排他的唱和−Unison Call
2006年 01月 05日

実際,行動の意味もわからず撮っているバードウォッチャーが結構おられますが、番(つがい)同士の強力な縄張り排除行動に組み込まれた共鳴きです。詳しい行動シーケンスは実力伯仲(Battle of white-naped cranes)をあわせてお読みください。

CONTAX 167MT, Carl Zeiss Sonnar 1:2.8/180 T*
どちらも夕方、照度ぎりぎりで、特にナベヅルのものはカラーバランスが崩れて、被写体ブレがあります。まともなのが撮れたらあげなおします。
このあたりは、競争関係の記述にもよく見られる混乱と似ていて、検証は難しいのですが、生息場所の分離、要するに棲み分けがきっちり出来上がっている二種の関係のほうが、競争が協力である結果であり、いまだに干渉的競争(相互に何らかの直接的なコンタクトによる干渉が生じる競争)が生じている二種の間よりも、競争関係が強力であったというようなことが言われることがよくあります。これは、基本的に進化的な時間スケールで競争の存在の有無を考えるか否か、視点の違いに過ぎないという考え方もありますが、例えば「二種が競争が生じていないように振舞っているのは過去に強力な競争があった証拠である」という前提を決めてしまうような話なので、すっきりしません。
片方の主を取り除くといった、実験的競争的排除則の証明というような、「短期間のうちに目に見える競争」という次元で競争を捉えていくような研究には、このようなややこしい問題は発生しないのですが、スケールをどうとるかで、競争の意味も捉え方も、また変わってしまうということです。
ちょっと時間があるときにまた、この話、もう少しわかりやすく身近なアナロジーによる楽しい話として書き直したいと思っております。今は、自分自身の覚書として書いておくことをお許しください。

