FinePix F11 使用1ヶ月経過
2006年 08月 06日

Fujimfilm FinePix F11 (ISO800)
既に後継のF30が主戦機となり,市場ではたたき売り,まもなくカタログから消えるかもしれませんが,
短所を中心に書きます。基本的に良いカメラだと思いますが,撮影スタイルによっては,使えない方もおいでかと思います。実売を考えると,道具としてシビアに評価してどうするんだという方もおられると思いますが,それだけ道具として本気で使ってみる気になったカメラでもあります。逆に言えば,More以下のことを理解した上で購入できる方にはよいコンデジになると思います。
なお,F30は,以下の1),2),については変更されてないようです。水中ハウジングのできも含めて,他のところは分かりません。デジカメはカタログ落ちになったぐらいで,評価の高かったものを安く買わないと,損をするような気がします。F30はかなりこなれてきたと思いますから,そちらを狙うのがよいかもしれません。数ヶ月で状況は変わりますね。

本日,2回目のワクチン接種を受けたナッチとユッチ。ナッチは公陳に甘えますが,彼は,べたべたと甘えさせてはくれません。
Fujimfilm FinePix F11 (ISO400)

外に出ない二匹に,スペアミントとレモングラスを食べさせてみましたが,公陳丸同様,レモングラスを細く裂いたものがお気に入り。
Fujimfilm FinePix F11 (ISO400)
F11使用感
1)光学ファインダーがない。
コストダウンで最初に今時の設計者が切り落とす部分と理解できるが,これは,スローシャッターを切るときに致命的。
せめてネックストラップが標準で着いていれば,首に掛けて前方に引っ張り固定できるが,そのような配慮なんぞも考えたことがないのだろう。コンデジは,このあたりを高感度化と手ぶれ防止で押さえ込もうとしているわけだけれど,作り手も使い手もまともに使えるカメラとしての基本が理解されていないとしか思えず(携帯デジの延長としての商品開発)設計の自由度が高く今までの常識を越えた商品を開発できるという言い訳の元で,スタイリングやコストダウンというプレッシャーは分かるけどコストダウンの結果が標準化するのはあまりありがたくない。
2)ヒストグラムがない。
IXYのようにシャッター速度や絞り値の情報を見せない機種に比べると両優先AEが使えるのはありがたいが,ヒストグラム表示が撮影モードどころか再生モードでもないのは,これは結構困る。パソコンに落としてExifを見るまで,シャッター速度や絞りすら分からないIXYの徹底したスタイルでも,再生モードでヒストグラムは見られます。
3)xDカード
販売価格でSDに追従する企業努力はかなり大変なのだろうと理解できるし,パテント料を払ったらもうけもなくなるのだろうし,メーカーもユーザーも既に相当な投資をしちゃっているから,今更止められないと云うことも理解できるが,気に入らないのは,無様に飛び出しどこかに飛んでいく取り出し時の節度のなさ。こういうところはIXY等はよく考えてあって,プッシュしたら勢いが強すぎて飛び出して落とすと云うことはない。リビングでの撮影なら絨毯の上に落ちたのを拾えば済むが,フィールドでは下手すると沢に落ちてパーになる。特にスマメ時代からの接点むき出しの仕様は変わっていないので,気になるところである。
もうひとつ,バッテリー室内ロックがないので,カバーを開けて裏返したら,バッテリーも下手するとするすると落ちていく。もちろん落ちたら拾えばいいのですよ,川や海に落とさなければ。
4)ストロボリチャージ。
発光後,モニターがブラックアウトして,リチャージするしばらくの間,作動停止になる。この時間が異常に長い気がする。モニターが表示されないうえに,この暗黒の時間はストロボ発行停止などの操作を全く受け付けないからだ。これは,携帯デジからの,ぽん炊き初心者ユーザーを前提にした一種のフールプルーフかもしれないが,困る。アヴェイラブル・ライト派の私はあまりやらないが,連続ストロボ発光撮影は,撮影リズムが携帯デジと変わらなくなるだろう。
スローシンクロは便利だが,ストロボ撮影は,AWBでは,赤みがかかるコンデジによくある仕様。このあたりIXYなどは,よく練られている。F30のインテリジェンスストロボモードは,サンプルを見る限りかなり改善されていると思う。
5)奇体な充電・画像出力デバイス
充電デバイスは長いコードなど異常にかさばる。電源給送を必要とする信号出力ケーブルが寄生しており増築しまくった雑居ビルのような不思議な装置。電池だけ取り出して使える充電器ではないので,冗談のような。FinePixの潜在ユーザーとして街角の写真屋さんがAC電源のあるスタジオなどで証明写真を撮るための仕様かなと思うが,本機を使用中にはもちろん予備電池に充電したりできないのでFujifilmの開発者は不自由を感じないのか不思議。
短所の話ではないが,ちなみに電池寿命は◎。
今からスタイリス,ヘヤーメイクとともにモデルさんがスタジオ入りして,3時間ぐらいの撮影,数千ショットぐらい撮るよというような使い方をする人は,このカメラの使用者としてはまれであり,そういう撮影時間にメリハリのある使い方をする場合は電源入れっぱなしでどのくらい使えるかという性能が重要だが。
観光地や祭りの中を例えば1時間散策する場合でも,コンデジの華奢なレンズを飛び出させたままぶつけないように気を遣いながらプラプラ歩く人は希だろう。
よく連続何枚というような電池寿命の指標であるが,自動車の10モードと同じで,むしろ,一回の充電で,200枚程度を毎日撮って,1週間毎日使ってもバッテリーに余裕があるというような使い方とその説明の方がぴんとくる。このように電池寿命はすばらしい。もちろん,使用しないときは電源を切って使っている。熱ノイズが増えるので,電源入れっぱなしで使うことはほとんど無いし,起動時間が早いカメラは,カメラを構える間にスタンバイになるので,撮ろうと思ったときにスイッチを入れれば,間に合うものだ。その意味でも起動時間が早いという今時のコンデジの仕様は,バッテリー寿命対策でもあると言える。

銀皮の着いた霧縦の鰹が出回っていた。一皿目は文句を言わずに食べたチコべぇ。チビたちがじゃまするので,最近はここに彼の食卓を設定することが多いのですが,ナッチもユッチも刺身を差し出しても食べません。Fujimfilm FinePix F11 (ISO1600)
6)高感度ノイズ・ナチュラモード
最新世代のハニカムCCDは健闘しているが,高感度ネガフィルムを使った本家のナチュラモードの方が圧倒的にきれいだろう。高感度ノイズはデジイチと同じように考えるわけにはいかない。F30は少しは改善しているだろうが,大型のCCDを搭載した,銀塩高級コンパクトの正式継承モデルが出てくるまで,あまり過剰な期待はしない方が良いだろう。でも,ハニカム構造のために普通のCCDに比べて利得が大きい(はずの)「暗さに強いハニカムCCD」が初めて作られたと言えるだろう。間違いなくISO400は,常用域に達したと思う。これはハイエンドコンデジでもずっと不可能だったことで,室内,アベイラブルで使う気になれる初のコンデジといえる。今でもかなりの高画質な画をたたき出してくれるMinolta DiMage A1ですら,ISO200にしたら,もはや使う気がなくなる性能で,使用したIXYの新旧2モデル(D400&50)も最低ISOで使っている。
手ぶれ防止は,被写体ぶれには対応できず,他社の高感度と手ぶれ防止の両方で対応しているとされるコンデジは,ソフト的なノイズの押さえ込みが基本なので,十分評価したい。でも,最初の頃の暗さに強いと喧伝された話やモデルは何だったのかな? そのあたりの話を確認しようとF601を購入してがっかりしてたたき売った人間としては一言書いておきたい(過去アーティクルに高感度による作例を結構乗っけてますので,F11のタグをクリックしてみてください)。
7)操作性
インターフェースやメニューの階層構造は,はっきり言って使いやすいとは思えない。
どのデジカメも独特で,結果的にユーザーが慣れる過程であまりハンディが無くなると思いがちだが,直感的に分かりにくいメニュー構造はやはり,いつまで経ってもわかりにくい。
あと,起動ボタンが結構飛び出している。何が困るかって,ソフトケースに入れて鞄に放り込んであると勝手に起動することが結構ある。安全装置のお陰でレンズに圧力がかかる場合は,引っ込んでセーフとなるが,何となく怖い。IXYでは,この誤起動はほとんど無いと思う。セミハードケースに入れないといけないようだ。
8)レンズ
通常のコンデジズームだし,広角域は1/1.7インチのCCDにあってもう少しがんばって欲しかった。しかしFujinonの銘を入れたことから,無理な設計をしないというそれなりの矜持かもしれない。余裕のあるノイズ感などと相まって,野外での画は決まれば,デジイチと比べてもWebでは,判別できないほどの画が得られる。
ただ,空などの表現についてはソフト的にもう少し詰める必要があるかもしれない。ルネ・マグリットの画のような,色が飽和していないにもかかわらず,嘘っぽい空になる。
8)水中撮影
ニコノスの販売中止から銀塩機は消滅する方向で,ほとんどデジタルになってしまったジャンルであるが,水中での何もないところの空気感じゃんじゃなかった,「水感」はデジタルがその表現をもっとも苦手とするということはあまり知られていない。
本機は近接域の撮影では破綻しない画が得られて意外とこなす(F11水中使用感)。タングステンライトモードを使った「楽園モード」を使わなくても,海の色などは,かなり彩度を上手く作っていて,これは彩度バンバンのCANONコンデジなどの方向とは違った方向で,こなれてきているような気がする。
水中ハウジングは,シャッター部分がプッシュボタン型ではなく全面部に指のかかりやすい,判別しやすい形状のシーソー型のものが着いていて◎。IXYでは,色が塗り分けてあるが位置が微妙で起動スイッチとよく間違えた。グローブなどをはめて,思考能力が落ちる水中での環境をちゃんと想定した設計になっている。保証深度は標準的な40m防水だが,ポリカーボネートの厚さを感じさせる仕様などから,ファンダイブよりももう少しハードな状況でも使えるだろう。底につけるウェイトもちゃんと標準装備となっている。ちなみにハウジングに入れると,AF合焦音は,最大にしていても聞きづらくなるので,付近がうるさかったり急いでノーファインダーで撮影しているときには,博打が増える。
細かいことを云えば,梱包時の傷よけのシールは,光の反射が酷くてこれは飽くまで販売時の傷よけにしか使えない。文句を言われる筋合いではないというのが良識かもしれないが,IXYのものは使用時も張りっぱなしのままでもモニターは見やすく,新たに防傷シールを購入する必要もなく,そのまま使えた。アホみたいなことだが,本体に貼る分はしょうがないとして無駄が一つ増えるのは,損をした気になるし,こういうのをもったいないというのではないだろうか。水中でしか使わない人がいきなり使ったら,なんじゃこりゃ見にくいTFTだなと誤解を招く場合もあるから,メーカーにとっても余りよいこととは思えない。それと,水中ハウジングにはワンハンドストラップしかついておらず,水着のお姉さんが手首を通して浜辺に立つ場合の見栄えはよいだろうけれど,ちゃんとしたネックストラップをつけて欲しかった。というわけで,IXYの水中ハウジングに着いていたものを外して使っている。
総括として,良いコンデジだと思います。もう一度買う?と聞かれたら,買います,と答えますが,1)のようなコストに影響する部分は無理としても,他のソフト的に何とかなる部分などは,改良して欲しいと思います。特に2),4),5)が何とかして欲しかったところです。
んでしょうか?ミントを食べて、すーっとしている(笑)のでしょ
うか?動物って家で一番涼しいところで、寝ていたりしますが、
僕ちゃんも、ちゃーんと知っているんですね!!

