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サイコトラベル~悪石島

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 吐噶喇列島には、何度かいったことがあるが、悪石島にいったことは1度だけだ。面積7.49㎢の島だが、急激に持ち上がった急峻な地形をしている。上陸前に撮影した洋上からのショット。肝心のデジイチで撮影したストックが出てこないので、補助的にコンデジで撮影した分だけを載せる。

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 QGISでTile処理した起伏図で見た悪石島とその位置。吐噶喇列島を構成する島としては、奄美大島寄りだがむしろトカラ列島のど真ん中に位置していると言ったほうが良いかも。吐噶喇航路は鹿児島県本土から便が出ていて、屋久島からではないので、奄美大島からの方が多少は近いかもしれない。地図は、クリックすると結構な大きさになるので、お試しあれ。それでも7㎢足らずの島は、それほど大きくはない。
 吐噶喇列島の、一番本土から遠い人有島の宝島になると、奄美からのアプローチの方が早い。首都圏からのフライトで奄美大島に飛び、同じ船ではあるが、そこからのアプローチができるので、観光客も入りやすかったりする。吐噶喇列島をつなぐ定期便は往復で日数がかかる。鹿児島県の有人の離島は数々あれど、かなり地形的多様性は高い。
 宝島の調査の時には、銀座に宝石店を構える若い店主の人がルアーを使ってロウニンアジ Caranx ignobilis(いわゆるGT)やカッポレ Caranx lugubrisなどの巨大魚を釣りに同じ宿に逗留していて、生物屋も調査を控えたくなるような深夜の豪雨の中に、嬉々として出かけて行っていたりした。
 私がフィールドで出会う首都圏の人たちは、現地に対してリスペクトがあり、コミュニケーションが丁寧で、品骨卑しからぬ教育が行き届いた印象の人が多い。絶対数が押し寄せるような観光地化したフィールドにはあまり行かないからかもしれない。
 「行くんですか?」「ええ、そのために来ています。」「夜の岩場、気を付けられてください」「はい。」ってニコニコされて道具担いだら豪雨の中に消えていった。ここの列島にはそういう島も含まれていたりする。彼らは食い意地などなく、魚拓と写真を撮ったら、もちろん食べきれませんからと、宿に獲物を置いて行かれるので、それを私みたいなものが、「食わんのですか?ええ、悪いなー」と、宿の一品にしてもらって、わしわしと食べたりするわけで、それはそれでよくできているシステムだった。
 高級魚の一本釣りは資源管理的にも、漁業者の収入面でも今は注目されている。大衆魚を安くふんだんに食べられるモードは、資源管理失敗を行政が認めない我国では、とっくに終わっている。

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 通常の2万5千分の1の地図だとこうなる。ここは、宿ではなく区長さんにお願いして公民館をお借りして逗留した。そこでは島民の方々の記念撮影写真があって、その時写真で見ていた一人の娘さんは、その後高校は本土留学となり、私の息子と同級生となっていた。
 小さいといっても、踏査で回れる時間が限定されていたので、かなり大変だった。火口周辺の環境チェックまでやった。
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 インフラのかなめであるフェリーが着く桟橋。港湾インフラが地震や津波などによって破壊されると、かなり大変なことになる。重機や資材を緊急で送るのも簡単ではない。理解していない人が多いが、住民が通常の生活をして、生計を立てて住んでいてくれることは、国防上も領有権の確保やそれに伴う水産資源確保上、重要な場所である。高級だしの「あごだし」は、季節になるとここを北上するトビウオを貴重な水産資源として作られる。
 地方に住む人は一次産業を蔑視するような人間は、江戸前のそばなど食べる資格があるんかい?って密かに腹を立てたりするが、人間立場が変わるとやりがちなことではある。自分もやらかしてないか自戒したい。
 現在、かなりの震度の地震が異常な頻度で頻発しているが、生活を続けるためにここを離れられない人も少なくない。現在は無人島化して半世紀以上、経過した臥蛇島などもあるのだが、そのまま日本の歴史的推移だ。そしてやはり悲しみを含んだ歴史だ。故郷が消滅する状況は、想像できない人には無理だが、他人事でもなんでもなくて、はっきり言えば、住んでる土地ごと無理になる状況というのは、そこら中に活火山が元気に活動するプレートがぶつかり捩れあって盛り上がった「皴」の上に住んでいる日本人全員に当てはまると思っている。

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 狂牛病など病害生物禍の時には、離島で畜産インフラが整備されている地は、現代の育種科学の粋と人の努力を集めて作り出された1頭数千万円の和牛の特別な個体の疎開先になる。

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 吐噶喇列島や奄美諸島などの離島では、放銃されて放置されたヤギ問題がどこでも発生している。かつては、捕獲して獲れすぎれば集落にお礼として肉を置いていくみたいなのがあったが、今では捕る人もゼロで、緊急時の食糧みたいな使われ方はありえなくて(食料物資や住民運んだ方が早い)、それでもそういう危機管理のつもりなのか勝手にヤギが放獣されまくって、植生破壊が生じている。侵略的外来生物としてはかなり面倒だ。更に、先に述べた臥蛇島では、シカも放獣した輩が居て、実は海岸周辺しか利用できないノヤギと違って深部までくまなく利用できるため、ヤギよりも個体群は優勢となっている。森林がなくなり割とまとまった面積が広がっているところには、どうも、夕暮れ時、遠目に見た印象ではレックシステム(α雄が繁殖メスを結果的に総取りできる競技システム)みたいなものが成立しているのじゃないかと観察していて思ったりした。繰り返すが

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 悪石島の話だった。ここの名前は確かに不思議で、由来は明確ではないが、平家の落人が、石だらけです、落人が逃げ込んで住み着くような良い場所ではありませんという情報操作のために名付けたみたいな説まであってちょっと面白い。こういう不安定そうに見える巨岩の路頭もあったりして、イメージとしては名前にあった風景の一枚。
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 吐噶喇列島自体が、「トカラ列島県立自然公園」指定地を複数含んでいるので、こういうパネルはどの島にも整備されている。
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 当時同行した植物のチームは、この先端まで行っていた。他の島で経験があるが、ブッシングが大変なので、本当に死にそうになる。実際に地図で見ているだけだったら、そんなに広くない島だなぁと思って、踏査において難所がいくつかあるなんて感をとれる人は少ないかもしれない。砂浜海岸など求めるべくもない、海から立ち上がったような島ではそういう地形が普通である。

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 灯台などの管理やインフラも、光源がLEDになっていたり、今はかなり変わってきている。

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 Graphicconverterは、Lemke Software社製のMac OS用画像編集ソフトで、これが使えるだけでMacを使い続けられるなと思うソフト。Windowsのあまたあるフリー、シェアウェアの中で、これに勝てるものはいまだに登場していなと感じている。Macは、かつてはMacだけで動いている要となるソフトが沢山あったが、今はこれぐらいかもしれない。
 このソフトはWindows版は存在しない。よく勘違いされる読み上げたら同じ名前の、WindowsソフトであるGraphic Converter Proは、名前が近いので、一度使えないかなと思って、使ってみたが、似ても似つかないソフトだった。
 こんな具合に、ソフト上でOpenStreatMapで画像ブラウジングしながら、撮影地点の確認もできるので、多くの人がやっているように、カシミール3Dを立ち上げたりして、画像データをドロップする必要がない。画像のレタッチやフィルター処理を含んだ複数ファイルまとめた変換作業、管理、撮影場所のチェックについては、このソフトだけで流れ作業でできるが、比べられるライバルが見つけられていないので使わなくなることはなさそう。

 地震だが、地球規模の現象で、人間のスケジュールとは単位が違うのだが、それでも地元の方々が、島外避難が長期化せず、一息つけるように、早いところ地震が収まってくれないかなと、勝手なことを思っている。

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by complex_cat | 2025-07-05 11:39 | Nature Islands | Trackback | Comments(0)

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