人気ブログランキング | 話題のタグを見る

PENTAX ME with smc PENTAX-M MACRO 1:4/50

書きたい記事は,イノシシから石油備蓄基地,はたまた,ψモーターと科学と非科学の話まで沢山あるのですが,本日から,仕事がかなり詰まった状態になりそうです。で,現実逃避にも限界があるので,今まで機材やカメラ自体の画でアーティクルを作ることはなかったのですが,そのたがを一部外します。
 ただ,ご紹介したカメラとレンズで撮影した画は,後日載せると云う作戦で行くことにします。この「時間稼ぎ」を自分に許すことで,アーティクル作成の負担を軽くしようと云うわけです。これを作品も合わせて準備するとなると,フィルムスキャンだの,現像に出しに云って受け取るだの,一日のアーティクル作成の作業量を減らすことが出来ませんので,デジタルばかりの画にならないようにするための苦肉の策とご理解下さい。
 このカテゴリーで扱おうというのは,1960〜80年代のセミクラシックと呼ぶには,ある意味何処か中途半端な,その上,それなりのテクノロジーで電子化されているから,壊れればパーツもなく修理不能の,ある意味,崖っぷちカメラと言えなくもないカメラ群などなどです。まぁ,修理を引き受けるところもあるのでしょうけれど,基本的には,ジャンクからの流用とかで何とかしているわけで,かつてのカスタムICまで作ることは出来ませんから,矢張り修理も限界があります。
 作られた時代から「三丁目の夕焼け」の世界に近い,三−四丁目の夕焼けカメラということで,カテゴリーはそんな長いテキストを受け付けませんでしたので,‘Camera in 3-4 chome’となっております。
 で,能書きを書いていたら疲れちゃいましたが,まだまだ書かねばアーティクルになりません。

PENTAX ME with smc PENTAX-M MACRO 1:4/50_b0060239_22434517.jpg

 本来なら,TTLストロボ調光を持ち,防滴処理がなされ,ファインダー交換により,ハウジングに納める水中カメラなどで未だに活躍している,余り高給取りでないお父さんたちの強い見方であったPENTAXが,プロ嗜好を目指して作り上げた最後のMF一眼レフLXが,この眷族では憧れなのですが,私の個体は,ペンタ部に凹み傷などもあって,標準マクロレンズに,ペリカンの防水ケースまで着いて,おまけで手に入ったPENTAX MEです。

 モデルチェンジで1/2,000の高速シャッターやLEDを使ったマニュアル露光といった武器を持ったPENTAX ME SUPERではなく,また,小型軽量路線の牙城を崩されたOLYMPUS OMへの対抗意識を持って生み出された世界最小,最軽量の機械式マニュアル一眼レフカメラMXでもない,ただのMEというのが,なかなかクールです(なのか?)。
 このカメラ,特に,特筆すべきは,ペンタ部を除いた部分のその背の低さです。これは,OM系をぶっちぎるため,何となくバランスの限界まで低いフォルムになっております。私の短い親指分の高さしかありません。
 本体重量も公称460g。零戦のごとく,当時,小型軽量を第一のスペックとして,先行して出された全てのパーツに対しての見直しから徹底的に小型軽量化を図ったOLYMPUS OM-1が520gですから,これはもう,このカメラを手にするだけで,CPに優れた大衆化カメラ且つ,軽量コンパクトなシステムカメラを作ってきたメーカーとしてのもの凄い矜持を感じ取ることが出来ます。
 OMでOlympusに先にやられちゃったことはよほど悔しかったのか,姉妹機のMXなど,シャッターダイヤルをレンズマウント部に持ってくることで小型軽量化のブレークスルーの一助にしたOMシリーズに対して,それまでのモデル同様,軍幹部にシャッターダイヤルをレイアウトしたことを,「小型軽量によって,大切なことまで変えてしまってはいけません」などとカタログで誇ってから,もろに揶揄する喧嘩モード。こういう意地の張り方は好きです。いいぞう。技術屋はこうでなくては。


PENTAX ME with smc PENTAX-M MACRO 1:4/50_b0060239_22203397.jpg
でも,このカメラ,SPからの巻き上げ終了マーカーやフィルム給送の確認インディケータなど,アサペンらしいユーザーフレンドリーな機械的的ギミックが満載。シンプルな絞り優先AEに機能を絞って,それでも機械式の×1/100シャッターや,B,使いやすい露出補正ダイヤルなどの必要最低限の機能は端折っておりません。

PENTAX ME with smc PENTAX-M MACRO 1:4/50_b0060239_221730100.jpg
ファインダーもすっきりしておりますし,OM系のようにペンタのアルミ蒸着が黒ずむエージングトラブルも余り無いような気が致します。
 レンズは,平凡以下のF4のマクロで,かなり暗い印象を持つレンズで,定番の奥目のマクロレンズの前玉が,ことさら小さく見える気がします。もちろん打倒OMシステムのために,本体同様,コンパクトに設計することが至上命令だったと思われるこのレンズ,キルフィット・マクロキラーのような変態レンズと違って,等倍まで行くわけもなく,全てにおいて,そのコンパクトさ以外は凡庸を貫いております。本体と合わせて,お父さんのお小遣いで買いやすいようにという,誠に分かりやすいコンセプトの代物でした。
 本機について,更に詳しいことを知りたい方には,素晴らしいサイトがありますので,こちらをご覧下さい。
 また,私のポンコツと違って,写っているMEが美品だこと。
 さて,その標準マクロレンズの写りは如何に(つづく・・・のか?)
Commented by ayrton_7 at 2006-01-04 23:57
ヤシコンの代わりになりうるレンズ・カメラシステムを考えているときに、ME superを手に入れようとしていました。しかし、状態の良いものが見つけられず困ったのを覚えています。
Commented by Lilywhites at 2006-01-05 00:04
うん、判りやすい解説でした。零線&余り高給取りでないお父さんたち、っていうのがそれって私?と大笑いしてしまいました。MEお持ちでしたか!こういう一級品から外れたけど当時のお父さんカメラ、いいですね!三丁目の夕日カメラっていうネーミングも逆にバイタリティーで乗り切る精神、気高さすら感じます。
Commented by complex_cat at 2006-01-05 06:58
ayrton_7さん,Zeissが最初に,「日本人の嫁」を探したとき候補に挙がったのがアサペンだったという話やあるレンズの設計をZeissに売ったは話は有名ですね。私もMX やME superな奴を欲しいと思ったことがあります。アサペンはちゃんとデジタルも出しておりますしので,本体側に投資してしまうと,さらにKマウントレンズや今のデジタルシリーズが欲しくなると思って我慢しました。
Commented by complex_cat at 2006-01-05 07:14
Lilywhitesさん,標準マクロ手に入れたら,着いてきて手に入ったカメラです。私の父を想定して書いてます。家計への負担を考えてニコンに手を出せず,SPを使っておりました。
Commented by nezumineko at 2006-01-05 21:49
とても、魅力的なメーカーですよね。
私がよく遊びに行くブログでは、かなりシェアが高くて気になって気になって、仕方がありませんが。。。
キャノンとのマウントアダプタがあるようなので、そのうち手を出してしまいそうです。
Commented by complex_cat at 2006-01-05 21:54
nezuminekoさん、Kマウントアダプター、ありましたか。MD/MCのアダプターがほしいのですが、フランジバックの関係で無理みたいですね。
Commented by yusuke at 2006-01-06 01:20
ペンタックスMEいいですね、私の写真デビュは父のKXでした。その後キタムラでジャンク品500円で売られていたME superを買っていろんな所に一緒に行きました。貸した後輩にシャッター幕に指突っ込まれて、今じゃ置物ですけど。だめ元で修理に出してみようかしら
Commented by complex_cat at 2006-01-06 07:30
yusukeさん,あーもったいない。私も,適当に人に貸したら,OM-2のミラー,真っ黒になって戻ってきたことがありました。状態の良いモノは,ヤフオクでも結構強気で取引されておりますね。K2, KXとか,未だに一寸,惹かれることがあります。いかんいかん。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by complex_cat | 2006-01-04 22:38 | Camera in 3-4 chome | Trackback(1) | Comments(8)

Necology(=猫+Ecology) and Nature Photo Essay, Camera classic, Martial arts & etc. 本サイトはhttp://complexcat.exblog.jp/です。画像はクリックすると大きくなります


by complex_cat
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30