人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ふたつの訃報

ふたつの訃報_b0060239_21463451.jpg
 画像はAI生成、本文とは関係ありません。
 ロック評論、DJの渋谷陽一氏 と、そしてBlack Sabbathのオジー・オズボーン が相次いで亡くなった。ドメスティックな島国の評論家と世界的なロックスターというのは並べるのは少し違うのかもしれないが、両人とも、日本の洋楽ロックシーンにおいて、大きな影響を与えた二人だという部分では共通している。
 追悼気分で、数時間、彼らの曲をかけてみて、多方面に影響を与えたのも当たり前な元気なロックおじさんだなって改めて思った。生き方も、当時で言うロック過ぎて、ここまで長寿を全うして、亡くなる17日前には全開の収益を全部手放すチャリティコンサートまでやれたことが信じられない。本当に幸せなロック人生で伝説になったのだなって思った。
 彼もソロでは、私の好きなリリカルプログレ的な曲や末広がりの壮大な世界みたいなのをいくつかやっている。ハードロック正道だが、予備知識なければ、どこかのプログレハードロックバンドの曲と思っても不思議じゃないのがある。

Diary of a Madman (1981年) 同名のアルバムのタイトル曲で、狂気と孤立をテーマにした壮大でダークな楽曲。6分を超える演奏時間の中で、クラシカルなギターフレーズとヘヴィなリフが交錯し、オーケストラのような広がりを持たせている。

Mr. Crowley (1980年) ハードロックの文法による曲だけれど、パイプオルガンとスペーシーなキーボードで始まるバラード。ゴシックで神秘的な雰囲気を持つこの曲は、劇的な構成とキーボードソロが特徴で、プログレッシブな楽曲。私にとっては一番それかな。



 No More Tears (1991年) MVが当たり前のようにセットで出される時代の曲らしく、ビジュアル的な試みもある時代に対応したハードロック。7分を超えるこの楽曲は、オジーのソロキャリアの中でも特に野心的で、曲フェイズが何回か変化する、いわゆるプログレが得意とする音楽的に複雑な交響詩型だが、全部彼のハードロックギターの部分は一貫している。ヘヴィメタルとプログレッシブロックの要素が融合しており、ビジュアルも彼のステージらしい。あまり正当なファンは、選ばないかな。
私は好きだけれど。

Believer Ozzy Osbourne(Diary Of A Madman, 1981) この曲はプログレッシブでヘヴィな楽曲と評されており、多くのパートが組み込まれながらも5分強にまとめられてる。

"Dreamer" Ozzy Osbourne(Down To Earth, 2001)バラード調で、バックに柔らかなコーラスが加わることでかなりリリカル。ハードロックの枠を超えたクラシカルな要素や宗教的なモチーフを含んだ曲。

"Revelation (Mother Earth)"(Blizzard of Ozz, 1980) クラシカルなピアノとギターの展開が美しく、叙情性と重厚さが共存する名曲。中盤から後半にかけてのコード進行や展開は、その構成の複雑さからプログレや。

"Centre of Eternity"(Bark at the Moon, 1983) 教会オルガンのSEが使われるイントロから始まり、ドラマティックな展開が印象的。ゴシックな雰囲気もプログレ的だが、ストレートなハードロックというのはそのまま。

"Diary of a Madman"(Diary of a Madman, 1981) キッスの楽曲同様ハードロック系の曲だが、ストリングスとクワイヤ(合唱団)を導入し、7/8拍子で展開する荘厳な構成。プログレファンにも刺さる一曲。

"Sabbath Bloody Sabbath"(Black Sabbath, 1973)オーソドックスなロック曲だが、これギター一本とかで、スローバラードぽくやるとプログレっす。やると メロトロンやシンセサイザーを導入し、複雑な展開と叙情性が際立つブラック・サバスの代表作。Rick Wakeman(Yes)もゲスト参加。

"Over the Mountain"(Diary of a Madman, 1981) アグレッシブなリフと変則的な構成が特徴。プログレ的な緊張感とスピード感が融合。

こんなところだろうか。近年は、彼の孫、アンディと一緒になって写っている楽しそうな写真をよく見るようになっていた。お爺オズボーンや、みたいなことを誰かが言っていた。youtubeで'Ozzy Osbourne and his grand daugter and a cat’って入れると、彼のことをPapaと呼ぶアンディと愛ネコたちの動画が出てくる。



〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 

 渋谷陽一氏は、背伸びして洋楽を聴き始めた自分が交錯した時期はわずかで、彼が当時私の好きなクラシカルプログレをけちょんけちょんにディスっていたので、距離を取ったのだと思う。Led Zeppelinが飽くまで基準にある人みたいな印象だった。

 彼のFM番組、NHK-FM「渋谷陽一のヤングジョッキー」プログレッシブ・ロック・ベスト20(1978年6月;リスナー葉書投票による)では、以下のランキングになっていた。なんといっても彼に関する記憶というのは、この番組の彼のDJということになる。

Lank Artist
20 Focus
19 Renaissance
18 Beatles
17 10CC
16 Kraftwerk
15 Tangerine dream
14 Led Zeppelin
13 Camel
12 Brian Eno
11 UK
10 Boston
9 Vandergraph generator
8 David Bowie
7 Kansas
6 Queen
5 Genesis
4 King Crimson
3 Yes
2 Pink Floyd
1 Emerson Lake & Palmer

 具体的にどんな紹介をされていたか、手元に音源がないが、友人からもらった秘蔵のテープがあったりしてそれを試聴したわけだ。それも今はない。ほとんど忘れたのだが、19位 Renaissance「なぜこんなバンドが人気があるのか、私にはよくわかりませんが、ルネッサンス、オープニングアウト」「18位 Beatlesがここに入ってくるのがいかにもここのリスナーらしいと思えるところです」みたいなのがうっすら記憶がある。この放送のコピーは、この方のブログエントリ(「ヤングジョッキーの「プログレッシブ・ロック ベスト20」の順位が見つかったのでオイラも考えた」)によるとどうやら7年ぐらい前までは、Youtebeで試聴できたようだったが、まあ、音源NHKのもので、消されるよね。この方の個人ランキングは私の感覚に近いのと、Renaissanceが良い位置に挙げてあったので、とても賛同した。「谷山浩子とルネッサンスは案外隠れファンがいる」というのも昔聴いた記憶がある。

 個人的にはMike OldfieldとMoody Bluesは、もっと上にある。後、1978年なら、『怪奇と幻想の物語 - エドガー・アラン・ポーの世界』 - Tales of Mystery and Imagination (1976年)『アイ・ロボット』 - I Robot (1977年)『ピラミッド』 - Pyramid (1978年)と、Alan Persons Projectの三立ての後だから、ランキングに入っていても良かったと思うが、この時代、プログレファンもかなり保守的ではあったと思う。それでも初登場、UKの登場に渋谷氏かなり驚いていたようだ。というのも、彼らのデビューアルバム、『U.K. (憂国の四士)』 - U.K. (1978年 第1期)が正に発売された年だったから。ネットどころか携帯電話もない、今のような多様なメディア戦略とかないし、ロック雑誌と街角のレコード屋さんだけが頼りという時代。

 とりあえず、彼が苦手とした、クラシカルプログレを流してみたりしている。私はカリスマや権威みたいに彼のことを考えずに済んで彼のDJを楽しめていた気がする。とても良いロックシーンの道案内役だったし、彼の声を聴いていると良い意味での鎮静効果があった。ありがとう。お疲れさまでした。

 R.I.P.

追記ー言語化してもらえたのが、岩下 啓亮氏のツイートにあった。「渋谷陽一の好みは、一貫して「既存のポピュラー音楽(含むロック)にたいして批評性があるかどうか」だったと思います。そこが無自覚なアーチストには容赦なかったな
 Alan Persons Projectは多分、1作目はともかく、非常に洗練された商業主義プログレ作品として成功したものであり、当時彼にどう扱われたかわからないのだが、好みではなかったのもなんとなく感じる。
 至極納得した。
 上述の当時のランキングも、彼のファンが彼の意匠の理解者であったという気もしている。

Commented by sknys at 2025-07-25 12:06
ヘヴィメタとプログレは苦手(ゼップは好き)なんですが、
Ozzy Osbourneの訃報記事(朝日新聞夕刊 7/23)が渋谷陽一よりも6行余り短かかったのには違和感を覚えました。
「猫ジャケ222展」 を企画監修した 「古盤堂」 店主(F**さん)と、猫好きアーティストのアルバムには 「猫ジャケ」 が多い、「裏猫ジャケ」 も少なくないというような話をしました。
たとえば、Annie Haslam(Renaissance)のソロ・アルバムなど。
Danny Elfman(Oingo Boingo)やRobyn Hitchcockも猫好きだと思います。
オジーも娘さんも猫好きと知って、親近感が少し増しました。R.I.P.
Commented by complex_cat at 2025-07-25 16:02
>sknysさん
私も、アメリカンロックでハードロック、ヘビメタ系はあまり聞かないのです。
ウエストコーストばかりで。ヒット曲はよく聴いていましたが、アルバム1枚は試聴がきつい感じの人間です。
 それでもなぜかゴシメタは、プログレ系バラードみたいな曲が秀逸で割と手元にありますね。例外なく、女性ボーカルバンドですけど。
 Annie Haslam(Renaissance)は全部手元にあるので知ってました。
猫がチシャ猫でしたね。
 ジョジョ・ネタでオインゴ・ボインゴが知られるようになったのは驚きました。我が家の息子たちもジョジョが洋楽の入り口になったりしてましたね。Robyn Hitchcockとか今試聴しても全然古く感じないです。
オジー、奥さんの影響もあるのか、かなり猫馬鹿みたいでした。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by complex_cat | 2025-07-24 21:51 | Incoherent Music Box | Trackback | Comments(2)

Necology(=猫+Ecology) and Nature Photo Essay, Camera classic, Martial arts & etc. 本サイトはhttp://complexcat.exblog.jp/です。画像はクリックすると大きくなります


by complex_cat
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31