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スズメバチの倒し方

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 スズメバチに襲われるリスクが上がる期間に入っている。毎年、フィールドワーカーは、このサバイバルに生き残る必要がある。
 スズメバチと言ってもオオスズメバチVespa mandarinia japonica、ヒメスズメバチVespa ducalis pulchra、コガタススメバチVespa analis insularis、キイロスズメバチVespa simillima xanthopteraといろいろある。最近は、度々日本に侵入してくる外来種ツマアカスズメバチなんてのも確認されていてん、なかなか大変である。


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庭で店子をやっていたときのコガタスズメバチ一家のメンバー。オオスズメバチ、キイロスズメバチでこの撮影は無理。
良い子は真似をしてはいけない。


 私はフィールドで、オオスズメバチ、キイロスズメバチ、コガタススメバチ、ヒメスズメバチと遭遇して、その内、オオスズメバチ、キイロスズメバチ、コガタススメバチの攻撃を食らった経験のあるサバイバーなので、それなりに机上の空論ではないと思っているが、知恵のある人は開陳してほしい。
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 攻撃性については、オオスズメバチ=キイロスズメバチ>>コガタスズメバチ>>>ヒメスズメバチというふうに整理している。コガタスズメバチについては、1シーズン彼らの大家になって、庭に同居させたから、少しは情報が増えた(「コガタスズメバチ〜柔軟な平和主義者」)。リスクが高い場所だなと思ったらさっさと取って(&撮って)食べた(「CSI(Cho-Sugoku-Iikagen)-天の邪鬼スズメバチ処理班」)。たしかに彼らは美味しい。
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 幼虫は中身を出してチャーハンに混ぜて食べたら最高であったし、蛹も素揚げにするのが好きである。Vespa族の権威であった恩師の一人は、生のままチューチューするのも良いと言っておられたが、私は、全般、新鮮なものに火を入れるほうが好きである。
 ちなみに、スズメバチについては、こちらの九州大学の伝統ある生物防除研究室の上野高敏先生のサイトが詳しい(「スズメバチ事典」)。

 話が反れるが刺された場所の腫れ方はかなり酷かったのだが、自分の時を思い出した。それ以前に別の林でオオスズメバチを見ていたが、それではなかったと思う。
 ニホンミツバチには、私も一度やられたことがある。セイヨウミツバチと違って、彼らはテリトリー内に入り込むと、意外にもアグレッシブな個体が居たりする。私の時も、何も刺激しないようにしていて、ああ、野生のミツバチ飛んでるなぁって思った次の瞬間にやられていた。最初の確認とその後の攻撃が結びつかず、前脈部に残された、彼らの毒針でミツバチにやられたことに初めて気がついた。これは屋久島の話だ。単騎、斥候で飛んでいるような個体に、いきなり刺されたりするので、被害はそんなに大きくないが、割と防ぎようがないかも。個人的には真面目に2日ぐらいは痛く痒く腫れた。アナフィラキーショックリスクを持っている人は、最悪昏倒して大変なことになる。診察、テストとエピペン処方に対応してくれる病院で自分の生理的特性を把握しておくのはフィールドに入る人は、一度はやっておいたほうが良い。
 割と勘違いしている人が多いが、何度も刺されるうちに、「残機数」が足りなくなってアナフィラキシーショック症状になるというのは、事実ではない。ショック症状を持つ人は、最初の一回目からリスクが有る(私の過去エントリで比較的良く読まれた「トンデモで消耗しないために」を参照のこと)。割とフィールドに入っている人でも、この勘違いをしている人は少なくない。
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種子島の山中で調査中、夕暮れ時、これが眼の前にぶら下がっていたときには流石にちょっと嬉しかった。嬉々として写真が撮れた。

 スズメバチの話を書こうとして、いつもながら話がずれるが、セイヨウミツバチは攻撃性は低いと言う話で、AIで検索すると「ミツバチの分蜂そのものが直接的な原因で牛が死亡する事故は一般的ではありませんが、分蜂や巣が刺激された結果、大量のミツバチに刺されて牛が死に至ったという海外の事例が報告されています。 」なんてのが出てくるが、でも日本でもその事例はある。
 少年期に読んだ羽仁進さんの児童書『花をもとめて3000キロ』は、養蜂家一家の話だが、その話の中で、分蜂時の回収トラブルで、牛が1頭、ミツバチの大群に襲われてショック死してしまい、補償問題で苦労する下りが書かれてあった。タイミングと、行動によっては、確かに気をつけるべきだ。分蜂時のニホンミツバチの集団を撮影したものを見ると、やっぱりこれに総攻撃食らうようなことは、このような群れを普通に養蜂をやっている方たちが、巣箱に収める様子など見てると、まあよほどのことをしない限りないを感じる。素人は過距離を取っておいたほうが良いと思う。アナフィラキシー・ショック・リスクのある人は単騎にも気を付けましょう。
 少し前の生態学会長と同じフィールドで仕事をしていて、その森林の中で、前年度にいきなり小さな鉢に刺されて昏倒したと話された。当時は自分もろくな知識がなくて、チビアシナガかも、みたいな話を訊いてへ―って思っていたが、考えたら福島にそんな南方産の種は居ない。種に関してそんないい加減な話がチームで出回ることはないと思うので、私の聞き間違いだと思う。脚長ならたしかに種類は多いが、森林性で割りと錠剤度が高く、刺される件数が多いとなるとこの事案は違うかもしれないが、案外野生のニホンミツバチトラブルは少なくないかもしれない。

花をもとめて3000キロ ミツバチ一家のたび

羽仁進/

★★★★



 飛来したスズメバチが単騎の場合、これは斥候(巣に近づく動物を偵察し、威嚇や警告を兼ねて周囲を飛び回る役目を持った個体)。この斥候ハチには刺激しないことが重要、この段階では襲われることは少なく、更にいわゆるヒャッハー状態で集団での襲撃に発展することは少ない。刺激せずに、動かず、間違っても手で払ったりすることなく、木化けモードでやり過ごす。様子を見ながら、静かにゆっくりと、走ったりせずその場を立ち去るのが正しい対処だ。

 そのためには、静かに周囲を良く観察して、周囲にスズメバチの巣がないかを最低限確認したいところだが、素の近くであるほど襲ってくる個体が多いので、貴方を襲ったハチが十頭以上なら、貴方は素の近くに居る。襲われていれば、刺激しないようにして何ていう段階ではない、何も考えずに森林の中だろうと頑張って可能な限り早くその場を離脱する。
 このあたりまでは普通に教えてもらえるし、検索しても割とよく出てくる情報だ。書いている人は、大抵はサバイバーではないから。
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 だから、スズメバチが集団での襲撃モードになったときの対象法に言及したテキストはほとんどない気がする。それほど大した話ではないが、そこから先の話を書いておきたくなった理由だ。

 本気で襲ってきたスズメバチに対しては良く観察して種を同定するなんてのは後で良いと思うが、運良くコガタスズメバチだったら、数等が飛び回っていても、襲ってきても執拗に何頭も襲いかかって刺してくることはない。
 貴方を襲いに来ているスズメバチが、オオスズメバチやキイロスズメバチであれば、攻撃性や戦闘能力はほんまもんの地雷を踏んでしまったと考えるべきだ。コガタスズメバチは庭に営巣したことが何度もあり、一回目は最後まで大家を頑張った。二回目はご金との協会側にあったのでさっさと巣ごと捕獲して食べた。言われているほどは攻撃性はゼロではないが、玄関先に彼らが素を構えていても最後まで一緒に暮らせた。彼らに攻撃される場合は、巣の存在を知らずに脅かしたときに限るので、オオスズメバチやキイロスズメバチみたいに手の内において観察することがまだできる種ではある。何度も書くが、来客も含めてアナフィラキシーショックリスクがあるから、絶対に真似しないように。
 ヒメスズメバチは、アシナガバチ(幼虫や蛹)を専門で狩る種だが、以前、本種を扱っている研究者の方が、本当におとなしいので逆にショックを受けたと言っておられたし、実際にそういう種だ。もちろん本種も、一発刺されたときのアナフィラキシーリスクの高い人にとっては、余計な冒険はしないほうが良い。

 ちなみにオオスズメバチであれば庭に巣を構えることはないので、まあ、遭遇するのは森林内だ。キイロスズメバチは「自然にある環境に作られるだけでなく、軒下、屋根裏、橋の下、看板の裏、ゴミ箱の中など、我々の身近に存在する人工的な場所にもよく営巣」するので(上述の上野高敏『スズメバチ事典ーキイロスズメバチ』https://www.agr.kyushu-u.ac.jp/lab/ine/ueno/suzumebachi4.html)、むしろ集落内に営巣された結果の事故や死亡例来のほうが多い。今でこそ、ツキノワグマやヒグマの人的被害事例が多くなったが、日本の野生動物で、最大年間20人超えもある、最も多くの人を死に至らしめてきた眷属だ。
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 キイロスズメバチに襲われたときの記録はここ(「黄色雀蜂」)。私に、まふっと叩き潰された個体たち。ケースに標本として入れたときには実は伸びていただけで、何頭かは後で復活した。見かけ以上にとても強い生き物。
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自分の首を絞めてどうすんだ。ちゃんと「スズメバチの首」ってスクリプトに書いてもこれだ。
トップの生成画像モ、右腕を左の二の腕にかけて、左掌でスズメバチの後頭部を押し出すようになんて書いたけど無駄だった。
やはり笑いを取るための生成AIになってしまう。まあ体全体にある気門で呼吸する昆虫には無駄だと思う。
それを言い出すならこの大きさの昆虫が活動するためには、今の地球の酸素部夏では無理という話ではある。

 15年ぐらい前に流行った、クマの倒し方やゴリラの倒し方みたいな技が使えれば楽なのだが、そうはいかない。いや、連日熊に襲われた方のニュースが流れる状態で、今や不謹慎とも言えるジョークになってしまった。
 最初のAI画は、そういうのをイメージして大きなスズメバチをスリーパーホールドで締緒を鈴を書かせようとしたのだが、失敗した。何故か、何度AIに修正を求めても、男が自分で自分の首を絞める画ばかり吐き出してくるので、AIにおちょくられているなぁと思って、諦めて、一番マシな絵を出した。
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 ついでに、でかいスズメバチをジャーマン・スープレックス・ホールドで仕留めている画も、こんな感じ。なんとなく一人バックドロップみたいな自爆技にも見える。プロレス会場は湧きそう。
 丁寧な英語のスクリプトで指示したけど、あまりにもハイブローな要求であったらしく、身体性を持たないAIには私のスクリプトでは、理解できなかったようだ。1年前はAI画ではカセットデッキが理解できなかったけれど、今は何故かNakamichi風の画を吐き出してくるようになった。そのうち無料版でも描ける様になっているかも。

気を取り直して、私の個人的なスズメバチ類への対処法。そのポイントは2つ。

①襲ってきたスズメバチは、手で払わない、上から硬い体を潰す勢いで、内臓が吹き出すぐらいの手加減無しで、思いっきり叩いて潰す。
パニックになった人は、これができなくなる。払おうとするのだ。それが被害を増やす。一撃一殺、処理時間最小にして黙々と処理する。多少被弾しても毒針を差し込んでくる個体を躊躇なく上から叩いて潰していくのが重要だ。
 使える技としては空手で言う「鉄槌打ち(てっついうち)」が良いかも。正拳と同じ握りで手の小指側の面、すなわち鉄槌にて相手を打つ技、一撃で相手を攻撃不能になる打ち方をする。もちろん平手でも良いが、即行動停止するだけのダメージをを与えられるのなら、何だって良い。踏み潰している暇はない。②に繋げねばならないから。これは案外ヒトが他の哺乳類に比べると得意な技かもしれない。
 スズメバチは、甲虫ではないが外骨格は丈夫であるので、手加減無しで叩き潰す。すぐに別の個体が一斉に襲ってきているので鉄槌乱れ打ちのまま、②を行う。

②森林内でもどこでも可能な限り全力疾走で離脱する。①を冷静にやりながら最速で離れる。ともかく、彼らの巣からの距離を稼ぎ攻撃圏外に脱出する。
 既にその状態だと「走ったり刺激したりしてはダメです」、の次の段階なので、何も考えず森林内を全力疾走する。日頃のフィールドワークの力量が試される。高齢者のハイキングみたいに自分のペースで登山してみたいな経験しかないとかなり苦戦すると思う。でもやれることは①と②だけだ。林道や遊歩道など、更に効率良く走って絶対距離を取れる場所に移動できれば、ともかく距離を取る。おおよそ私の経験だと、100☓100m調査コドラート1~2つ分ぐらい離れれば、大丈夫だ。体力のある学生さんには「スズメバチに襲われたら体に張り付いたやつを叩き潰しながら、森林の中でもどこでも、300m何も考えずに走れ」と教えた。もちろんそれでぶっコケて大怪我するリスクもあるが、それぐらいは目録以上のフィールドをこなしている人にはそう伝えている。限界距離は測ったことはないが、完全に安全圏となったときの感覚では、200~300m離れれば、それ以上襲われることは絶対ないと思う。

 そこに至るまでに、どれだけ攻撃を受けるかは、どれくらい叩き潰しながら走れるか、少なくとも、やられ放題のリンチモードに陥らず、病院に行って普通に対応してもらえる状態で生還したのだから。
 基本、単騎で襲ってくるのは、真っすぐ飛んできて急降下は苦手なので直前にさっとダッキングで交わしながら離れろと、私のVespa専門の師は、酒飲んだときの武勇伝で言っておられた。多分それは無理だと思った。そんな、あなた、見切りの太刀と流水の動きが必須みたいな技をと当時は思っていた。
 師に訊いた。「そうやってやりすごしてもまた来ますよね。」「そうだ、すぐにすごい顔してまたこっちに向かってくる。」完全にスズメバチと師は遊んでいるようだった。真似しないほうが良いと思った。

 「払わずに叩き潰せ」、と云うのは勿論、師の教えだ。本当に貴重な教えだった。パニックに陥った人はそれができず払ってしまうというのは先に書いたとおりだが、叩き潰して攻撃してくる個体数を削りながら、遁走するという方法のおかげで、なんとか最悪の危機のときにも、パニックに陥らずに、大したダメージもなく生還できた(直後に病院に行って手当を受けたが、しばらく刺し後は疼いて、当時6箇所ぐらい刺されて2年ぐらいは痕が残ったことを付記する)。
 なお、襲ってくるのが数頭だと、経験値の高い昆虫屋さんは手元の捕虫網でさっさと捕獲して、攻撃不能にしてしまうのだが、そちらの方は、捕虫網の携帯含め、一般向けとは言い難い。しかし最初、後輩のその技を見たときには、ちょっと感動してしまった。特に連続技となるバックハンドの高速スイングが格好良かった。蝶(の研究)やってれば、これくらい誰でも振れますって彼が言うのを訊いて感服したものだった。

追記ー最近あまり音楽ソースを貼ってないので、スズメバチに絡めてバットマンとのコラボもあった謎のヒーロー『グリーン・ホーネット』のテーマでも。ホーネットの助手は武道の達人でもあるアジア人のMr.カトーは、当時、ブルース・リーのTVメジャードラマ出生作だった。考えてみたら、George Takei氏の演じた、スタートレックの東洋系パイロット士官、ヒカル・スールーも日本語版ではMr.カトーだった。

 リムスキー=コルサコフ「熊蜂の飛行」とも共通点を感じるのは、ハチの羽音からインスパイアされた曲だらかだろうと思う。

Commented by umi_bari at 2025-10-18 21:28
スズメバチさんは怖いですよね。
駆除も大変です。
個体対個体ならオニヤンマさんが勝つようですが、
数が違いますね。
個体数が増えているのは、温暖化でしょうかね。
我が家でも巣がありましたが、早期に駆除出来ました。
Commented by complex_cat at 2025-10-18 23:08
オニヤンマはあの、特に特殊化もしていない用に見える6本の脚で、スズメバチみたいな強力な昆虫でも捕まえて捕食してしまう様子はすごいものがありますね。
捕食性昆虫ではないカブトムシやオオムラサキなども、結構果敢に彼らと戦って樹液を確保したりしてるのに驚きます。
家屋に作られると、やはり事故リスクはありますし、キイロスズメバチは攻撃性も高く、以前、老人が車椅子で逃げられず無くなった事例があります。
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by complex_cat | 2025-10-18 20:17 | Wonderful Life | Trackback | Comments(2)

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