minolta SR505 with MC/MD Rokkor
2006年 01月 17日
画像,一寸Olympus OMのカタログを意識しました。
それで,この描写が素敵なチープ・レンズを本来の銀塩フィルムで末永く堪能しようと思うと機械シャッター機が欲しくなり手に入れたSR505は,minoltaブランドの最後の機械シャッター機です。これ以降,アナログ制御AEとは言え,電子制御シャッターを搭載したXE(ホットシューなど一部の部品はSR505と供用)が主戦機となり,最高級機X-1ももちろんソレノイドが仕事をする電気カメラで,その後の世界初の両優占AE機,“Just my type!”のXDへと続きます。いわば,このメーカーが電子カメラ一本でやっていく前夜に中継ぎのように登場したカメラで,日本の一眼レフカメラ黄金期の朝ぐらいに当たるカメラでしょうか。
さて,本機の特徴として,当時のミノルタが誇ったCLC (Contrast Light Compensator)が付いていることです。上下二分割の評価測光のようなもので,空の明るさに露出が引きづられて,アンダーにならないように補正がかかるというもので,もちろん電気的アナログ制御,この後継機のAE機であったXEにも採用されていましたから,結構,メーカーが自信を持っていたメカかと思います。実際,縦位置にしたら機能しませんが,そうやって補正の実際を知ることが出来るので,条件にもよりますが,1.5〜2段分近くは補正が働いていることがあります。
因みに,MDレンズを見るとOMショックの影響はこのメーカーにも働いているようで,MCに比べて全体的に小ぶりに設計されております。MDレンズは,世界初の両優占AE機,XDの登場と共にMCレンズから仕様変更されたものです。簡単に言えば,当時,絞り優先のAEシステムしか持たなかったminoltaが,シャッター速度優先のAEをカメラに組み込むときに,実際は,シャッター速度優先モードであっても,絞り込まれてからそれに見合ったシャッター速度を選び直してシフトするという,いわば,フィードバックがかかるような,瞬間絞り込み絞り優先AEと同等の制御をやる仕様にしていたわけで,そのための信号ピンが存在するレンズということです。両優占AE機を最初に出したのは,絞り優占AE機を作っていたminoltaですが,Canonのようにシャッター速度優先AEを基本にしたカメラを作っていたメーカーの方が,実際には,その後の両優占が標準化する時代に入って,システムの構造上,圧倒的に有利でした。
そのこともあって,それからずっと後のOlympusがOM-2Programで,同じようなことをやって絞り優先AE機にプログラムAEモードを載っけたカメラを作りますが,XDは,そのOM-2Pと同じく,若干シャッタータイムラグが大きいという特性を持っております。現在のような絞り情報を電気的にレンズと本体がやりとりするような仕掛けはマミヤが電気接点だらけのレンズシステムを持ったZEシリーズを出すまでは存在しなかったので,デジタル制御の高速フィードバックではありません。一種のカラクリ機械制御をカマして達成していた,フィードバック技術なので,これは致し方ありません。ただ,このXDの延長線上にプログラムAEやプログラム・シフトの種が撒かれているわけで,技術における「偶然と必然」を感じないわけにはいきません。プログラムAE等というものは,いわゆるコンシューマ・コンパクトカメラでは通常の露出制御方式であったにも拘わらず,レンズの開放f値でファインダーを覗かせて,測光を行うという,一眼レフの基本的仕様やプロがプログラムAEのような露出制御モードなどは必要としないという思いこみから,なかなか搭載されることがなかった技術でありますが,実際は,拍手を持って報道などの現場から迎え入れられたAEモードであったわけです。
最後にファインダーですが,minoltaの誇るアキュートマットが出てくるのは,このカメラの開発年代から遠く先のXG-Sからで,お世辞にも余り見やすいファインダーとは言えません。もちろんEOS Kiss D Nの何十倍も見やすいのですが。
いろいろな意味で,この時代のカメラは,現在デジタル一眼にまで繋がる,日本のカメラの進化における共通祖先形質が見られるということで,なかなか興味深い遺産でもあります。でも,このままだと,本体はともかく,描写の素敵なレンズまで遺物と化してしまうのですよね。だから,何処か,マウントアダプター出してくれないかな。素通しの奴を。M型ライカデジタル用でないと構造的に無理かな。
MCとMDの違いを今度調べようと思いつつ未だ良く判っておりませんが、懸案のXDを思い出してしまいました(笑)。本当のRokkorの実力はよく判っていないので、知ってしまうのが怖い気もしております。SR505もファインダー優秀そうですね。今時のデジ一と比較してはいけないんでしょうが、MF用デジってやっぱり待ち望んでしまいます。
いまでも押入の段ボール箱の中にありますが、動くかどうかはわかりません。数年前はシャッター幕はちゃんと動作していたのですが、そのころは写真に興味がなかったので箱に放り込んでしまってしまったのです。
そのうち探してみようかと思います。
件の件はもう一度,確認してご連絡します。
その為には、ミラーが無くて、液晶ファインダーで焦点を確認するような仕組みが必要かもしれません。
SR-T 101は,SRの元祖的カメラですね。ちょっと前まではオークションでよく見かけましたが,状態の良い実機は,少なくなりました。
フイルム需要が少ないだけに、フイルムカメラの製造には踏み切りづらいでしょうね。僕も2年間ほどデジカメばかり使っています。