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The Bat Detectors

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 iTuneによる最近の試聴は,もっぱらThe Bat Detectorsの4時間にもわたるライブということになっております。特殊な電気機器を使った長大なプログレサウンドです。ノイズは派手ですが,テルミンやオンドマルトノのようなアナログティックな電子音に満ちあふれてます。
 ちなみに,このG4 Book,ほとんど音楽試聴用には使っておりませんので,iTuneフォルダー内のコンテンツはわずかで一貫性もありません。レンタルショップなど行く暇もないので,ソフトはすべて現物があります。念のため。



4時間分のコウモリの声の自動録音の結果を解析して,いい加減嫌になりました。
 タイマー予約機能がついた録音機能付きステレオMPプレーヤに,超音波を変調して出力する要するに‘Bat detector’と呼ばれるコウモリ調査機器をつなげて録音したものです。自動録音を使ったのは,夜,野営できる場所が無く,また,その場所からの夜間行軍が不可能というような場所の調査であったため苦肉の策です。
 Bat detectoを独自の方法で超音波マイクを防水処理して,岩場に放置しただけなのですが上手くいきました。ありがたいことに今は,タイマー予約できるステレオMP3子コーダが安く出てます。ただ,タイマーの必要性をメーカー側もあまり感じないでしょうから,今後の後継機製品としてはかなり危ういオプションと思われます。
 さて,一般に使われているBat detectorは,2,3万円台のヘテロダイン方式によるもので,こいつは,ターゲットとなる周波数からのずれが音として聞くことができるという代物です。音質的に8kHzぐらいまでの高音しかその安っぽいスピーカーから聞こえないわけで,だいだい±4khzの領域の音しか探知できないわけです。というわけで,例えば50kHzにセットしておくと,46〜54Khzのバンドを使っているコウモリしか探査不能です。だから,実際の調査ではヘテロダイン方式では,特定周波数に山を掛けるのなら別ですが,自動録音というわけにはいきません。一般のコウモリウォッチングでは遊べるのですが,解析と云うことになると,録音時の設定周波数のログをきちっと記録するなど結構面倒くさいのです。もちろん通常のコウモリウォッチでは,50kHzに合わせておけば,十分ですが,私の場合,18kHz(耳の良い方は余裕で聞こえます)〜80kHzかそれ以上という,非常に広い領域に関わるコウモリ種群のすべてを相手にしており,時間的制約もあり,しかも,当日のライブセッションのメンバーが全く分からないという状況で仕事をしているので,フルレンジで一挙に拾えて,可聴域に落とした音源のオリジナル周波数がぱっと分からなくては話にならないのです。

 というわけで,100万近いお金をはたいて20kHzの可聴域ぎりぎりから150kHzまで一気に拾ってしまうというABBA(古!)の故郷,スウェーデンのPetterson社のDシリーズを使うわけです。スウェーデンといえば,昔,野外用生録用のフィールドマイクで有名なTelingaから,パラボラ付きのマイクを直接購入したのですが,野生生物に関わる電子機器は伝統があるようです。生態屋にはありがたい製品を作ってくれる国,スウェーデン。グスタフ2世アドルフ,万歳!

 コウモリについては,CFとFMという二つの音波パターンが系統群の違いにより存在するのですが,それとピーク周波数や,独自に解析したパラメータなどにより,かなりのレベルまで種を特定することができます。詳しくはノウハウになるので,ここには書けませんが。

 さて,MPプレーヤに録音されたMP3ファイルですが,4時間分ともなるとなかなか扱いやすいMac用ソフトが手元にはありません。Winに取り込んで,Bat sound proで処理するという手もあるのですが,今一使用感が。もちろんBat sound proでもそんな巨大なファイルは扱えませんし,WAVファイル専用のようです。
 しょうがないのでiMovieでは4時間のMP3データを全部取り込むことができるので,これで取り込んで,必要なところだけ切り出して,部分的にQuickTimeファイルに書き出します。なぜかというと,ずっと使っている音声解析ソフトSound Edit 16(既にディスコン)がmp3に対応していないのと,4時間のファイルは,変換ソフト(Madplaywrap)を使うとaiffファイルならギガバイトを軽く超えて残念ながら読み込めないからです。Sound Editのソナーグラム,スペクトログラムが使いたいだけなのですが,シンプルで良くできています。その他,野生生物の音声解析の分野では研究者が,マックを伝統的に利用していたので,OS9のフリー・ソフトとしてCanaryなんてのもあります。これは,やはり鳥類研究者が作ったソフトで,二つの野鳥の声を解析して,同じ個体であるかどうかという確率を%で出してくれます。今でも病気みたいな信者が,30〜40代の研究者にはそこかしこにいますが,Macに神通力があった時代を経験していない若い研究者には皆無です。先生(or 研究室 or 先輩),何でマックを使っているのか,安いWinマシンで仕事ができるのに,皆,首をかしげているでしょう。
 iTuneの成功後,Appleは解析や生態学研究者などのマイナーユーザーなど,存在も忘れているでしょうけれど,そっち方面,再びもう一度だけテコ入れをすることもないでしょう。ジョブスが戻る前に,Appleが深刻な経営危機に陥ったとき,解析ソフトのプロバイダーは雪崩を打ってWin市場に逃げていったきりです。今の若い社員は,そのことすら知らされていないでしょうけれど,私はそれがとても残念です。
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by complex_cat | 2006-08-14 17:14 | My Tool | Trackback | Comments(0)

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