フィールド観察会

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外気温36℃を超えたこの日,近くの施設美術館の敷地内でフィールド観察会がありました。友人や恩師が講師となっていたので,久しぶりに顔が見たくなって,家族で参加。でも人数が多かったこともあって,下二人は,すぐに飽きてしまったので,ワイフと一緒に戻して,長男と私だけが結局残りました。
Canon EOS Kiss Digatal N, Carl Zeiss Distagon 1:1.4/35 T*

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気になった生物のショットを。キモグリバエ。ツワブキの中で2個体が3齢幼虫まで脱皮して,羽化して抜けたのが分かります。

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同じくツワブキの茎に寄生するツワブキケブカミバエ Paratephritis fukaiiの仕業。世の中いろいろなことを考える人がいるもので,『これはマムシが噛んで牙を折った痕である,マムシの卵は腹の中で孵化し口から出てくるそのさい,牙が邪魔になるのでツワブキの葉柄を噛んで折る』なんて話がWebに載っていてびっくり。
Canon EOS Kiss Digatal N, Carl Zeiss Distagon 1:1.4/35 T*

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長男が,杉の樹皮の隙間で見つけたもの。こういう状況になると,彼は次々とへんてこなものを見つけてきます。
Minolta DiMage A1+RAYNOX MACROSCOPIC LENS M-250

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恩師も虫眼鏡を取り出して,唸ってから「多分レピ(鱗翅目)の蛹だろう」ってことになりました。
 長さ3mmほど。もちろん私は,端からお手上げ。たいした林でなくても,そしていつもフィールドに入っている他分野の専門家が滅多にめにしないものが,出てきたりするのが不特定多数の人間が入る観察会のおもしろくも怖いところ。
Canon EOS Kiss Digatal N, Carl Zeiss Distagon 1:1.4/35 T*
 ちなみに,「レピ(鱗翅目)の幼虫」「ディプテラ(双翅目)の幼虫」と二つの分類がつけば,ほとんどのわけの分からないムシの解説になる場合が多く,話す方が一応専門家だと,みんな,フムフムと敬服して終わる場合が多いので,分野外のことまで説明しろという風に観察会の講師を担当したら覚えておきたいところです。
 それでも,しつこく種名を訊かれたら? 持ち帰って羽化させて自分で調べてみようととりあえず,言っておきましょう。
 オドリバエやタマバエの仲間や,微細な我の仲間など,幼虫で分かる専門家なんてまず居ませんから,それが正しい!

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これも,恩師にも正体不明。カメムシの卵っぽいがとのことでしたが,肉眼では同じ大きさに見えたのですが,こうやって撮影した画を見てみると大きさも不揃いで,成長して菌類になりそうにも見えます。
Minolta DiMage A1+RAYNOX MACROSCOPIC LENS M-250

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照葉樹の林は,特に夏は,顕花が少なくてマニアックな林なのですが,紫式部Callicarpa japonicaの花が咲き始めていました。撮る時間のないところで,フォーカス外れてました。フィルムCONTAX + MacroPlanar 60mmも持って行ったのですが,とてもじゃないけれど出番なし。
Minolta DiMage A1+RAYNOX MACROSCOPIC LENS M-250
そうそう,dojouさんの観察されている謎のUMAを恩師に尋ねてみようかと思い出したら,「最近は,どばっと画像送ってきてこれなんだと聞いてくる人が多くて困っている」とおっしゃられたので,「(うっと詰まって)ははは,おっしゃるとおりですね〜」と話を持ち出すタイミングを失ってしまいました。我ながら,気が弱いな〜。




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 恩師は,世界的な昆虫学者ですが,大学を移られたために,南九州への世界的な研究者(特に昆虫)の訪問者がガタ減りしたほどです。大きな国際学会が開かれたときしか顔を見たことがなかった(何せスーパースターなので,「話したこと」どころではなくて),あのメイナード・スミスなども,恩師がおいでになったときには,南九州を訪ねてきたのです。
 京セラの会長が寄贈したメンテナンスコストがかかる立派な会館で講演がありましたが,もちろん立派な入れ物があったから,彼が遊びに来たわけではありません。
 地方大学のハンディキャップは,そのあたりを理解している方が,あまり大学当局の上の方にいないというどこにでもある状況が,そのまま負の効果を発揮してしまうと言うことです。国立大学の事務当局って何であんなレベルなんでしょうね。一つには,今は知りませんがかつては縁故関係でかなり人事をやっていたという気がします。最近はそのような方は減ったと思いますが,何も(情報を)教えない,何も(情報)を知らない,態度も悪いという三重苦で,学生の質のひどさを言う前に,大学も何とかしてくれといいたくなる人がかつてはおりました。大抵,問題が起きにくいように学生対応の係りに居たりしました。
 今は若い人が就職難なので,たまに事務局を訪ねてみると,それなりに下の方はまともな人(普通の人)が増えたなぁと思っておりますが,旧帝大系でもガムをかみながら,足を放り出したまま,学生対応するという事務の兄ちゃんが居たりしました。他には,学生が手続きで並んでいるのに,延々と自分のしょうもない結婚時の話を仲間にしながら,仕事をしないおばちゃんとか。
 大学院時代,あるとき,先輩が耐え難きを耐え,忍び難きを忍んだが,思い出しても腹が立つ,やっぱり今から殴りに行くと言いだして,みんなであわてて止めたのを覚えております。
 ああ,書いているうちに私も腹が立ってきたな。思い出し笑いと違って,思い出し怒りという言葉はないけど,こういうのあまり体によくなさそうなので,止めとこう。

 画像は,暑くて眠くて自分の思ったように動けなくて,退屈でぶーたれた末っ子。
Commented by yuu8972 at 2006-07-30 21:33
こういう観察会って、すごくおもしろそうですね。
大学の事務の人、、、、国立は縁がないので、私立の場合ですが、
今どきは少子化の影響で、大学側はすごく親切です。事務の人と
話したことがあるのですが、懇切丁寧でしっかりしている。
私立って、やっぱり子どもが少なくなると存亡の危機なので、
発展させるために、サービス(笑)向上です。
Commented by complex_cat at 2006-07-30 21:44
ゆうさん、講師陣は選ばないと、平気で嘘ばかりというのもありますよ。
 かつては私立のような危機感がなかったのと、事務方というと結局公務員なので、まともな人はともかく、ひどい人でも人でも殺さない限り守られちゃっているところがあります。もちろん今の若い人たちほど、プレッシャーはかけられて、給料や退職金ももひどいものでさんざんです。ある意味、優遇されているのはずっと上の世代だけです。公務員の平均賞与とかの発表がありますが、あれはみんながもらっているように見えて、中央値で取らないと実態がわからないようになっております。
Commented by tryts at 2008-03-11 10:07
ご無沙汰しています。昨日ツワブキケブカミバエを採集したので,ググってみたら,このサイトが最初に出てきました。成虫画像が欲しかったのですが,何処にも見あたりません。そのうち,私の方でUPしようと思いますが,今回採集したモノは片方の羽がないものですから…。ま,そのうちということで。またお邪魔します。
Commented by complex_cat at 2008-03-13 20:15
trytsさん,こちらこそご無沙汰,そしてご返事が遅くなってすいません。成虫見せてくださいね。しかし,ここがググるとトップとは。
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by complex_cat | 2006-07-29 17:39 | Wonderful Life | Trackback | Comments(4)

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