ちなみに、彼の本名はWilliam Dana Atkinsonで、あれ?って思う人もいるだろうけど、'Bill'は、彼の本名'William Atkinson'の短縮形で(これがいつもわからないのでややこしい)、’William’の愛称として’Bill’ Atkinsonと呼ばれていた。
ハイパーテキストのノードとしてカードを用い、カードとカードをつなぐリンクとしてはボタンを用いる。カードの上にはボタンの他にテキストやグラフィックをおくことができた。プログラムを記述するにはHyperTalkと呼ばれるスクリプト言語を用いる(日本語版Wikipediaより)。
このHyperCardに関するWikipediaはとても良くまとめられている。
曰く、HyperCard(ハイパーカード)は、ハイパーテキストを実現した最初の商用ソフトウェア
曰く、1987年にApple Computer(現:Apple)のビル・アトキンソンが開発
曰く、Macintosh (Classic Mac OS) で動作し、ゲームの制作、簡単なプログラムの開発等に利用される。
最後のところを少し長いけど引用する。
HyperCardに影響されて開発されたオーサリングツールや類似するもの
HyperCardは非常に優れたソフトウェアである。そのため多数の類似品が生まれた。また現在のmacOSでは言語体系がHyperTalkに似たAppleScriptが開発環境の一つになっているが、用途がオーサリングではなくmacOSのバッチ処理が主体であり、大きく異なっている。そのためHyperCardの復活を望む声は原作者のアトキンソンを始め絶えることはない。
「絶えることはない、」なんて伝記小説の言い回しだ。伝説の男だ。
どんなものかって、体感して何かを感じるところまで行けるかわからないがシミュレーターは個々にある。今やネットであちこちクリックしてその下にある情報を読み取ったり、urlにリンクで飛んだりする世界など想像がつかなかった時代に、その形のインターフェイスを実現し、それをスクリプト言語でプログラミングすることができた。ネット時代に鳴ってから、本人に、今につながるアイデアをあの当時出していたことについてのインタビューがあって、ビルは、正直今のネットのインターフェイスにつながるようなアイデアを出していた自覚はなかったし、私が構築したものと今のそれは全く別物だ、いや、インターフェイスの発展的な可能性については考えてもいなかった、気が付かなかったなぁみたいに答えていた。彼の求めるものは高いことはHyperCardを見ればわかるのだ。どこまでも卑近な業績の粉飾などするような人ではなかった。
Hypertalkによって多くのコンテンツが作られたが、Hypercardとそれが作動する環境がないともちろん作動しないから、未だに古いHyperCardのScriptで作成されたコンテンツに興味を持った人がおられて、downloadして、「動かん?なんじゃこれ?」みたいなのが知恵袋に質問で入ったりする。
これがシミュレーターの一つ。多分今の世代が触っても、感動もなにもないだろうって思う。「ノスタル爺」向きだと思う。
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HyperCard Simulator

私はかつてこれで作られた「夏休み〜黄金のカブトムシを探して」というアドベンチャーゲームにハマって、それを無事に息子たちに体験させることができた。
長兄は,このブログを見てくださっていた
アイミさんの御陰で我が家でも動くようになった「夏休み〜黄金のカブトムシを探して」にはまり,パソコンと向き合って出てきませんでした。(「
少年達のチコ 」 2006年 09月 24日)。最初のチコの画は、そのゲームの話をしていた当時のものだ。このアート世界を作られた方は
泉原昭人氏で、彼の作品世界によるイメージの力も素晴らしかった。当時の縛りで二値で構築されているなんて、当時感じられなかった。
この記録すら、もう20年近く前の話だ。時は移る。最初にそのソフトで遊んだ当時は、日本語フォントが文字化けしたりして、ゲームで遊ぶのに苦労したのを覚えている
最後まで、長男がGame compliteできたことで、このゲームのエンディングも見ることができた。ついでに彼が作ってくれた、黄金のカブトムシ・ペーパークラフトも見ることができた。(「
黄金のカブトムシにタクシーの中で出遭った」)。
これをエミュレーターで動かしていたMac miniの初号機も、今は動かない。このエントリに合わせて、もう一度動かしたかったが、本体ソフトの作動状態すら、これを見た後、当時も危うい状態だったので諦めた。「夏休み〜黄金のカブトムシを探して」で動画を検索すると、丸ごとこの作品の設定(黄金のカブトムシは)をパクった子供用ソフトの動画ぐらいしかヒットしない。亀ダンスとその音楽、もう一度視聴したいな。
ビルは私達に、本当に素晴らしい世界を、与えてくれたんだ、ありがとう。
ちなみに私がMacOSでHyperCardを動かしてこのゲームを楽しんだ方法は、以下の方の記事にまとめられている。
この当時のチコの姿。この当時も、Hypercardの時代からずいぶん経っていたのだが、それからさらに時が流れた。 実は、彼にはもう一つの顔があってNature Photographerだった。彼のNature photoの対象は、一番一般的に連想する、野生生物ではなく、岩石だった。日本語版はすでに配管だが、原著の英語版はまだ購入できる。彼は岩石の写真家として、特にその色に深い興味を持っていたようだった。
日本のその分野の研究者である、田中 陵二氏、通称「だぶさん」も、よく色の話をされているなぁって思い出した。氏の有名な著書は、アマゾンで注文したため、ポストマンや黒猫の人が途中で遭遇する山賊や激流との戦いに巻き込まれながら届けてくれたようなので、注文してから1ヶ月以上かかったりした。それで、以降はこの手のリアルタイムで売れ筋の書籍については、だぶさんのアドバイスに従って、ヨドバシカメラの方に、注文するようにしている。多分、Amazonの方には、当時山賊に情報を流している者がいたのかもしれないが、最近はかなり大丈夫みたいだ。