A Secret Beach Part II
2006年 08月 13日
キャンプとはなぁ,とりあえず,お金とクルマを持った人間が簡単に入れないところまで自分の足で歩いて,時々,目覚めたら沢の中でシュラフ毎泳いだりすることがある,そうだな,民間人と同じことしたらいかん。でもって,缶詰は缶切りなどでは開けてはいかんので,ちゃんと生協食堂のスプーン一つで開けねばならん。食い物も,まず飯だ。フェリーの中だろうと,冬山列車の中だろうと,平然と飯を炊く。これができて一人前だ。
学生時代,旅先で知り合ったN大のワンゲルの友人は,そう自慢げに話してくれました。今から見ると,まだ,アウトドアは,特殊な趣味から抜け出しつつある黎明期でした。百花繚乱のフィールドギアに囲まれた物欲キングのようなアウトドア雑誌は,未だ創刊される前の話。
ははは,今頃彼らも,父親となり「民間人」のキャンプをやる羽目になって,焼き肉当番なんてやっているのでしょう。
Fujifilm FinePix F11, Fujinon1:2.8-5.0/8-24
やらせではなくて,フライを張るのをやり方を息子に教えたら,黙々とやってくれました。自立式ですが,背が高すぎるので,私一人では,立てるのにもう少し苦労したでしょう。
Fujifilm FinePix F11, Fujinon1:2.8-5.0/8-24
私も長男も,麻婆豆腐を食べたい気分でなかったので,事前に作っておいたペミカン(香辛料と塩でc_C特性のチューニング)に火を入れます。焼長男が肉好きなので,ほとんど焼き肉スパですね。トマト缶詰と合わせてソースのできあがり。
Fujifilm FinePix F11, Fujinon1:2.8-5.0/8-24
Canon EOS Kiss Digital N, Carl Zeiss Distagon 1:1.4/35 T*
一緒に写っているのは20年近く愛用しているVictorinoxのフィールド・ナイフ。スイスアーミー御用達の七徳ナイフで有名なメーカーのものですが,もちろんアウトドアショップなどには置いてありません。調理には包丁型の刃物が一番便利なのに。焼き肉ばかりやってロクに料理作らない連中が売っているからそんなものかと思ったり。
沖縄でプロ漁師がサメ殺しに使っている道具です。サイズもいろいろあります。ブレードが厚く柄の奥ぎりぎりまで入っているので,こじっても絶対の強さを誇ります。私のものは,南九州で著名な刃物のプロショップで加工してもらって,先端の背側にも刃を付けてもらってます。魚を捌くとき便利です。私のフィールドの師匠は,根切りの刃付きの移植鏝として使ってます。もちろん包丁などと同じで,しゃれたケースなどありませんから,みんな手作りか特注品を使ってます。
それと,あまり大きな声では言えませんが,スローイングナイフとして使ってもバランスが良いので,ここぞという場合には守り刀です。諸刃は振り回すとディフェンディングしにくいので,鍔を付けてナイフ・コンバットでも圧倒的に有利。何の話じゃ。
お湯が沸くまでに,ちょっと撮影なんて暇もありません。
あっという間に焼き肉パスタができあがって,長男はシェラカップを食器にして,たっぷり2杯ほど食べたのでした。
Fujifilm FinePix F11, Fujinon1:2.8-5.0/8-24
使っているのは,一種のカセットコンロなわけですが,プリモスのスパイダーストーブの火力は,盛夏とは言え信じられないほど強力。冬季の山の中,灯油バーナーのオプチマスだってずいぶん強力だと思ってましたが,お湯が沸くのが待ち遠しかったのが嘘のよう。ホエーブスのように余熱がいらない,ピーク・ワン(既にディスコン後継製品はフェザーストーブ),がコールマンから出たときは革新的でした。赤ガスが使えないので,安いホワイト・ガソリンを求めて,うろついたのを覚えております。当時から使っていたものが1台手元にありますが,古い個体を加圧して使うのは怖くてできません。
懐かしのポンピング・ストーブたち。特にオプチマス(貧乏学生にはコピー品のマナスル製スベアが一般的でしたが)はゴーっというあのうるさい音と,消した後にくる静寂感が好きだったのですが,今はわざわざ灯油やガソリンを持って行くことはなさそうです。でも,キューロク(96)や,8Rなど,今でもちょっと欲しくなったりします。
夜の帷が降りると,私の学生時代とは異次元のオートキャンプ用の快適なテント生活。元には戻れんなぁ。クーラーのスイッチどこだっけ。
Canon EOS Kiss Digital N, Carl Zeiss Distagon 1:1.4/35 T*
Fujifilm FinePix F11, Fujinon1:2.8-5.0/8-24
彼を照らす光は,私が本気でフィールドワークをやっていたときには,誰も持っていなかった高輝度LEDライトの光。テクノロジーが進む。それは止めようがない。せめてこいつらのために少しでもましな方向にと祈らざるを得ない。
Fujifilm FinePix F11, Fujinon1:2.8-5.0/8-24
Fujifilm FinePix F11, Fujinon1:2.8-5.0/8-24
とてもキャンプ初めてとは思えないと周囲に言われましたが
でも、さして普段と変わらない環境を作れる今のキャンプ用品に囲まれてですから、実際拍子抜けしました。…もっとオオゴトなのかと思っていました。
ちなみに、あのぷしぷしぷしぷし言わせて使うホワイトガスのランタンは
使ったことがありません。
アウトドアには絶対コレだと言われて買ったBACKの110番のナイフは
使いづらいので、結局普通の包丁使ってます。
オートキャンプ場なんかだと、お母さんたちは台所から鍋釜持ってきて料理してますね。ほんとうに今やお手軽です。
同じ理由でホワイトガスのランタンも,400燭光とかを自慢するだけでなく絶対的な明るさが必要な場合使っても悪くないですが,夏は狭いテントの中なら暑くて,汁物が飛べば,ガラスの風防はぴきっと割れたりします。
オートキャンプったって,そのスタイルに慣れた子供がTV見ながらゴロゴロしているだけで,茶の間を移動させただけですね。良くも悪くも日本のキャンプは,庭先でやるのと同じです。
フィールドずっと一緒だった友人とここで待ち合わせして,闇の中に私が「おーい」と声をかけて,彼が「おーい」と返事して,野田さんがおまえらそれで通じるから良いな,と妙に感心くれたのが印象的でした。夏のキャンプの時には,実は野田さんが書いたBE-PALのテキスト中に,私たちのことが出ております。
ペミカンは夏場は作り損なうと腐ります。キャンプでの燃料と調理時間を最小化するための知恵なのですが,今時の火力に溢れたオートキャンプでは,あんまり意味ないかもしれません。