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子猫はなぜ最強か 仮説その1


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いきなりの新入りの癖に,天真爛漫/傍若無人に振る舞っても,古株の猫たちは引くばかり。リビングは占領され,公陳丸とチコは,昼間は二階で寝て,公陳丸は,ワイフにくっついて部屋を移し,チコは,家の外に出たり入ったり,でも,二匹ともチビたちの居るリビングは避けて活動。絶対に入らなくなりました。
 私が帰宅して,わざと別の部屋で一人でパソコンたたいていると,二匹とも,私のところに話しに来ます。

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バトルになれば,でかい雄猫の前には問題にもならぬチビ猫,嫌いながらもなぜそこまで遠慮する? もちろん,チコが来たときも,公陳丸はそのように振る舞ったので,今回が初めてということではありません。で,その公陳丸をイライラさせて,好き勝手やって,まぁ最後には公陳丸と義兄弟関係となったチコも,今回のチビたちになす術無し。こうやって,別の部屋で誘導しないと,夜は特に,すぐに出てっちゃいます。二匹とゆっくり話もできません。なぜ〜?




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この質問にまともに答えてくれるテキストは,私の不勉強もあって,見たことが無いのです。まぁ,適当に書いて原稿料もらっている人も結構居ますから,テキストになっているからといって,ちゃんと行動学的にリーズナブルな話になっているかどうかは別問題ですが。
 考えられることに,場の問題があると思います。家の中は,彼らに引きにとっては,巣であり,いわゆるコア・エリア中のコアに当たります。そこにいきなりチビが出現した訳ですが,これが,猫以外の小動物なら,喜んで追っかけまわして遊ぶわけでして,彼らにとっては,獲物ではない,同族ということが理解できているはずです。
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おそらく,野生状態で考えれば,彼らの義理親の庇護対象=義理親の仔である可能性が高いわけです。実際にケアを受けている訳ですから。つまり,彼らの葛藤は,本来であれば,カイン・アベル・コンプレックスにも似た遺伝子を共有する兄弟が,その状況に馴化する間もなく,いきなり出現する状況に似ているのではと思ったりします。だから,攻撃対象にはできないのではと。そういう反応が進化的に固定していたら,親になったとき,次の仔を妊娠できなくなってしまうわけでパラドキシカルです。兄弟殺しには,いろいろありますが,未来の自分における仔殺しと同じ意味を持ちます。つまり,仔と親の利害は一致しませんので,そのせめぎ合いが存在するだけの理由,例えば,兄弟殺しが生じた場合の方が結果的に親の適応度が上がるような理由が存在しなければなりません。兄弟殺しが生じる猛禽類の場合は,本来の親の繁殖成功度の目標は1に設定されており,一種の保険のような状況で二羽以上の雛が生まれ,そして多くの場合,育つのは一羽だけということが前提になっており,そのような諸条件のもとで兄弟殺しが存在するわけです。いわば,兄弟殺しは親の適応度という演出家に寄る舞台の上で繰り広げられるシェークスピア劇のようなものです。その劇の演じ手は,自分が親になったとき矛盾無く同じシナリオで,次の悲劇の演出を手がける訳で,これは,そう振る舞うことで,より高い適応度を持っていれば,進化的に固定いたします。

 一方,ケア中の子供が居れば,通常の親なら,次の仔を妊娠・出産することは無い。これは,仔にとってはあってはならない事態です。到底受け入れられるものではありませんし,ケアされている仔にとっても,それらを死亡率がある程度かからなくなるように自立するまでケアしておくことをせず,放り出す親にとっても,非適応的な行動です。
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 だから,疑似親子関係にある猫たちにとって,仔猫の出現は,非常に混乱を招いてしまう事態なのではないのでしょうか。排除できる対象ではない,それが進化的に固定してしまうならば,親となった場合の適応度を下げる可能性があります。兄弟殺しは,自分が庇護を受けるステージにおいて適応的ですが,これは親=性成熟後の自分自身の適応度を下げる可能性がありますので,親のケアを通常なら受けられなくなるほど育ってしまった後なら,進化する可能性はかなり特殊な条件が必要になります。彼らは,餌資源の確保というケアを,基本的に親(義理親)に依存していますが,生理的には既に成獣のステージです。幼獣殺しは,ライオンのように雌の発情を促すという交尾の確保を前提にした雄の行動としては進化する可能性がありますが,自分が通常ならケアを必要としなくなった後,歳の離れた親にケアされている兄弟に対してわざわざ鑑賞しての殺しは,通常,本人の適応度を上げることはあまり期待できませんから,どう考えても進化的に固定することはないでしょう。
 だから,義理親という関係が成立していない,野良状態であれば,こういった成猫から幼猫への攻撃は,血縁がもし無ければ,周辺餌資源の確保ということから,それなりに適応的ですので,テリトリー排除のプロセスの過程で,生じてもおかしくはないでしょう。でも,公陳丸とチコは,体は生理的に親から独立してもおかしくない状態になっていても,私たちを義理親=庇護者としての関係を維持しております。混乱すると思いますし,どのように対応するか,反応としては複雑になるでしょう。
 たとえば,疑似兄弟関係がより強固な形になるか,自分たちの利用資源自体が目減りすることが無いと言うことを十分認識できるまで,彼らの混乱の状況は継続する可能性があります。だから,どうして良いか分からないから,引くしか無いので,チビ猫たちは,何もされないから,あたかも他の猫は空気のように振る舞うことができる場合が多いのではないでしょうか。この仮説は,古参猫側の反応を説明するには,不完全でありますし,具体的な接触のプロセスのデータを取らないと,見えてこないことも多いので,とりあえず,思いつく一個目の仮説としてのメモ書きです。でも,チビたちを一生懸命観察しております。別の個体が巣の中に寄生的な巣を構えたような,そのような混乱にも見えます。排除コストがものすごくかかるので,様子見ということもあるのかもしれませんね。そっちを膨らませて,仮説その2を次の機会に考えて見ましょう。

 ただ,猫は,個体差が激しく,このような反応においてもかなり個体ごとに異なったプロセスで進行するでしょうし,過去体験や学習の結果の判断など,高等動物なら,すべからく反応が異なって来ても不思議ではありません。だから,どのようなスケジュールで何が起こるかについても一般化することは,なかなか難しいと思います。
 言えることは,狭いところに閉じ込めるのが苦手でない個体ばかりの場合なら,それを行った方が,おしなべて進行は早い場合も多いのですが,決定的に相手を受け入れないということを学習の末,決定してしまう事件も生じやすくなります。結局,公陳丸とチコの適応能力を信じて,見ているしかないのかもしれません。
 ちなみに,公陳丸が,チコを完全に許すまでには,半年ぐらいかかった覚えがあります。ジタンを許すときもそうでした。アッシュは,やって来て一週間かかりませんでした。子猫側の性格を見ても,チコは噛みつきなど酷かったのですが(今も変わらない),ジタンもお猫よしのおとなしい子でしたから,あまり一般性が無いようで,相性としか言いようがありません。気を長く持って行くしかないようです。
Commented by yuu8972 at 2006-06-15 20:35
私、大雨と書きましたが、豪雨ですね。大丈夫ですか?
ニュース見て、鹿児島県はこの雨で大変と出ると、ここはc_cさん
が住んでいる県だなー、と。
子猫ちゃん達かわいいですねっ!そしてそう思うと、チコちゃんは
やっぱり嫉妬しちゃうかなあ(??)
Commented by complex_cat at 2006-06-15 21:21
ゆうさん,ご心配痛み入ります。
私の住んでいるところは,尋常じゃない雨が降ることの土地にあっても,全く安全です。ワイフと最初に住んだ家が結構裏が断崖だったりしたので,引っ越すとき浸水や崖崩れとは無縁の場所を,探しました。
 公陳丸もチコは,ご飯食べてチビたちの方を一瞥すると,すぐに離れて行ってしまいます。
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by complex_cat | 2006-06-14 20:56 | Cat Family | Trackback | Comments(2)

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