大会に出る?
2005年 09月 28日

来月だったか開催される大会に出ると,自分の意志だけで勝手に先生に伝えてしまったということです。殺されないように,少し,自主練習も含めて頑張りなさいと葉っぱをかけました。本日,自分より上級の帯を締める同級生の女の子と,組み手をやったせいもあって,死んだように寝ております。当然,心配するであろうワイフをどうやって説得しようか,それを考えて何となく眠れませんでした。その夜,なぜかチコは,長男のガーディアン・キャットをやっておりました。暇がないとき撮れるのは,彼らが寝静まった後の,こんな写真ばかりです。
真っ暗の寝室でしたので,レンズの距離目盛りを2mに合わせて,昔ながらの目測スナップですが,開放でなければ,これで結構,大外れはありません。
Canon EOS Kiss Digital N, Carl Zeiss Distagon 1:1.4/35 T*
とりあえず,私が作ったメニューをしっかりやるということで,ワイフは説得しました。
「あのね,空手の強さってなんだか分かる?」
「???」
「それは練習量」
「え?」
「いろいろあるけど,もの凄い回数の練習をしないと全部無意味なの」
「どれくらい?」
「お父さん,一番練習していたとき,突き蹴りだけで,左右の手足,一日4千はやってた。」
「・・・(笑って私を見た)」
「体壊れるから,お前みたいな小さな体でそんなにやっちゃいけないけど,すこしがんばりな」
「分かった」
誤解の無いように書けば,4千本は,もちろん基礎練習としてやっていた分です。
息子は,超初心者ですから,組み手になるとあまりにも突きがむちゃくちゃで,太鼓を叩いているようになるので(仮面ライダー響か?!),とりあえず,それだけを直しました。
1 臍の前に掌を上に向けて,逆突きの構え。その上に消しゴムを乗せて見せます。
2 体重を後ろ足(右突きの場合は右足)に9:前足(右突きの場合は左足)に1を乗せる。
3 体重を前足に移動して,前足9:後ろ足1に重心を送って止める。
4 慣性で消しゴムが前に飛んでいく。
5 この飛んでいく消しゴムを自分の拳とイメージして突く
これは,空手の突きとは違う中国武術の崩捶(突き)のイメージ練習法です。拳撃についてのディレクターを作るのにはとても訳立ちました。崩捶を練習したお陰で,ミットの上から,「c_c君の突き,結構,芯まで響くねぇ」と,最初の師に言わしめた突きを身につけることが出来ました。私の最初の師は,身長160cm,体重40kg,それが太極拳の技をちょっそかけただけで,私がふわっと浮きました。今でもあの師には感謝しております。見かけからもの凄い偉丈夫か,筋肉お化けみたいな師匠,或いはウシが人間の着ぐるみを着ているような師匠だったら,ただの好奇心だけが強い素人のガキが,武術の深遠さに気づくはずもなかったはずですから。
中国武術の突きが,拳先は単なる作用点で,体重を乗せた一種の体当たりになっていることが理解できます。実際には,これに後ろ足から腰に回転を伝達していって(腰を完全に廻しては駄目で,太股の付け根と腰の接合部分は折れたままの範囲で回転を伝える)拳先まで回転を繋げて力を伝達することで(転糸勁),身体の内部で加速して威力を上げます。最後には,数センチの体重移動にまでコンパクトにまとめることで実戦に使えるようにします。達人になると,重心の高速移動を体の中だけでやれるので,見かけは,全く凄い威力が発動しているように見えなくなります。いわゆる,見ていて威力が分かる明打に対して暗打と呼ばれるもので,カードマジックの究極の技のように,力の発動の経路,勁道についても横で普通に見ていても全く分かりません。ちょこんと当てた拳の先で,天上から吊した殻付きピーナッツがバラバラになり,あのパンチ力を測るゲーセンの遊びで,とんでもない数値が出るのを見たものも後輩におります。
瞬間的に数センチの体重移動を行う方法は,歩法の中にあるので,テキストでは解説しにくいのですが,八極拳や陳家太極拳の二路などでは,底足あたりを軸にして踵を押し出す動きなどでそれを行っております。もちろん,それは一例で技や,門派によって,威力の練り方は異なっております。勁道を練る場合に,やっぱり役に立つのはジンブレードとか,センターとかといったディレクターです。
あと,息子の段階だと,拳をしゃくり上げるように突いてしまうので,肘に当たる部分のディレクター(これは別の機会に解説)を教えてやります。それと,人差し指を伸ばして突かせます。しゃくり上げたり(これは馬拳と言ってそれなりの用法があるのですが)太鼓を叩くような動きをしないように,それで規制できます。フロント方向へのディレクターをイメージさせると,最短距離を拳が走り無駄が無くなります。
また,蹴り技でセンター(体軸のディレクター)を作るようにしっかりと練習をするのがよいのですが,これが初心者かつ少年にはなかなか難しいのです。私の場合は,薩摩の秘剣における基礎練習法で補ってました。示現流及び示顕流ではなく,島津藩主の警護のために練られた流派の方です。八極拳の双節棍(日本のヌンチャクとは違う,本来は対騎兵用の兵器)を取り入れた練習に類似のものがあります。
私が関わるとは言え,歩法やディフェンスやここまでで息子が道場で習っていない技を教えることはしませんし,またできません。それは彼の中で少しは利用できたとしても,ただのケレン技で終わるでしょうし,流派にあった矛盾のない動きがとりあえず出来つつあるので,今はこのままのスタイルでやらせたいなと思っています。ともかく,小二の小さな体をこわさないように練習量を増やしていくことだけを考えております。
今のままでは,如何にプロテクターがあるとは言え,あまりにも可哀想なことになるのは明かですが,とりあえず,明日のためのその一,センターの構築と自由に動ける重心移動のための基礎,練習量が威力へと変換されるところの基礎だけは少し,家で教えようかと思います。
だけど,大会は10月の終わりだっていいますから,とても,間に合うものではありません。でも,試合を息子なりに経験できればよいので,何ら問題はありません。
少年部のクラス分けについて,流派の事務所に訊いておかねば。

空手の試合に出ると言いだしたくだりは,前回のアーティクルに書きました。まぁ,幼年部は,扱える威力も大したことはないので,今時のプロテクターを着けていれば,そんなに酷い目には合わないでしょう。問題は,押されたり引き倒されたりして転倒したときの受け身の問題です。スーパーセーフ型のヘッドギアは後頭部は弱いから。 ヘッドギアは,練習用のは購入しましたけれど,幼年部の試合は借りられるそうですが,やがて試合用も買わねばならなくなるかも知れません。 とか,親はいろいろ考えたりしているのですが,本日,長男...... more