカーの順当な後継モデルとして、こちらも期待できるだろう。どちらにしてもこちらしか手に入らないし、Z120のデッドストックとか探して購入する必要はないと思う。出力も上がっているから、PC音源やCDなどをLine入力で気楽に視聴するなら、これで十分だろう。
 かつて、長岡鉄男氏がラジカセの音を病院の食事と表現した。最初はなんとなく質や量などに物足りなさを感じるのだが、いや、これはかなり考えられて悪くないぞと思うようになり、いや、侮れない食事だと考えるようになるという話だが、実際今の病院食はその評判が悪いと入院患者が減るし、今の栄養士や調理技術の向上や病院内部のダイナーの質の絶対確保も前提なので、おいしいご飯が食べられる病院など、当たり前になっているから、隔世の感はあると思う。量なども、外科系は手加減抜きでカロリー間違えなければ出てくる病院もあって、そして当たり前だが入院すると肥満気味の人は、それでも見事にカロリー管理されており体重は落ちていく。
 何が言いたいかというと、これでデスクトップオーディオで済ませたいと思うなら十分だという話だ。

タイプ: 2chスピーカー
総合出力: 3W (1.5W + 1.5W)、Peak 6W
電源: USB給電
入力端子: 3.5mmミニプラグ入力×2
出力端子: 3.5mmイヤフォンプラグ
再生周波数帯域: 150~20,000Hz
サイズ: 151.5 × 84.5 × 76 mm
重量: 550g


■JBL Pebbles バスパワードスピーカー
 この手のアンプ内蔵PCスピーカーとしてはオーディオブランドのJBLが出しているということで、USBは電力用だけではなく、デジタル信号も流す仕様で、USB/DAC内蔵なので、ピンジャック型Line入力でUSBは電源取るためだけの製品よりも値が張る。もう少し出せば、かなりしっかりしたアクディブスピーカーが手に入るので、微妙な製品だと思うが、私はこの妙にボリューミーでパンクしたタイヤのようなデザインが苦手なので、手に入れたいと思ったことはない。ただ、電源もUSB給送だし、気楽に決戦して、大音量で視聴することもないのならという製品。DACチップも16bitの古いタイプだし、今では少し型落ち感がある。
 評価は賛否が分かれているが、まあ、PCオーディオカテゴリーなので、いくら何でも一つ星のランチまでを期待するのは無理があるし、先に述べたようにエンクロージャーがよくできた4cmスピーカー&かつての古い高性能オーディオアンプの中古たたき売りとの組み合わせの方を私なら選ぶかもしれないが、アンプ一体型は面倒はない。
タイプ: USB/DAC内蔵2chスピーカー
総合出力: 2.5W
電源: USB給電
DAC 48khz/16bit
入力端子: USB端子/3.5mmミニプラグ入力
出力端子: 3.5mmイヤフォンプラグ
再生周波数帯域: 70~20,000Hz
サイズ: 78 × 150 × 132 mm
重量: 1kg

 半円形の個人的には割と良いと思っているパワードスピーカーで初期型はアナログ入力だったがV3になってUSB接続でDAC内蔵型になり、SWも後付けできる。最初からSWとのセットは20,000円を超えるくらい。ただ、それほどの出力はない。今はかなりのパワーが出るデジタルアンプが存在するが、給電がUSBなので以前取り上げたNobsoundほどの出力はなかったりするが、8W(4W+4W)でDACも16bit/48kHzなのでチップはかなりエコノミーなものを使用しているようだ。どちらにしてもアンプの性能も、今ではスタンダードなものではないのが、この手のPC用パワードスピーカーの作りのようだ。

タイプ: USB/DAC内蔵2chスピーカー
電源: USB給電
総合出力: 8W RMS/ピーク出力16WRMS
電源: USB給電DAC 16bit/48khz
入力端子: USB端子/3.5mmミニプラグ入力
SN比:75dB入力系統:ライン入力
出力端子: 3.5mmイヤフォンプラグ
ドライバー:各サテライト 2.25インチ
再生周波数帯域: 100~17,000Hz
サイズ: 123×120×118 mm
重量: 0.36+0.31kg

追記ーエキサイトからのAmazon検索では出ないのだが、この製品については「Creative Pebble V2」を選んだ方がいろいろ無難そう。 USB Type-C給電採用アクティブ スピーカーは8W RMS ピーク出力16Wで、無理してデジタル信号から内臓DACで鳴らすV3よりも値段なりでV2の方でも、問題なさそう。

Creative Pebble ブラック【価格.com プロダクトアワード2024】音声入力 ピンプラグ/電源 USB 接続 / 45度 上向きスピーカー 低音パッシブラジエーター 搭載 ピーク出力8.8W/総合4.4W RMS PC スピーカー SP-PBL-BK

‎クリエイティブ・メディア




安旨オーディオ紀行 #8 PCスピーカー_b0060239_15550022.png
Creative Pebbleメーカーホームページより
https://jp.creative.com/p/speakers/creative-pebble

 ここから先はPCスピーカーと呼べるカテゴリーではないし、PCデスクトップオーディオとしてのアンプ内蔵スピーカー製品の延長戦と考えると、祖語もきたす。今は、アンプ一体型設計が可能なアクティブスピーカーは立派なオーディオの一ジャンルだ。なぜこういう話になっているかというと、数百円のアンプチップを使ってアンプ内蔵スピーカーを作れたらかなりCPが良いものができないかと、考えていて、そのプロセスで考える材料とした。</div>
<div> 現在、アクティブスピーカーはかなりの人気で、評価の高い製品もある。本気で作られているものは高性能だ。 コストがかけられた製品は、ユニット、エンクロージャーの特性に合わせたDAC、アンプの調整ができるので、スピーカーとアンプとの組み合わせに悩まなくても良いという部分もある。特性やもPCやDACやネットワークオーディオを中心に考えると、り面倒がないし、ただそうなると、値段次第であるが、安価なデジタル/D級アンプや中古のアナログアンプ+中古パッシブスピーカーの予算では済まなくなるし、間違っても安旨オーディオにならない。</div>
<div> それ故に、5、6年前には評価の高かった過去製品の中古を考えた。以下の製品は、広域の数値特性が良いので、かなりフラットな性質を持っているのではないかと考えて手に入れた。

■ONKYO WAVIO 77monitor
 24bit/192kHz入力信号対応デジタル端子装備同軸2ウェイパワードスピーカーシステム
 同軸2wayなので、スピーカーとの距離に関係なく、周波数特性や音像に関しては割と調整が楽だと思う。中古品しか手に入らないので、Onkyoのこの系統のスピーカーウーハにつきもののラバーエッジの経年変化の問題はあるけど、このモデルの状態の良い中古が10,000円以下で手に入るなら、かなり安旨だと思う。ただ、安くてもDACをPCからのUSB端子に入れしょppしょppら、光で出さないと、この製品の本来の良さは得られないので、ゼロからの人はその分(DAC&ケーブル)が余計に出費になると思う。
 本製品の開設については、ここのショップサイトの説(https://www.justmyshop.com/camp/rank_waviogx77m/)が詳しい。もはや生産終了して久しいのでメーカーサイトにもないレベルの解説が載っている。


 過去の製品紹介記事は以下の通り。オンキヨー、同軸2ウェイユニット採用アクティブスピーカー-光デジタル入力対応のPC/DTM向(「77monitor」https://av.watch.impress.co.jp/docs/20031113/onkyo.htm)

 Onkyoの数多く出されている類似の小型スピーカーと共通しているが、このモデルは唯一の同軸2Wayで40~100,000Hzを達成していて、かなり偉いのだ。周波数特性絶対視はしないが、数値性能をそのレベルで達成しているのはこのメーカーの技術力や誠実さを感じる。それはユーザーの音質の良さとリニアではないが、音やその結果は好みがあるので、音質を気に入るかは別だと思うが。
 ただ、以下のPC用スピーカーと同じカテゴリではない、アンプを必要としない灰汁ディブスピーカーとして立派なオーディオ製品であるし、それゆえデスクトップオーディオとするには少々大きいと思う。 手元にあるのもかなり古い個体だが、きれいな状態なので、周波数特性を録ったら追記しようと思っている。数値性能の高さと同軸2wayというマニアックな構成、サイドにスリットを持ってきた特異なバスレフ方式など、このメーカーらしいチャレンジを感じる。

型式: アンプ内蔵2ウェイ・バスレフ型
入力インピーダンス: 30kΩ以上
最大出力: 15W+15W(4Ω)
再生周波数範囲: 40Hz~100kHz
クロスオーバー周波数: 7kHz
ウーファー: 10cm A-OMF コーン型
ツィーター: 2cm バランスドーム型
入力端子: デジタル入力×1(Optical)
アナログ入力×2(ステレオRCA)
出力端子: サブウーファー出力×1(モノラルRCA)
ヘッドホン出力端子×1(φ3.5mm/ステレオ)
デジタルINサンプリング周波数: 32,44.1,48,96,192kHz/24bit
電源入: AC100V(50/60Hz)
消費電力: 40W(電気用品安全法技術基準)
最大外形寸法: W137×H229×D196mm (Rch)
       W137×H229×D191mm (Lch)
サランネット、ターミナル突起部含む
質量: 3.9kg (Rch)+2.8kg (Lch)


 価格を考えなければ、この分野も天井知らずだが、そこそこの値段と考えると、この辺りの数機種になるかと思う。もちろん、全部手元にあるなんてことはないので、性能評価は私にはできない。1〜2万円の価格帯では、Amazon、kakaku.comのレビューを見るくらいだが、ダメな製品というのは、どうやらなさそうだ。

 天井知らずみたいな高額製品もあって、オーディオ不況後に、苦戦した多くの日本メーカーと違って、デザインなども含めて性能やブランド価値をきっちり確立したり伸ばしていった製品群は、数十万円の販売価格で並んでいる。なんとなくちょっと羨ましいなと思う。
 安旨オーディオとは無縁の世界だが、この全面が丸っこいエンクロージャーと豊富なカラーに加えて外国製高級調度品然としたデザインは、惹かれる人も少なくないだろう。忘備録として。


追記ー話がPCスピーカーからアクティブスピーカーになった勢いで、別のエントリ「安旨オーディオ紀行 #10 アンプ内蔵スピーカー」で、その続き(あくまでプアマンズ・アクティブ・スピーカーの話)を書いた。

名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by complex_cat | 2025-05-18 11:54 | My Tools | Trackback | Comments(0)

Necology(=猫+Ecology) and Nature Photo Essay, Camera classic, Martial arts & etc. 本サイトはhttp://complexcat.exblog.jp/です。画像はクリックすると大きくなります


by complex_cat
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30