生息場所選択 (Microhabitat selection)

生息場所選択 (Microhabitat selection)_b0060239_2057323.jpg
冬になれば,データをとっている関係上ツルの画ばかりになります。いわゆる鳥類愛好家ではないので,そういう方からみると,あんまり面白くない画ばかり撮っているかも知れません。
 烏合の衆でなくて,鶴合の衆という感じですが,無目的で群れているわけではありません。よく,縄張りを作っているのは家族群で,中規模以上の集団は非繁殖個体が集まっていると言われておりますが,実体は,日和見的に行動して,テリトリーを作らなかったりする家族群も含まれており結構複雑です。
EOS Kiss Digital N, Carl Zeiss Sonnar 1:2.8/180 T*+Mutter II T*(35mm換算で560mm相当)


生息場所選択 (Microhabitat selection)_b0060239_21153493.jpg
ナベヅルGrus monachaは,世界規模でみると絶滅が心配されているツルですが,出水平野には1万羽近く集結して集団で越冬しております。出水平野の水田にいるところを観察していると,余りピンと来ませんが,本来大陸の方で,比較的乾燥した山林の麓などで繁殖をしている種です。
EOS Kiss Digital N, Carl Zeiss Sonnar 1:2.8/180 T*+Mutter II T*


生息場所選択 (Microhabitat selection)_b0060239_21103395.jpg
これに対し,マナヅルG. vipioは,本来は大河周辺の湿地が豊富な環境で繁殖を行っております。
 ドライかウェットかという二種の基本的な利用環境選択は,実は,水田ばかりの出水平野においても,微妙に影響しております。ここ,東干拓と呼ばれる干拓地は,もともと降雨などで雨が溜まった二番穂水田などがまとまって存在していたため,マナヅルが集団化していた場所です。本来の利用環境に合わせた一種の理想分布状態(資源分布に見合った個体が分布すること)にありましたが,現在は,国の施策でねぐらと人工給餌が行われて,また,裏作なども行われるようになり,また,さらに別の理由が働いて,10年前にみられたような,この生息場所分離は,ある意味で観察しにくくなっています。その話は,また別の機会に。
 マナヅルのずんずん歩き(実力伯仲(Battle of white-naped cranes)を参照)をみると,私は,いつも巨神兵を何となく連想してしまいます。「風の谷のナウシカ」映画版の最後に出てくる,どろどろに溶けた奴でなくて,ナウシカのオープニング・タイトルでみる兵器を持って歩いて去っていく奴。或いは,映画版‘I Robot’で見た,あの迫ってくるロボットのイメージ。
EOS Kiss Digital N, Carl Zeiss Sonnar 1:2.8/180 T*+Mutter II T*
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by complex_cat | 2005-12-28 21:19 | Wonderful Life | Trackback | Comments(0)

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